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失敗は真摯に受け止める

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/06/02 ITMedia
失敗は真摯に受け止める: 画像:ITmedia © ITMedia 提供 画像:ITmedia

 どんな小さなことでも、失敗したと分かったら隠さずに白状することです。隠そうとすればするほど気持ちも行動もあせってしまいます。失敗を受け止め、報告することであせりは消えるのです。

●失敗は真摯に受け止める

 例えば、洋服に穴があいたとき。糸でかがるなどしてちゃんと繕っておくと、それ以上穴が大きくなることはありません。でも、穴を隠す程度の処置しかしなければ、穴はどんどん広がります。

 失敗はそんなほころびのようなもの。気付いたときにきちんと対応しておかないと、取り返しのつかない失敗になってしまいかねません。「このくらいなら分からないだろうと失敗を隠ぺいしたら、とんでもないことになった。もっと早いうちに、白状しておくんだった」などと悔やんでからでは遅いのです。

 近年は、組織ぐるみで「失敗の隠ぺい」を行い、会社生命を危うくする例も頻発しています。その典型が、ある自動車メーカーのリコール隠しでしょう。

 車は、ときには人命を奪う凶器ともなる。どんな小さなことでも、製造者責任に関わる欠陥があると判明したら、すぐさまリコールを届け出て、無償回収あるいは修理の対応を迅速に行わなければなりません。このメーカーはそれを怠りました。

 リコールを届け出ることは会社の信用問題に関わるので、隠したくなるのかもしれません。しかし、隠すことによって、いくつものタイヤ脱落事故が起こりました。最初に事故が起こった段階できちんと原因を究明し、自社の責任を認めて迅速な対応をしていれば、あれほどのスキャンダルになることもなかったのに。

 自動車に限らず、あらゆる業種で「クレーム隠し」は頻発しています。目先のイメージダウンを怖がり、応急処置だけして知らんぷりするか、クレームそのものを無視するか。いずれにせよクレームに対して自らの落ち度を認めずに、結果的にはつくろいようもないほどに失敗の穴を広げてしまうわけです。

 これは、個人にも言えることです。誰しも、自分の失敗を認めるのはあまり気の進むことではありません。それで「隠せるものなら隠したい」という心理が働くのでしょう。その場逃れをするためにあせったあげく、どうにも逃れようがなくなり、信用を失墜させる――。それが「失敗隠ぺい」の構図でもあります。

 どんな小さなことでも、「あ、失敗した」と分かったら、その時点で隠さずに白状することです。それによって、自分への評価が下がることもあるだろうし、被害を被った人から大目玉を食らうこともあるでしょう。

 しかし、それは一時的なもの。失敗を真摯に謝り、その後の対応で良い結果を出せれば、評価は間違いなく180度変わります。「わざわい転じて福となす」ことだって可能です。

 そもそも、失敗を隠そうとするから気持ちも行動もあせってしまうのです。とっとと白状すれば肝は据わるし、善後策を打つという1つの目標に向かって迷いなく行動に走ることもできます。

 それに早い段階で失敗が分かることは、むしろ歓迎すべきこと。後になって失敗に気付くのと違って、打つ手はいくらでもあるというものです。

[斎藤茂太,Business Media 誠]

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