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宇多田ヒカル、星野源、RADWIMPS、嵐、BABYMETAL…2016年彩った5作をプレイバック

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/26 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 アリシア・キーズ『ヒアー』、ボン・イヴェール『22、ア・ミリオン』をはじめ、数多くの傑作がリリースされた2016年のポップミュージック・シーンですが、ここ日本においても今年は20年に一度といっても過言でないほどの豊作の年でした。そこで今回は2016年を彩った話題作をプレイバックしたいと思います! (関連:宇多田ヒカル、小田和正と15年越しの“約束”果たす 「大変長いことお待たせしました」)  2016年の日本に音楽シーンにおける最大のトピックは、やはり宇多田ヒカルのカムバックだろう。前作『HEART STATION』以来、約8年半ぶりのフルアルバム『Fantôme』。本人出演のCMソングに起用された「道」、椎名林檎とのデュエットが実現した「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」などアルバムに収録された新曲もすっかり浸透し、「完全にレベルが違う」「天賦の才能がさらに進化」と圧倒的な評価を獲得した。“幻”“気配”というタイトル通り、本作には目に見えないもの、存在しないものに対する思いが込められているわけだが、聴けば聴くほど“大切なものの不在”がじんわりと沁みてきて、悲しみと救いに同時に包まれるような感覚になるのだ。2017年はぜひライブを観たい。  ブラックミュージック、ブルース、ジャズに影響を受けながら、独自のポップスを形成してきた日本の音楽シーン。その延長線上にある、いちばん新しいスタイルが星野源の『YELLOW DANCER』だった。ブルーノ・マーズ、アラバマ・シェイクスといったアーティストとの親和性を感じさせるサウンドメイクに歌謡の伝統を受け継ぐ歌を乗せたこのアルバムによって、彼はセールス、クオリティ、評価のすべてにおいてに日本のトップ・アーティストになった……と思っていたら、2016年後半に「逃げ恥」と「恋ダンス」でとんでもないブームを作り上げてしまったのだった。音楽シーンを超えて、日本有数のエンターテイナーになった星野源。ほとんど全裸で舞台(『ウーマンリブ先生』)に立っていた10年前が懐かしい。  記録的なヒットとなった映画『君の名は。』(2016年/監督・新海誠)のサウンドトラックを手がけたことはRADWIMPSにとって大きな転機となった。「前前前世」をはじめとする超キャッチーな主題歌・挿入歌はもちろん、劇伴の楽曲でクラシック、エレクトロなどの要素も導入され、彼らの音楽性も大きく拡大。さらに映画を観た10代がRADWIMPSを“発見”するという現象も起き、(今年初めて彼らを知ったというオーディエンスは相当多いと思う)2度目のブレイクというべき状況を生み出したのだ。この作品の根底に流れていた“君と僕”の物語、そして、ロックバンドという枠に捉われないサウンドメイクがそのままRADWIMPSの新作『人間開花』につながったことにも注目してほしい。  ブルーノ・マーズ『24K Magic』はフィリーソウル、70年代ファンク、果てはニュー・ジャック・スウィングまで取り入れた“盛り上げるためなら何でもアリ”な作品だが、シングル曲「愛を叫べ」「復活LOVE」「I seek」「Daylight」を収録した嵐の『Are You Happy?』からも同じ匂いを感じる(グルーヴィーなギターカッティングを軸にした「Ups and Downs」はもろに「Up Town Funk」)。現実逃避的なエンターテインメントが流行しがちな日本の音楽シーンには時々うんざりしてしまうが、嵐の音楽には“シリアスな現実を受け止めながら、楽しむときは楽しもう”という諦念にも似たメッセージが感じられて、そこに惹きつけられてしまうのだ。その根底にあるのはもちろん“どんな状況であってもファンを楽しませる”というメンバーの覚悟だと思う。  2016年7月にフジロックフェスティバルに出演、9月に東京ドーム公演を成功させたBABYMETAL。ヘビィメタルの多様性、様式美を軸にしながら、壮大なストーリー性とメンバー3人のパフォーマンス能力を存分に活かしたBABYMETALの現代的なエンターテインメントは、『METAL RESISTANCE』によってひとつの高みに達したと言っていい。そのクオリティは当たり前のように世界的な評価を獲得、12月にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのロンドン・O2アリーナ公演でオープニングアクトを務めたことも大きなニュースになった。(しかもBABYMETALのライブにチャドが参加、ジューダス・プリーストの楽曲をセッション!)。さらにメタリカの韓国公演、ガンズ・アンド・ローゼズの日本公演のサポートも決定。2016年における、世界でもっとも成功した日本のグループはまちがいなく彼女たちだろう。(森朋之)

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