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宇多田ヒカルとの“距離”の近さを体感ーーネットイベント『30代はほどほど。』の楽しみ方

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/07 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 2016年の音楽シーンは、VRの存在感が海外アーティストの試みによって表れ始めた一年だった。アンダーワールドは3月に渋谷パルコでイベントを開催し、VRを用いたライブストリーミングを行った。ビョークは11月に日本科学未来館にて開催したイベントで自身のアルバム『Vulnicura』をVR作品化・体験できるようにするなど、それぞれの新たな映像表現が大きな話題を呼んだ。 (関連:宇多田ヒカルが行う、配信放送の新たな試みーー国内初3DVR/2D生中継イベントへの期待)  そして、日本のアーティストがVRを活用することも少しずつ増えてきている。宇多田ヒカルが自身のデビュー記念日12月9日21時より開催するネットイベント『30代はほどほど。』もその一例だ。開催が迫った今、改めて本イベントの概要と楽しみ方についてデジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を訊いた。 「これは、3DVRと2Dマルチアングルの同時生中継という国内初の試みによるネットイベントです。2Dの通常中継を合わせると、ユーザーは3つの視聴方法から選択して中継を楽しむことができます。3DVRは、特殊カメラで撮影した映像やCGで作られた360度全方位の映像が、ユーザーの目の前に現れたような感覚で体験することができるもの。今回は事前登録した人のみが対象で、視聴には専用スコープやアプリなどのデバイスが必要です。一方、2Dマルチアングルは、事前登録不要でさまざまな角度から映像を楽しむことができるもの。この2つはスマートフォン・日本国内のみという視聴条件がありますが、2D、いわゆる通常の動画はネット環境があればどこでも・誰でも楽しむことができます」  当日はこのイベントのために用意された会場に宇多田本人が登場し、中継を通してリアルタイムでファンとのコミュニケーションを行う。さらに宇多田のライブパフォーマンスも行われる予定だ。また、スペシャルゲストとしてアルバム『Fantôme』に参加したラッパーのKOHH、カバーアルバム『宇多田ヒカルのうた』関連の配信番組でDJを務めたPUNPEEといったヒップホップアーティストも出演し、イベントを盛り上げる。 「これまで音楽でVRを用いた例としては、MVやライブをVRで表現するというものがほとんどでした。しかし、今回はその中間のようなオーディエンス・インタラクションとなりそうです。通常のライブ配信では会場とコミュニケーションを取ることが難しく、ネットユーザーはどうしても距離を感じてしまう。しかし今回のようなイベントでは、ユーザーがアーティストをより近くに感じることができる。ネットを通じてファンとの距離を縮めることを大切にしてきた宇多田ヒカルらしい取り組みです。頻繁にライブがなくても、休止期間があっても、ファンが宇多田ヒカルを身近に感じることができたのは、そういう彼女の活動スタンスがあったからこそでしょう」  宇多田ヒカルは今からおよそ13年前の2003年1月19日、20歳の誕生日を記念したネットイベント『20代はイケイケ!』を開催した。当時はまだ配信プラットフォームが確立されていなかったにも関わらず、大規模なネット中継を実現し、100万アクセスを集めた実績を持つ。また、Twitterを通してファンとフランクに交流を行うなど、日頃からインターネットとの親和性の高い存在だ。 「今回のイベントは技術やトレンドを反映し、“今”のインターネットを象徴した時代の最先端をいくものになるのでは。まだ技術が追いついていない部分もありますが、これをきっかけにより発展することを期待します。仕組みが変わっても、映像の持つパワーは今後さらに大きくなっていくはず。特にVRは今までとは違う角度や距離でアーティストや作品にふれることができるため、VRを活用するアーティストはもちろん、オーディエンスにとっても新しい感性をもたらすものとなるでしょう」  いよいよ明日開催となるネットイベント『30代はほどほど。』は、MVともTVともライブとも違う宇多田ヒカルの姿を楽しむことができる貴重な機会となりそうだ。ネットを通じた宇多田との“距離”の近さを、実際に体感してみたいと思う。(久蔵千恵)

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