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富士通の経営目標達成にはPC事業の切り離しが不可欠

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/06/14
富士通の経営目標達成にはPC事業の切り離しが不可欠 © KADOKAWA CORPORATION 提供 富士通の経営目標達成にはPC事業の切り離しが不可欠

今回のことば  「レノボとのPC事業の統合において、お互いが考えていたことや、方針にずれが発生しているわけではない。これが破談になることはない。早晩まとまると考えている」(富士通の田中 達也社長)  富士通の田中 達也社長は2017年6月6日、2015年度に社長就任して以降、同社が取り組んでいる経営方針の進捗状況について説明した。  田中社長は「2015年度から実施している変革の効果は着実に出ている。2016年度の業績はすべて公表計画を上回る結果となった」などとし、「2015年度発表の経営方針で設定した連結業績目標に変化はない。環境の変化にあわせて、必要な手を打ちながら達成に向けて取り組んでいく」と、計画が順調に推移していることを示した。  だが「2合目か、3合目にいるという状況は変わらない」と、まだ道半ばであることを認める。  富士通は中期的には連結営業利益率で10%以上、フリーキャッシュフローで1500億円以上、自己資本比率で40%以上、海外売上比率では50%以上を目指す計画を示している。これらの経営目標の達成に向けては、まだ距離があるのは確かだ。  そのなかでも、重要な経営指標のひとつになっているのが営業利益率である。 営業利益率を上げる最大のテーマがPC事業再編  富士通では2016年度実績で2.9%だった営業利益率を、2017年度には4.5%に引き上げる計画であり、これを「5%ゾーンのミニマムライン」と位置づける。さらに2018年度には、営業利益率6%ゾーンへの到達を掲げ、将来的には10%以上を目指す考えを示している。  2018年度の6%ゾーンは同社にとって過去最高の営業利益率となり、さらにその先を目指す計画を考えると、田中社長がいうようにまだ2合目か、3合目という状況にあるのは明らかだといえよう。  「私は社長就任以来、営業利益率10%を目指すとしている。これは社員にも浸透している。グローバル企業と互して戦うには、営業利益率10%の水準が必要であり、2018年度の数字は通過点に過ぎない」と、遠くの頂を見据えた計画であることを強調する。  そうしたなかで、直近の課題として最大のテーマが、PC事業の再編だといえる。  実は田中社長が「2合目か、3合目」と現状を表現した際に、上の句がついていた。それは「PC事業の独立化が進んでいないこともあり」という言葉だった。つまり、PC事業のレノボとの統合が進まない限り、2合目か、3合目にいる状況は変わらないという意味であり、それに続けた「2017年度は成長を実感する1年とし、5合目まで登りたい」との言葉には、PC事業が統合に決着がつけば、経営方針は一気に5合目まで登り切ることができるという意味が込められていたともいえよう。 レノボとの統合は進まないものの、破断もない  富士通は2016年10月に、レノボと戦略的提携の検討について発表し、PC事業に関する研究、開発、設計、製造において、事業を統合する方針を示している。  もともと田中社長は2017年3月末までに交渉を完了する考えを示していたが、その期限を超えても統合は完了しておらず、2017年4月28日に開催された2016年度通期業績発表の会見でも「できるだけ早い時期での最終合意を目指している」とコメントするに留まり、具体的な時期は明言しなかった。  今回の経営方針説明の会見では、記者から何度も期限についての質問が飛んだが、やはり具体的な時期には明言しなかった。  だが、4月時点とは少し様子が異なり、今後、短期間で最終合意を目指す姿勢が感じられたのは事実だ。  田中社長は「両社のシナジーをどう出すかを最終的に詰めている段階であり、早晩まとまると考えている。その時期はそんなに遅い時期ではない」と発言した。  また、交渉が長期化している理由については「将来に渡ってうまくいくように考えており、最後のシナジーの部分について意見をぶつけあって、詰めているところである」と語り、「話し合いについては、悪い状況にあるわけではなく、大きな問題があるわけでもない。また事業の統合に関して、お互いが考えていたことや、方針にずれが発生しているわけではない。これが破談になることはない」と断言してみせた。  富士通では過去に東芝のPC事業およびVAIOとの統合を模索した時期があった。だが、東芝はPC事業を自立再生できる目処がたったとして統合を見送り、VAIOも独立して事業を展開する道を選択。統合計画が破談になった経緯がある。  富士通も2016年度の業績において、サプライチェーンの改善効果や人件費圧縮などの効果があり、PC事業が回復基調に転じている。またPC事業を担当する富士通クライアントコンピューティングに、販売子会社から新たに2人の役員を登用して8人体制へと増員するなど、同社主導での経営体質の強化を図っている。レノボとの統合計画が、再検討すべきタイミングに入ってきたとも受け取れかねない動きが見られているわけだ。  しかし田中社長は「この方針には変わりがない」と発言し、PC事業が回復基調に転じても、レノボとの事業統合を推進する姿勢に変化がないことを改めて強調した。  田中社長は「PC事業を含むユビキタス事業とデバイス事業は独立事業体として市場競争力を向上させることを優先し、その上で、富士通のコア事業とのシナジーをさらに追求していく」とし、「PCがこのままの形で続いていくのか、あるいはなにかに置き換わるのかはわからないが、これからは取り巻く環境がどんどん変化していくことは明らかである。そのときに最適な状況はなにかということを考え、その都度検討していくことになる」とし、将来独立したPC事業と富士通とのスタンスの取り方について示した。付かず、離れずといった姿勢がベースとなりそうだ。  富士通が掲げた2017年度の営業利益率4.5%のなかには、PC事業の分離は含まれていない。田中社長はあくまでも「ビジネスモデル変革の成果と、ナレッジインテグレーションの専門力を高めること、そして、これをグローバルに展開していくことで利益を積み上げていく」としているが、PC事業を分離すれば営業利益率4.5%の達成は一気に現実化する。  富士通にとって経営目標の達成に向けた「5合目」に到達するには、今年度中のPC事業の切り離しは不可避といえそうだ。 ■関連サイト 富士通

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