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審査員が選ぶ「2016年を代表するスマホ」は?(後編)

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2016/12/29
審査員が選ぶ「2016年を代表するスマホ」は?(後編): 審査会の模様 © ITmedia Mobile 提供 審査会の模様

 ITmedia Mobileは12月上旬、2016年を代表するスマートフォンを決定する「スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2016」の審査会を開催しました。

 選考対象となるスマホは2015年12月から2016年11月までに発売したもので、最終選考に残ったのは以下の10機種です(機種の発売日順に掲載、かっこ内はメーカー名)。

・ロボホン(シャープ)

・Galaxy S7 edge(サムスン電子)

・HUAWEI P9(Huawei)

・arrows M03(富士通コネクテッドテクノロジーズ)

・iPhone 7(Apple)

・iPhone 7 Plus(Apple)

・ZenFone 3(ASUS)

・honor 8(Huawei)

・Moto Z(モトローラ・モビリティ・ジャパン)

・Xperia XZ(ソニーモバイルコミュニケーションズ)

 2016年の選考委員は、1年を通じて携帯電話業界を取材してきた石川温氏、石野純也氏、太田百合子氏、佐野正弘氏、島徹氏、すずまり氏、房野麻子氏、村元正剛氏、山根康宏氏、らいら氏(五十音順)の10人と、ITmedia Mobile編集部(2人で1人扱い)です。

 審査に先立ち、選考委員がそれぞれ5機種ずつノミネート候補を挙げました。各委員が推薦した5機種は、以下の通りです。

 審査会では、出席できなかった山根氏を除く委員の皆さんに、2016年の携帯電話業界の動向を振り返りつつ、推薦した機種とその理由を語っていただきました。この記事では、太田百合子氏、すずまり氏、らいら氏と、ITmedia Mobile編集長の田中聡のコメントをご紹介します。

●太田氏:Huawei大躍進の年 今年のスマホは「HUAWEI P9」

太田氏 2016年はワクワクする製品が多く、当たり年だったと思います。そのなかでギミック的に面白いものを選んでみました。ただ皆さんが挙げられているロボホンは「これは電話じゃないな」という感じがしていて(笑)。コミュニケーションの新しい形としては面白いですし、シニアの方と家族をつなぐモノですけど、迷いつつ選びませんでした

 今年はHuawei大躍進の年ですね。カスタマーセンターも日本にオープンしましたし、戦略的に端末を大量に出しました。MVNO市場の盛り上がりに合わせて一番印象に残ったメーカーだと思います。

 HUAWEI P9はライカと組んだ驚きもありましたし、実際ライカのレンズに恥じない仕上がりです。モノクロモードの評価が高いですが、フィルムモードも良くて、色の落ち着き、感情に訴えかけてくるような写真が撮れる。若い人のあいだであらためて「チェキ」や「写ルンです」のようなインスタントカメラがはやったりと「フィルム帰り」みたいなものがある中で、P9の「フィルムモード」は若い人に響く写真が撮れます。よくぞ出したな、今年(2016年)はコレだろう、と思いました。

 Galaxy S7 edgeは、やはりVRですね。IT業界的にもVRが盛り上がりましたし、その口火を切ったのは間違いなくGalaxyのGear VR。それに、撮影デバイスとして「Gear 360」もありましたよね。カメラの出来は物足りない部分もあるのですが「360度で撮影してVRで見る」という流れができて、Facebookも360度写真に対応し、エコシステムのようなものができました。これは、インパクトのある出来事だと思います。

 同じくインパクトが大きかったのは、iPhone 7 PlusでもSuicaが使えるようになったことです。iPhoneでSuicaが使えるようになったことで、電子決済のパラダイムシフトが起こる可能性があるのでは、と思っています。iPhoneは、日本ではシェアが大きいですから。そういう観点では、iPhoneのFeliCa対応はクレジットカード会社に大きなインパクトを与えているようですし、各種会員カードのポイントも影響を受けますよね。それくらいの経済的なインパクトがあったのでは、と思っています。iPhone 7ではなくiPhone 7 Plusにしたのは、皆さんと同じくデュアルカメラが理由です。

 「NuAns NEO」は、私しか取り上げませんでしたが、Windows 10 Mobileが一時的に盛り上がったこともあって、搭載機種を必ず何か入れたい、と思っていたのです。NuAns NEOを選んだのは、今までスマホを開発していたわけではない、デバイスメーカーでもトリニティがスマホをつくった、ということが面白いし、いち早くUSB Type-Cを取り入れたり、背面側にICカードを入れるようにしたり、着せ替えのギミックがあったりと、初めてなのにいろいろなチャレンジしたからです。初参入だからこそ、なのかもしれませんが、その姿勢を買いたいです。

 Moto Zについては皆さんがおっしゃる通りです。スマホの機能をモジュールで拡張するのはアリかなと思っていて、それをきれいな形で実現したことを評価しました。「スマホ+α」という新しい形は「AIとの組み合わせ」が注目されていたけど、ハードウェアとしてモジュールとか合体といった形もあるのだと示してくれました。

●すずまり氏:カメラばかり見ていた年 P9は良い意味で次の機種が待ち遠しい

すずまり氏 2015年は「Ingress」ばかりしていて、Ingressで一番使いやすい端末はどれか、という視点で選んでいましたが、2016年は完全にカメラを見て選びました。

 最初にGalaxy S7 edgeのカメラが気に入りました。バーのような薄暗い所でもしっかり撮れて、ご飯もおいしそうに撮れるし、どこにいってもそつなく撮れるカメラです。プロモードの調整も細かくできるので「絵づくり」もできる。最初はプロモードを使った絵作りをしようと思っていたのですが、オートモードでもとてもきれいに撮れるので、どこに行っても、食べ物もオートにお任せで問題ありませんでした。とても感動したので「S7 edgeいいよ」って他の人にもお勧めしていたくらいです。

 ですが、その後にhonor 8と出会いました。「デュアルレンズでワイドアパーチャ機能が使える」と発表会で聞いて、その場では「ふーん」という感じだったのですが、実際に使ってみるとインパクトが強かった。カメラも良いし、Huaweiのスマホらしくカメラを始めとする各種UIに癖がなくて使いやすい。アプリをインストールすればアイコンが追加されて、iPhoneチックで、動作もサクサク。何より、コストパフォーマンスがすごく良いのです。

 ……と思ったところに、HUAWEI P9が登場して、ライカレンズとフィルムモードに完全にやられました。久しぶりに「スナップ写真を撮りに外に行きたいな」と思った端末です。撮れば撮るほど好きになる。動作もサクサクですし、「嫌」という部分がない。「ワイドアパチャーで57mm相当の写真が撮りたいなぁ」とは思うのですが。「P9の後にどんなスマホを出してくるのだろう?」「私はこういう風に使いたいからぜひ次の機種をお願い!」っていう、久しぶりに良い意味で次の機種を待ちたいスマホですね。

 あとGalaxy S7 edge、HUAWEI P9、honor 8の3機種はインカメラの美肌撮影にも力を入れているのです。その点でも外せないな、と思います。

 iPhone 7 Plusはデュアルカメラとポートレートモードが付いたのを評価しています。本当は「iPhone 4s」あたりのカメラの表現が好きでしたけどね。P9にしっとりした雰囲気があるのに対して、今のiPhoneは乾いているというか、ノスタルジックな感じになってしまうのです。ただ、ポートレートモードはハマると良い画になる。晴れている日の屋外とかね。オールラウンドではないのが残念だけど。あとシャッター音をなんとかしてほしいですよね(一同 笑いつつもうなずく)。

(※編集注:「iOS 10.2」の適用で、シャッター音は 小さくなりました)

 ロボホンはスマートフォンとして見るのは難しいけど、カメラ機能が楽しいんです。女性陣だけでカラオケに持っていったことがあるんです。その時に、パーティーモードにしておくとどんどん写真を撮ってくれた。それがすごく便利だったんです。ロボホンが名前とか顔を覚えてくれているから、あとで写真を見るのも楽しいし。どこで写真を撮った、とかね。コミュニケーションを含んだ“面白いカメラ”だなって思ったいました。私の友達にガチで購入して持っている人がいるのですけど、本当に持ち歩いている。だからハマる人には本当にハマる。固定電話として見ても、通知の読み上げ機能が便利なので、持ち出さなくてもいいのかな、と。かわいらしいし。

●らいら氏:充実したiPhoneは外せないけどP9、S7 edge、isaiのカメラにも大きな魅力

らいら氏 ミーハーアラサー視点で選んだ端末になります。皆さんがおっしゃるように、カメラの機能が楽しかったですね。仕事でもプライベートでもスマホのカメラでよく写真を撮った1年だったな、と思います。「SNOW」のブームもありましたし、年上世代の芸能人も「Instagram」を始めていますし、「写真を撮ったらシェア」がさらに加速した1年でした。

 そのなかで選んだのがまずiPhone 7 Plusです。デュアルカメラはもちろん評価ポイントですし、「ポートレートモード」はまだベータ版ではありますが、正式版になればさらに良くなると思います。撮る体験も込みで、iPhoneのカメラなのですよね。私たちの世代はみんなiPhoneなので、撮った写真はAirDropでシェアしますし、お勧めの写真アプリを教え合うこともできる、という部分まで含めるとiPhoneは外せないな、という感じです。

 それと、iPhone 6s Plusの頃と比べると大画面ゆえに生かせるコンテンツが充実してきたことも評価ポイントです。大画面であることの意味ができたというか。「TVer」「AbemaTV」のサービスが始まってからというものの、iPhone 7 Plusで動画を見る機会が増えたのですよね。話題の「逃げ恥」はお風呂でアプリを使ってよく視聴しています(編集注:審査会は「逃げ恥」の最終回前に実施)。

 HUAWEI P9は最初あまり注目していなかったのですが、すずまりさんのInstagram写真を見て買いました(一同 笑)。すずまりさんもよくおっしゃるのですが、画像の仕上がりが“インスタジェニック”ですよね。最初は「ライカのカメラを買えばいいのかな?」とも思ったのですけど、値段を見たらすごく高くて(苦笑)。P9って一部では「(値段が)高い」って言われますけど、ライカのカメラを見たあとなら、そんなに高くないって思うのですよ(笑)。

 店頭で購入するときは、少し年上の店員さんが担当だったのですが「私も買いました!」という話で盛り上がりました。私が購入したのは限定色のレッドでした。iPhone 6sでローズゴールドがヒットしてから、ピンク系は軒並み似たカラーリングになってしまいましたが、違う色味のものが出てきたのは好印象です。

 Galaxy S7 edgeは写真がキレイだったのと、ナチュラルな美顔にしてくれることを評価しました。大勢で撮影してもワイド自分撮り機能のおかげで全員入りますし。「これ1台あれば、写真を撮るには十分」と思った端末です。

 isai Beatは音がいいというふれこみで登場したスマホですが、私はカメラを使ってびっくりしました。広角の写真を撮りたい時に今までのスマホではクリップ型のレンズや自撮り棒を使うとか、別にアイテムが必要だったものを、isai Beatではインカメラ、アウトカメラの両方で手軽に広角で撮れるようになりました。

 美顔モードもちょうどいいあんばいで盛れます。今でも一部メーカーの美顔モードは、ひと昔前のメイク風の仕上がりで、古臭い色白になってしまうのです。しかし、isai Beatなら、ナチュラルな肌色に仕上がります。

 ロボホンは完全に話題性で選びました。端末が出るだけでニュースになるなんて、もう多くないのに一般誌でも取り上げられて、いつか2016年を振り返ったときに絶対に話題に上る、面白い端末だと思いますね。

●ITmedia Mobile編集部:販売、記事の人気的には「iPhone」と「Xperia」は2強だ

ITmedia Mobile 田中 村元さんと重なっているのですが、編集部としてはiPhone 7 PlusとXperia XZは販売的にも2強という状況、実績を考えると外せないという判断です。

 ページビュー(PV)の数値を見る限りは、読者の関心はiPhoneに集まっていますし、特に7 Plusは特にそれが強く出ました。私も買ったのですが、使っているうちに7 Plusの大きさもさほど違和感がなくなりました。他にも5.5型のスマホが複数出て、大画面のスマホを使うユーザーが増えてきているはずです。一度大画面のスマホを使うと小さい画面に戻れません。

 XperiaはiPhoneに次ぐ人気があります。特にXperia XZはAndroid勢に数あるハイエンド端末の中でも、より多くの人に勧めやすいものといえます。Galaxy S7 edgeは編集部員が2人とも発売日に購入して、2人とも「写真がきれいでカメラに感動したのは初めて」という評価でした。

 arrows M03はSIMロックフリーで機能が多く、リーズナブルという点を評価しました。そしてHUAWEI P9は、皆さんにさんざん語られてしまいましたが、やはりモノクロがきれいに撮れる、という点がスマホのカメラでは新しいと判断しています。

 審査会に参加できなかった山根康宏氏のコメントと、スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2016の発表は、それぞれ別の記事として掲載します。お楽しみに!

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