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幕末の志士のように「外」を知り「志」を同じくするコミュニティを、高知に

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/09/14
幕末の志士のように「外」を知り「志」を同じくするコミュニティを、高知に © KADOKAWA CORPORATION 提供 幕末の志士のように「外」を知り「志」を同じくするコミュニティを、高知に

高知県はクリエイティブコンテンツ産地、より多くの人材を募集中  最初に挨拶に立ったのは、高知県知事 尾崎正直氏。尾崎氏は「高知県は人口減少が真っ先に進んだ県」と切り出し、それに対して現在進めている取り組みについて次のように語った。 「人口減少が進む中で、内にこもっていてはしかたがありません。どんどん外に出て言って、高知県にとっての外貨を稼いでくる、いわゆる地産外商を進めています。高知県の強みとしてよく知られているのは農産物、海産物などの第一次産業ですが、実はクリエイティブなコンテンツも得意としています」(尾崎氏)。 高知県知事 尾崎正直氏 高知県知事 尾崎正直氏  クリエイティブなコンテンツ作りを得意と語る尾崎氏が、その裏付けとして挙げたのは次の2つだ。1つ目は、いまや全国200カ所以上に広がった「よさこい踊り」。決まりごとが少なく、オリジナリティを取り入れやすかったのではないかと尾崎氏は言う。2つ目は、人口あたりの漫画家排出数だ。高知県は、人口あたりの漫画家排出数が47都道府県中1位なのだという。アンパンマンの作者であるやなせたかし氏も高知県の出身だ。こうした背景から企画されたのが、今回のイベントだという。 「高知県ゆかりのスピーカーから現状を語ってもらい、高知県に興味を持ってもらい、そしてできれば高知に来て欲しいと思っています。高知県は現在、人材募集中です」(尾崎氏)。  単に移住者を募集するというのではなく、「人材募集中」という言い方で、クリエイティブな人材にアピールした尾崎氏。この言葉が、ITコンテンツネットワーク交流会の目的を端的に表しているように思われた。 高知に拠点を持つアイレップ、ネットの変化について語る  トークセッション1人目は、株式会社アイレップの代表取締役社長CEO 紺野 俊介氏。アイレップは既に高知県内に拠点を持ち、130人ほどの従業員が高知で働いている。 「新たな拠点として高知を選んだ理由は、県と市の仲がよかったからです。企業誘致を進めている土地は色々ありますが、県と市が協力できていると感じたのが高知でした」(紺野氏)。 アイレップ 代表取締役CEO 紺野 俊介氏 アイレップ 代表取締役CEO 紺野 俊介氏  紺野氏からはその後、広告代理店という立場からインターネットを巡る変化について語られた。ビジネスや消費行動が変わり、店舗やオフィスの場所が関係なくなってきていると、紺野氏。国境さえも超えてビジネスを展開できるようになっている。広告を提供する立場から見ると、利用デバイスの変化も大きな要因で、新入社員の半数はテレビを持っていないというくらい、若者はインターネットから得られる情報に依存している。特に大きな存在感を示すのが、モバイルデバイスだ。 「日本にでは1日に4億回から5億回のGoogle検索が行なわれているが、その70%はモバイルからです。動画視聴もモバイルがメインになっています」(紺野氏)。  便利になる一方で、より多くの個人情報がインターネットに置かれることになり、またユーザー自身が発信者となることで情報の信憑性を見極める能力も求められるようになった。 「しかし、高知にオフィスを持つ企業として最大のメリットは、インターネットのおかげで場所の制約がなくなったことです。どこにいても同じ仕事ができるようになりました」(紺野氏)。  セッションのあとの質疑応答では、広告物を制作するクリエイターの中には交流によって技術を磨いている人もいるが、高知ではどうしているのかという質問があった。それに対して紺野氏は、次のように答えた。 「いまは、クリエイターを東京に連れてきてコミュニティに参加させたりしています。次のステップとしては、高知県内の他の企業と協力して、高知にコミュニティを作っていきたいですね」(紺野氏)。 外のモノサシを知らないことは危険な時代  高知出身者として2人目の登壇者として現れたのは、パラレルマーケターの小島英揮氏。複数の企業に所属して専門性の高い業務をこなす複業を実践している1人だ。小島氏はセッションのゴールとして、「世界で起こっている不可避な流れを理解し、越境していく上で重要な外のモノサシの重要性を知り、それに向けて一歩踏み出してもらうこと」と冒頭で述べた。 「ITの世界でいま起きているのは、クラウド以降のエコシステムが作った『不可避な流れ』です。クラウドを使えるようになり、ビッグデータを簡単に扱えるようになったことから、第3次AIブームが到来しました」(小島氏)。 パラレルマーケター 小島 英揮氏 パラレルマーケター 小島 英揮氏  AI専門家から見れば今のAI技術自体は、今更感のあるものも多いと言われる。しかし、クラウドの登場によりそれらの技術をビジネスに使えるようになったことに、大きな意味があると小島氏は言う。AIがビジネスに使えるようになったことで、AIを取り巻くエコシステムが生まれた。AIのエコシステムが次の新しいエコシステムを作ることも必然だと小島氏は考えているようだ。  ここで小島氏は、「今後10年で何か変わるかという質問はしょっちゅう受けますが、今後10年で変わらないものは何かという質問を受けたことはほとんどありません」というAmazon創業者であるジェフ・ベゾスの言葉を引いた。ジェフ・ベゾスは、今後10年間変わらないものの方が重要だと考えていたという。なぜなら、時を経ても変わらないものを柱に事業戦略を立てられるからだ。 「テクノロジーそのものではなく、これから先も変わらない不可避な流れからエコシステムの変化に注目すべきです。そして日本における不可避な流れのひとつが、人口減少です。既存の商圏が縮小するとともに、テクノロジーの進化により物理的ファイアウォールは消失します。越境していかなければ生き残れない時代が来るのです」(小島氏)。  しかし、その切迫感は地元では感じられないという。小島氏が地元に戻って聞くのは、「なんちゃあないで(何も変わったことはないよ)」という言葉。外を見て高知に戻ると「帯屋町(高知の繁華街)が静かになっている」など変化に気付きやすいが、ずっと同じ場所にいると変化に気付きにくくなる。 「外のモノサシを知らなければ地元の変化にも気づけない」と小島氏 「外のモノサシを知らなければ地元の変化にも気づけない」と小島氏 「これは、ひとつの場所のモノサシしか持っておらず、他の見方を知らないからです。外のモノサシを知れば、高知の変化にも気づけるようになります」(小島氏)。  土佐出身の坂本龍馬を始め、幕末に活躍して名を残した名士たちも、みな外に出て外のモノサシを知った者たちだったと小島氏。地域を越えて志を同じくした人間がコミュニティを形成し、活躍したのだ。 「Amazonが広がった背景にもコミュニティがありました。やってみたことをお互いに発信し合うことで、それを知った人が次のことを試し、また発信します。コミュニティの中にいる人と外にいる人とでは、クラウドの理解に大きな差が生まれます」(小島氏)。  小島氏はここまでの話をまとめ、高知に対して次のような提言を行なった。 「人口減少は日本全体で起こっていることですが、その中でも高知は進んでいます。つまりいま高知で起きていることは、この先日本全体で起こりかねないことです。その中で生き残るためには、越境者を高知に呼び込む必要があります」(小島氏)。 小島氏から高知への提言 小島氏から高知への提言  具体的には、高知進出企業への「通行手形」支給、コミュニティ全国イベントの開催支援、「地産外商」の徹底の3点を挙げた。通行手形とは、交通費のこと。東京や他の地方と高知を行き来する交通費を支給することでスタートアップやサテライトオフィス展開の候補地として高知の魅力が高まる。またコミュニティ全国イベントの開催を支援すれば、エッジな領域で外のモノサシを知っている人が集まるきっかけになる。地産外商については、IT化により距離の壁がなくなりつつあることを活かし、他の地域や海外にも進出すべきと語った。そして最後に「越境者が活躍しやすい環境を高知に!」と呼びかけて、小島氏はトークを終えた。  その後の質疑応答で「人口減少などの課題を抱えているのは他の田舎も同じなのではないか」という声が上がったが、それに対して「課題先進県である高知でその課題を解決できれば、先行者になれます。その他の地域に展開する際にも優位に立てるでしょう」と答えた。 参加者同士が結びついていく工夫も  トークセッションのあとに用意されていたのは、簡単なワークショップ。ごく簡単なものだったが、人と人をつなぐ工夫が凝らされたワークショップだった。偶然近くに座っている参加者同士で数人のグループを作り、まずは自己紹介。仕事やプライベートでどんなことをしているか、簡単に紹介しあう。その後の数分間、同じグループの人のスキルや経験を活かしてどんなコラボレーションができるかを考え、最後にそれについてグループで語り合うというもの。自分から「高知に役立つこんなことができます」と言い合うのはシャイな日本人向きではないが、グループ内で評価し合うことを出発点にすれば会話も弾む。 ワークショップをリードするのはエイチタスの原亮氏 ワークショップをリードするのはエイチタスの原亮氏  登壇者が聴講者に向かって喋るだけのセッションでは、参加者同士の結びつきを作るのは難しいが、このワークショップで新しい縁が生まれ、懇親会でのトークにもつながる。  ワークショップのあとは、高知企業の紹介セッション。アイレップ、SHIFT PLUS、Nextremer、パシフィックソフトウェア開発の各社が、自社事業の紹介や高知でビジネスを展開する意義について語った。  そして最後に用意されていたのは、高知の名産品を使った料理や地酒を用意しての交流会。参加者はうまい酒と料理に舌鼓を打ちつつ、そこここで輪になって会話に花を咲かせていた。 高知産食材を使った料理の数々 高知産食材を使った料理の数々  この「高知家ITコンテンツネットワーク」は1回だけの取り組みでは終わらず、今後も継続していくとのこと。既に第2回は2018年1月に開催予定とのこと。高知へのU/Iターンはもちろん、サテライトオフィスやテレワークによる地方採用を考えている読者は、ぜひ参加を検討してみて欲しい。 ■関連サイト アイレップ エイチタス

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