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年末企画:須永貴子の「2016年 年間ベスト映画TOP10」

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/23 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2016年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマの三つのカテゴリーに分け、映画の場合は2016年に日本で劇場公開された洋邦の作品から、執筆者が独自の観点で10本をセレクト。第九回の選者は、切れ味鋭い俳優評や、ドラマ制作の裏側にまで迫るインタビュー記事などを執筆した須永貴子。(編集部) 1.『シング・ストリート』

2.『イット・フォローズ』

3.『キャロル』

4.『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』

5.『ドント・ブリーズ』

6.『アズミ・ハルコは行方不明』

7.『マジカルガール』

8.『高慢と偏見とゾンビ』

9.『ゴーストバスターズ』

10.『10クローバーフィールド・レーン』

 選考基準は去年と同じく「観ていない人に今すぐ観てほしい作品」&「自分がもう一度観たい作品」。  1位は『シング・ストリート 未来へのうた』。主人公の成長ストーリーを、当時のヒットソングと主人公がつくるオリジナル曲とでツイストしていく脚本が見事。ラストの海のシーンにはやや苦笑いしてしまったけれど、それを差し引いても大好きな1本。『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』も時代を切り取る音楽満載の青春映画。『シング・ストリート』と違い、まったく主人公が成長しないことがむしろノスタルジーを歓喜する。  次々と才能がフックアップされる、アメリカのホラー&サスペンス映画からは3本。低予算ホラーの『イット・フォローズ』と『ドント・ブリーズ』は、どちらも主人公に恐怖を与える存在=“敵キャラ”を発明し、新たなルールで物語が進んでいく画期的な作品だ。低予算ホラーは監督の才能の有無がはっきりとわかる。脚本も手がけたデヴィッド・ロバート・ミッチェルとフェデ・アルバレス両監督に引き続き注目したい。新人監督ダン・トラクテンバーグによる『10クローバーフィールド・レーン』も、疑心暗鬼が物語の推進力となる、お手本のようなサスペンス映画だ。  自身の脚本を監督した『マジカルガール』でデビューしたスペインのカルロス・ベルムトも注目の映画作家。「語らない」「映さない」「説明しない」大胆さで、ドライでミステリアスな悲劇を紡ぎ、強烈な印象を残した。  『高慢と偏見とゾンビ』と『ゴーストバスターズ』は、ストッキングに武器を忍ばせてゾンビと戦うリリー・コリンズや、メカニックのホルツマンを演じるケイト・マッキノンら、ウーマンパワーで押し切った快作。とはいえ、誰よりもかっこいいのはダントツで『キャロル』のケイト・ブランシェットだ。脚本、衣装、美術、撮影のすべてが完璧なスクリーンの中心に君臨する女神のような美しさにはひれ伏すしかない。  2016年は邦画が大豊作だと認識していたが、蓋を開けてみたらベスト10入りは『アズミ・ハルコは行方不明』のみ。松居大悟監督は去年9位に選出した『私たちのハアハア』から、映像表現も人物描写も、現代の女性映画の傑作を創り上げた(もちろん原作の力も甚大だが)。邦画だけでベスト10をつくるならと考えると、『俳優、亀岡拓次』『セトウツミ』『この世界の片隅に』『モヒカン故郷に帰る』『クリーピー』『ちはやふる』など、候補が次々と上がるのが2015年との大きな違い。やはり邦画豊作の年だったことは間違いない。(須永貴子)

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