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影の王子・千葉雄大、年齢不詳な役柄が似合うワケ 『帝一の國』で見せたポテンシャルの高さ

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/05/15 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 今年に入ってから出演映画がすでに5本公開と、いま波に乗っている俳優・千葉雄大。20代前半の若手俳優たちが隆盛を極める中で、そこに自然と溶け込んでいる彼だが、意外なことにすでに28歳(筆者と同い年……)。若々しいルックスを活かしながらも、時折年相応の落ち着きが見られるのが彼の魅力だろうか。 参考:千葉雄大が語る、“クリーミー系俳優”の本音「自分のイメージは観る人との関係性の中にある」  そんな千葉が現在公開中の映画『帝一の國』で演じているのは、次期生徒会長の有力候補のひとりで、冷静かつ慎重な策士・森園億人である。千手先まで推察することができる将棋の名士で、そのクレバーさから人望も厚いこのキャラクターは、彼の持ち味を存分に発揮した完璧な役どころである。つまり、“育ちが良さそうで”“高校生とは思えないほど落ち着いた”高校生という役柄。実年齢と見た目のギャップを活かすとはいえ、ほとんど一回り下の高校二年生の役を平然とこなすとは恐るべきポテンシャルの高さだ。  同じく現在公開中の映画『ReLIFE リライフ』でも、同じようなタイプの役柄だ。中川大志演じる27歳の主人公を“リライフ”に引き込む研究所の職員を演じている彼は、実年齢とほぼ同じ研究員の役柄を演じつつ、劇中の設定で高校生にも化けるという、二面を演じる。観ている側としては、ほかの誰よりも千葉雄大という俳優自身が“リライフ”しているのではないだろうかと思わずにはいられない。  そんな大人びたタイプの高校生役が似合うというのは、近年流行のキラキラ映画においては「影の王子」的なポジションに相応しい。ヒロインを悩ませるミステリアスな雰囲気を漂わせる正ヒーローとは対照的に、安心感と包容力を滲ませることで、かえってヒロインを悩ませる役割だ。2014年に公開された『アオハライド』での冬馬役しかり、何と言っても『黒崎くんの言いなりになんてならない』での“白王子”こと白河タクミ役がまさにそれだった。  ところが、テレビドラマ版が終了し、6月に映画版が公開する『兄に愛されすぎて困ってます』では、サブヒーローでありながら、これまでの彼のキャラクターとは対照的なドSな毒舌キャラに挑んでいる。愛くるしいルックスとのギャップもさることながら、やはりこれまでの千葉のイメージとは180度転換した、“黒王子”的な姿には少々不安要素もあったが、突出した演技の巧さがそれをカバーしているようだ。  もしかすると、彼はいわゆる“カメレオン俳優”となる素質を持っているのかもしれない。どんなキャラクターでも多彩にこなす、技巧派俳優にのみ与えられるこの称号は、日本でも海外でも、年齢不詳なタイプがよく似合う。たとえば先日公開された『暗黒女子』で物語の鍵を握る教師役を演じたように、実年齢では決しておかしくない役どころでも、妙な違和感を観客に与え、ミステリーを増幅させるという得なポジションだ。  また、高校生以外の役柄となると途端に頼りなさげな雰囲気を際立たせる。そのルックスのまま、母性本能をくすぐるタイプの“弟キャラ”としての印象を急激に強めるのだ。昨年公開された『モヒカン故郷に帰る』での弟役や、6月から放送されるNHKBSのドラマ『ソースさんの恋』でも年上女性に惹かれる青年と、もはやほかの若手俳優たちよりも若干高めの年齢層をターゲットに据えることで、幅広いファンの獲得を狙っているかのよう。  もともと、『天装戦隊ゴセイジャー』(テレビ朝日系)でデビューした千葉。同じように戦隊シリーズから大ブレイクした役者といえば、同い年の松坂桃李がいる。彼もまた、クールな高校生役と、少し頼りない青年の役を交互に演じ分け、最近ではいわゆる“インテリ”的な役柄も似合うようになってきた。若手イケメン俳優の登竜門として知られる戦隊シリーズ出身俳優は、志尊淳や竜星涼も含め、このタイプがブレイクするという傾向が出来上がってきているようにも思える。  秋には本広克行監督の大作で、人気漫画を実写映画化した『亜人』が控えるだけでなく、10月から放送されるNHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』では、葵わかな演じるヒロインの兄を演じるなど、活動の幅を拡げている千葉。役者としての彼の姿ももちろんのこと、準レギュラーのように頻繁に出演している、フジテレビ系の深夜番組『久保みねヒャダこじらせナイト』では、彼の素の表情を楽しむことができる。今後歳を重ねるにつれ、ますます愛されキャラとして重宝されていくことは間違いない。 ■久保田和馬

映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。

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