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恐竜の系統樹に新説 T・レックスとステゴサウルスが同じグループに?

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/03/28
恐竜の系統樹に新説 T・レックスとステゴサウルスが同じグループに?: ケンブリッジ大学学内誌で報じられた「恐竜の新しい系統樹」(Image/Cambridge Univ. via ITmedia) © ITmedia NEWS 提供 ケンブリッジ大学学内誌で報じられた「恐竜の新しい系統樹」(Image/Cambridge Univ. via ITmedia)

[AP通信] 恐竜の進化系統樹に関する定説を大きく塗り替えるかもしれない新説が発表された。ティラノサウルス・レックス(T・レックス)やその仲間たちの分類が変わる可能性がある。

 恐竜化石を詳しく分析した研究者らが、恐竜の進化の歴史について従来とは異なる説を唱え、T・レックスなど獣脚類の恐竜を新しい分類グループの下に置くことを提案している。さらに恐竜は、これまで考えられてきたよりも早い時期に、もっと北部で誕生した可能性があるという。

 「骨盤の形に基づいて100年以上前に作成された系統樹よりも、新しい系統樹のほうが理にかなう」。科学誌「Nature」に3月22日付で掲載された論文の主執筆者であり、英ケンブリッジ大学の博士課程で古生物学を専攻するマット・バロン氏はそう語る。

 米マカレスター大学の古生物学者クリスティ・カリー・ロジャーズ氏はメールで、「この論文が正しければ、恐竜の進化に関する長年の定説が根本から覆ることになる」と述べている。同氏は今回の研究には参加していない。

 定説では、恐竜は2つのグループに分類される。1つは、鳥と似た骨盤を持つステゴサウルスなどの「鳥盤類」。もう1つは、爬虫類と似た骨盤を持つブロントサウルスなどの「竜盤類」だ。

 T・レックスなど後に鳥類に進化したとされる恐竜は従来、竜盤類の下位カテゴリである「獣脚類」に分類されてきた。新説では、T・レックスなどの獣脚類は竜盤類のくくりから外され、ステゴサウルスなどの鳥盤類と同じ新しいグループに分類される。

 「これまで互いに密接な関係にあると考えられてきた動物たちが、実はそうではなかったのかもしれないということだ」とロジャーズ氏は語る。「これを機に新たに数々の疑問が生まれる」として、同氏は今回の研究を高く評価している。

 バロン氏とその研究チームは、75種の恐竜について450種類の特徴を分析。コンピュータシミュレーションを用いて、共通の特徴を持つ恐竜をグループ化し、系統樹の何万通りもの候補を作成した。今回提唱した新たな系統樹は、最も可能性の高い80個のシナリオを組み合わせて作成したものだという。

 「学術演習のように思えるかもしれないが、大型動物が時代とともにどう変化したかを知るためには重要なことだ」とバロン氏。恐竜は1億5000万年以上にわたって地球を支配したとされている。

 さらにバロン氏の論文は、恐竜が従来の定説よりも1000万年ほど早く、約2億4700万年前に誕生したとの見方を示す。東アフリカのタンザニアで見つかった「ニャササウルス」と呼ばれる体長2〜3メートルの草食恐竜が世界最古の恐竜と考えられている。

 バロン氏は、恐竜ではないが初期の恐竜に限りなく近い爬虫類の祖先とされる動物がスコットランドに生息していたことも発見した。従来の説では、恐竜は南半球で誕生したとされている。外部の研究者の多くは、恐竜が北半球で誕生したかもしれないというバロン氏の説を裏付ける十分な証拠はない、との考えだ。

 既にこの論文に対する専門家の意見は分かれている。著名な恐竜専門家であるシカゴ大学のポール・セレノ氏は、バロン氏が提案する新しい系統樹は「根拠が乏しい」と指摘。「この論文を読んでも、“なぜ”という疑問は解消されない」と述べている。

 スミソニアン国立自然史博物館の恐竜担当学芸員マシュー・カラーノ氏は、「初期の恐竜化石の記録はあまりに不完全なので、どれか1つの説に同調するのは難しい」との立場だ。

(日本語翻訳 ITmedia NEWS)

(C) AP通信

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