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故障や災害に備えるReadyNASのバックアップ《クラウド編》

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/08/29
故障や災害に備えるReadyNASのバックアップ《クラウド編》 © KADOKAWA CORPORATION 提供 故障や災害に備えるReadyNASのバックアップ《クラウド編》

ReadyNAS上のデータを安全なクラウドへバックアップする ──前回教えたReadyDRを使って、大阪支社のReadyNASにバックアップを始めたそうじゃないですか。これでもう安心ですね!  うん、教えてもらって助かったよ。でもさ、でもね。世の中には“万万が一”ってこともあるじゃない? ──ええっ、まだ不安なんですか? アナタずいぶん心配性ですよね……。  いやあ、このあいだ「日本沈没」って本を読んで、こりゃあ東京と大阪だけでバックアップしててもダメなんじゃないかと心配で……。とはいえウチの会社、海外に支社なんかないし。 ――それって小松左京のSF小説じゃないですか! 真に受けないでくださいよ! ……とはいえ、そんなに心配ならクラウドを使うという手もありますけどね。  あ、クラウドストレージを使うの? でも、ここにあるReadyNASはどうするのさ。もう使わないの? ──いやいや、ふだんの社内ファイルサーバーとしてはReadyNASを使って、クラウドはReadyNASのバックアップ先ストレージにするんですよ。クラウドの利用料もだんだん安くなってきてますし、これもReadyNASの標準機能ですぐに使えますから。  えっ、ホント!? それ“いいね!” バックアップ先の遠隔拠点がないならばクラウドを利用する  前々回、前回と続けて、ReadyNASが標準で対応している4つのバックアップ手法を紹介してきた。今回は、残る1つのバックアップ手法である「クラウド」について説明していく。 今回は5番目のクラウドバックアップを紹介する 今回は5番目のクラウドバックアップを紹介する  複数の拠点を持つ企業であれば、各拠点にReadyNASを設置し、前回紹介したReadyDRなどの機能を使って互いにバックアップを取っておけば、いずれかが故障したり災害に遭ったりしてもデータが失われることはない。ディザスタリカバリの基本だ。  だが、拠点が1つしかない、あるいは遠隔地に拠点がない中小規模の企業では、こうしたかたちの対策は困難である。データセンターのラックスペースを借りてそこに設置することも考えられるが、管理面でもコスト面でも現実的とは言えないだろう。  そこでバックアップ先として活用できるのが、クラウド(パブリッククラウドサービス)だ。クラウドならば、クラウドサービス事業者が運用するデータセンターにあるストレージ領域を、必要なぶんだけ、月額払いですぐに利用することができる。著名なクラウド事業者ならば高度な運用技術を持っているので、信頼性もセキュリティ性も高く、安心して使える。  法人向けのクラウドサービスならば、バックアップ先として海外のデータセンター(リージョン)を選ぶこともできる。最近では、ディザスタリカバリの観点から、バックアップ先として積極的に海外拠点を使いたいというニーズも増えているという。“日本沈没”はSFの話だとしても、国内の大規模災害に備えるうえで、いっそ地球の反対側にデータを置いてしまうというのはありかもしれない。  ReadyNASでは、幾つかのクラウドサービスと連携して、簡単な設定でクラウドにデータをバックアップすることができる。以下、その方法を解説していこう。 「ReadyNAS Vault」へのバックアップなら設定もシンプル&柔軟  まずは、ネットギア自身が提供するバックアップ用のクラウドストレージサービス「ReadyNAS Vault(ボールト)」の利用方法を紹介する。 「ReadyNAS Vault」のWebサイト(http://www.readynasvault.com/)。Vaultは“金庫室、保管庫”という意味。個人向けと法人向けのプランが用意されている 「ReadyNAS Vault」のWebサイト(http://www.readynasvault.com/)。Vaultは“金庫室、保管庫”という意味。個人向けと法人向けのプランが用意されている  ReadyNAS Vaultは、ReadyNASのデータバックアップに特化したクラウドサービスだ。ReadyNASの管理者ページからユーザー登録/設定することができ、あとはお任せで自動的にバックアップされる。バックアップデータからReadyNASにリストアしたり、Webサイトから任意のバックアップファイルをダウンロードすることもできる。また、ファイルのバージョン管理(世代管理)やアーカイビングも可能だ。  ReadyNAS Vaultには、個人/SOHO向けのProプラン、法人向けのBusinessプラン、そしてお試し利用向けのFreeプラン(容量2GBのみ、無償)がある。ProプランとBusinessプランの違いは、作成できるサブアカウント(Webサイトにアクセスしてバックアップされたファイルにアクセスできる)の数、1ファイルあたりの最大容量などだ。中小規模の企業がシンプルに使うならばProプランで十分だろう。  Proプランの場合、1TBあたり月額10ドル、年額120ドルで利用できる(以降、1TB単位で増設可能)。一方のBusinessプランの場合、2TBあたり月額40ドル、年額480ドルの設定だ(以降、2TB単位で増設可能)。いずれも増設可能な容量に上限はない。ちなみにPro/Businessプランとも、1つのReadyNAS Vaultアカウントで複数台のReadyNASをバックアップすることもできる。  設定は、ReadyNAS管理者ページの「クラウド」タブを開き、「ReadyNAS Vault」のスイッチをオンにしたうえで、バックアップ対象(バックアップ元)とする共有フォルダと、ReadyNAS Vaultのアカウント情報を入力すればよい。この画面でアカウントを新規登録することもできる。 ReadyNAS管理者ページの、ReadyNAS Vaultの設定画面 ReadyNAS管理者ページの、ReadyNAS Vaultの設定画面  次に「設定」をクリックすると、WebブラウザでReadyNAS Vaultサイトの管理画面が開き、バックアップジョブを作成することができる。前述のとおり、アーカイビングやバージョン管理の設定もできる。そのぶん少し使用容量が増えるが、便利な機能なので上手に活用したいところだ。 ReadyNAS Vaultの管理画面(バージョン管理設定のページ)。バックアップジョブの設定もこちらの画面から行う ReadyNAS Vaultの管理画面(バージョン管理設定のページ)。バックアップジョブの設定もこちらの画面から行う  実際に筆者も、無償のFreeプランを使って手元のReadyNASをバックアップしてみた。WebブラウザでReadyNAS Vaultにアクセスし、きちんとバックアップされていることを確認できた。なお、バックアップ元として指定できるのは共有フォルダだけであり、下層フォルダ(サブフォルダ)は指定できないので注意していただきたい。 バックアップテストを実行し、ReadyNAS Vault側の画面で確認。正しくバックアップできている バックアップテストを実行し、ReadyNAS Vault側の画面で確認。正しくバックアップできている ReadyNASからAmazon S3へのバックアップ  ReadyNASは、Amazon Web Service(AWS)が提供するクラウドストレージ「Amazon S3」へのバックアップ機能も標準で備えている。  Amazon S3の「スタンダードストレージ」サービスは、1GBあたり月額0.025ドル(1TB換算で月額25ドル)の利用料金となっている(本稿執筆時点、東京リージョンの場合。そのほかデータ転送量などに応じて追加料金がかかる)。  またAmazon S3には、より低価格な「標準-低頻度アクセスストレージ」プランもあり、こちらは1GBあたり月額0.019ドル(1TB換算で月額19ドル)だ。ストレージ料金は安いが、そのぶんデータへのアクセスや取り出しにかかる料金が、スタンダードストレージよりもわずかに高く設定されている(詳しくはAWSのサイトを確認のこと)。ただし、ReadyNASのバックアップ先として利用する場合は、それほどアクセス頻度は高くないはずなので、トータルコストでは低頻度アクセスストレージを使うほうが安くなるケースが多いだろう。  それではReadyNASからAmazon S3への設定方法を見ていこう。なお、ここではAWSへの新規アカウント登録やAmazon S3側の細かな設定方法は割愛するが、Amazon S3上でバックアップ先となる「バケット」(ストレージボリュームのようなもの)を作成しておく。 Amazon S3で、バックアップ先となるバケットを作成 Amazon S3で、バックアップ先となるバケットを作成  また、AWS管理コンソールの「アカウント」画面でバックアップ用アカウントを作成し、「セキュリティ認証情報」でReadyNAS側の設定で必要となる「アクセスキー」「シークレットキー」を発行する。それぞれのキー(文字列)は、のちほどReadyNASの管理者ページにコピー&ペーストすればよいが、念のためCSVファイルとしてダウンロードしておこう。 AWS管理コンソールの管理画面で「アクセスキー」と「シークレットキー」を発行する AWS管理コンソールの管理画面で「アクセスキー」と「シークレットキー」を発行する  ReadyNAS側では、管理者ページの「クラウド」タブで「Amazon S3」のスイッチをオンにすると、設定画面が表示される。先ほど作成したAWSのアクセスキーとシークレットアクセスキーを入力すると、バックアップ先とするバケット名が選択できるようになる。 ReadyNAS側でアクセスキー/シークレットキーを入力すれば、バックアップ先バケットを選択できる ReadyNAS側でアクセスキー/シークレットキーを入力すれば、バックアップ先バケットを選択できる  筆者はAWSの無償利用枠を利用してバックアップを試してみた。S3側の管理コンソールで確認すると、ファイル/フォルダがきちんとバックアップされていることが確認できた。ここからバックアップしたファイルを直接ダウンロードすることもできる。 S3へのバックアップテストを実行。問題なくバックアップされた S3へのバックアップテストを実行。問題なくバックアップされた  ただし、残念ながら、ReadyNAS VaultのようにS3上のバックアップデータを丸ごとReadyNASにリストアするような機能は用意されていない。そのため、大量のデータをリストアする場合には、手作業でダウンロードしてReadyNASにコピーするなど、かなり手間がかかってしまうかもしれない。また、バージョン管理機能を使いたい場合は、S3が備える「バージョニング」機能を自ら設定する必要がある。 Amazon S3+Glacierでコスト効率の良い階層バックアップ環境を作る  AWSでは、S3とは別に「Amazon Glacier(グレイシャー)」というバックアップ/アーカイブ向けストレージサービスも提供している。Glacierは、1GBあたり月額0.005ドル(1TB換算で月額5ドル)という激安のストレージ料金が魅力だが、S3のようにリアルタイムにデータアクセスできない(データ取り出しに数分、または数時間かかる)という制約がある。  上述したとおり、ReadyNASはS3へのバックアップ機能を標準で搭載しているが、直接Glacierにアクセスしてデータを保存することはできない。ただし、Amazon S3にバックアップされたデータのうち、長期間更新のないもの(ふだんは利用しないアーカイブデータ)のみをGlacierに移すという、いわゆる「階層化ストレージ」的な運用ができる。こうすれば、クラウドストレージにかかるコストを抑えることができる。  S3には「ライフサイクルルール」という機能があり、設定に基づいてバケット内のデータを自動的にGlacierへ移行させることができる。 S3バケットの「ライフサイクルルール」設定画面。たとえば「保管から30日経ったデータを自動的にGlacierへ移す」といった設定ができる S3バケットの「ライフサイクルルール」設定画面。たとえば「保管から30日経ったデータを自動的にGlacierへ移す」といった設定ができる  また、安価なGlacierをアーカイブストレージとして使うことで、ReadyNASのドライブ容量を有効活用できるだろう。まず、ReadyNASのデータをS3にバックアップしておき、すぐには使わないがアーカイブの必要があるデータ(たとえば終了したプロジェクトのフォルダなど)はS3からGlacierに移行したうえで、ReadyNASとS3からは削除する。手作業にはなるが、ReadyNASのドライブ容量を節約できる。データ管理の設計や運用には相応の技術力が必要となるが、極めて高度というほどではない(筆者でもおそらくたぶんなんとかできる)。ぜひチャレンジしてみていただきたい。 DropboxやGoogle Driveなどを簡易的なバックアップ先にする  最後に、「Dropbox」「Amazon Drive」「Google Drive」といった、個人向けのクラウドストレージサービスをReadyNASのバックアップ先に使う方法についても紹介しておこう。  正直なところ、これらのサービスは個人が複数デバイス間でファイル共有したり、チーム内のコラボレーションのために利用したりする目的で作られており、ReadyNASのデータを丸ごとバックアップする目的に適しているとは言いがたい。ただし、ある程度の容量までは無料で使え、有償契約すれば1~2TB、あるいはそれ以上の容量にもアップグレードできる。まずは小さく、簡易的に始めたいという場合ならば問題ないだろう。  ReadyNASの管理者ページで「クラウド」タブを開き、Dropboxなど各サービスのスイッチをオンにすると、それぞれの認証画面が表示される。各サービスのアカウントでログインし、アクセスを許可すれば接続完了だ。あとは表示されるメニューに従って、バックアップ元のフォルダ、バックアップ先のフォルダを選択すればよい。あとは自動的に、バックアップ元でファイルが変更されるたびにデータが同期される。 Dropboxとの連携設定。ReadyNAS側でDropboxのアカウント情報を登録すると、Dropboxのサイトへ遷移し、API経由でのアクセス許可が求められる Dropboxとの連携設定。ReadyNAS側でDropboxのアカウント情報を登録すると、Dropboxのサイトへ遷移し、API経由でのアクセス許可が求められる  これらのサービスを使ってバックアップする場合は、前述したReadyNAS VaultやAmazon S3のようなバージョン管理などの高度な運用はできない。また、リストアに関してもすべて手作業で行う必要がある。あくまでも簡易的なものだと割り切って考えてほしい。 * * *  今回はクラウドストレージをReadyNASのバックアップ先に使う方法を紹介してきた。こういう話をすると「そもそもNASは必要なの? もう直接クラウドストレージをファイルサーバー代わりに使えばいいじゃない」という意見が出るかもしれない。だが、大容量ファイルを保存するスピード、長期的に考えた場合のコストの安さ、企業内における管理性の高さといった面では、NASの優位性はまだまだ揺らいでいない。  今回紹介したように「いったんReadyNASに社内のデータを集約し、容易に共有/管理できる環境を作りつつ、バックアップ先には運用管理の手間がかからないクラウドサービスを利用する」という手法は、これからクラウドサービスの利用料金がますます安くなれば、バックアップ手法の主流になってくるかもしれない。  本連載第1回の冒頭で述べたように、業務で利用するファイルには「保護」と「共有」の両方が必要だ。世の中にはさまざまなシステムやサービスが存在するが、NASは最もシンプルで(調達や契約も含めて)、データ保護と共有を兼ね備えたデバイスだと言える。  ネットギアのReadyNASは、小規模なオフィスから比較的大きな企業まで、幅広く対応できるNASである。ネットワーク越しに連携したりクラウドサービスを活用したりできる機能が豊富で、バックアップ機能もすぐれており、企業に求められるデータ管理のほとんどを提供する。  本連載では紹介しなかったが、さまざまなアプリケーションをインストールして、開発環境やサーバー環境として利用することも可能だ。こうした機能を活用して、オフィス内のメインサーバーとして活躍させるのも有益だろう。  10の企業があれば、10のニーズがあるものだ。ぜひReadyNASを導入して、皆さんの企業に合った運用/活用方法を見いだしていただきたい。 (提供:ネットギア)   2(RN422)4(RN424)6(RN426)8(RN428) 4(RN524X)6(RN526X)8(RN528X) 6(RN626X)8(RN628X) 最大容量(10TB HDD、RAID 0) 20TB(RN422)40TB(RN424)60TB(RN426)80TB(RN428) 40TB(RN524X)60TB(RN526X)80TB(RN528X) 60TB(RN626X)80TB(RN628X) CPU Intel Atom C3338 デュアルコア(RN422/424)Intel Atom C3000 クアッドコア(RN426/428) Intel Pentium(Broadwell)デュアルコア HT 2.2GHz Intel Xeon(Broadwell)クアッドコア HT 2.4GHz メモリ 2GB DDR4(RN422/424)4GB DDR4(RN426/428) 4GB DDR4 ECC 8GB DDR4 ECC ネットワーク 1000BASE-T×2(RN422/424)1000BASE-T×4(RN426/428) 10GBASE-T×2 ※RN524Xは10GBASE-T、1000BASE-T×各1 10GBASE-T×2、1000BASE-T×2 USBポート USB 3.0×2 USB 3.0×3 保証 3年(ディスクレスモデル)/5年(ディスク付属モデル) 価格(Amazon) RN424 RN524X RN626X ■関連サイト ネットギア

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