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日本人指揮者が平和のタクト

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2014/05/10 毎日新聞
Photo: サラエボ事件100年の今年、旧ユーゴスラビア出身の楽団員による平和祈念コンサートを指揮する柳澤寿男さん=東京都国分寺市の自宅で2014年4月16日、中西啓介撮影 © 毎日新聞 サラエボ事件100年の今年、旧ユーゴスラビア出身の楽団員による平和祈念コンサートを指揮する柳澤寿男さん=東京都国分寺市の自宅で2014年4月16日、中西啓介撮影

 ◇第一次世界大戦100年、発端のサラエボで「第9」

 第一次世界大戦の発端となったサラエボ事件から6月で100年になるのを前に、指揮者の柳澤寿男さん(42)率いる「バルカン室内管弦楽団」が5月29日の東京公演を皮切りに、国内とボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで「平和祈念コンサート」を開く。日本人合唱団が参加しベートーベンの交響曲第9番を初演奏する予定で、柳澤さんは「平和の祈りを日本からバルカンへと届けたい」と話している。【中西啓介】

 1990年代に民族紛争の舞台となったサラエボやコソボなど旧ユーゴスラビア諸国で指揮経験が豊富だった柳澤さんは2007年6月、「日本人の私なら民族間の接着剤になれる」と考え、人種や民族の共栄を目指した楽団を結成。年1回の公演を続けてきた。

 今年は第一次大戦など戦争の悲惨さに思いをはせ、平和を祈念するプログラムを企画した。選曲について柳澤さんは「『すべての人々は兄弟となる』と歌う第9は、人々が人種や民族を乗り越えることを歌った曲で、今回の曲にふさわしい」と説明する。

 柳澤さんは「紛争が終わったばかりのバルカンの人との交流を通じ、日本人参加者にとっては国内での戦争の記憶風化を改めて感じる機会になっている」と話す。7月のサラエボ公演は日本人と地元合唱団との合同合唱団100人が参加する。

 来年で先の大戦終結から70年になるが柳澤さんは「国内では戦争はしてはいけないという思いが薄れつつある」と危機感を抱く。「ぜひ若い人に来てもらいたい。ネット時代に、直接人と人が会い和解することの重要さを、そして日本人が人と人をつなぐ役割を果たせることを演奏を通じて感じてほしい」

 国内では東京・紀尾井ホール(5月29日)のほか名古屋市など5公演が行われる。問い合わせは「世界平和コンサートへの道」実行委事務局(電話06・6347・7911)。

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