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木村佳乃『ひよっこ』で再注目! 洗練された女性からホッコリお母さんへ

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/04/19 株式会社サイゾー
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 現在放送中の連続テレビ小説『ひよっこ』で、有村架純演じるヒロイン・みね子の母・美代子を演じる木村佳乃の演技が「心に沁みる」と話題になっている。上品な顔立ちで、スタイルも良く、語学も堪能。映画やドラマのヒロインを演じることも多々あり、どちらかというと都会的で洗練された匂いがする木村だが、本作では畑仕事に精を出し、大きな心で家族を包み込む、やや泥臭い母親役を好演している。 (参考:有村架純の「だっぺ!」はなぜ魅力的なのか? 『ひよっこ』方言ヒロインの可能性)  木村と言えば、20歳で女優デビューを飾ると、1997年公開の映画『失楽園』で役所広司演じる久木祥一郎の娘・知佳役でスクリーンデビューを果たす。当時は、自身の育った環境にも起因しているのか、演じる役も、育ちのよいお嬢さま的なものが多く、どちらかというと庶民的な印象はなかった。  そんなパブリックイメージをベースにしつつも、1999年放送の福山雅治主演ドラマ『パーフェクトラブ!』(フジテレビ系)では、いい男をゲットするためになら何でもする軽いOL役を演じるなど、徐々に役柄の幅を広げていった木村。その後も、さまざまな映画やドラマに出演するなど常に第一線で活躍してきたが、『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)の片山雛子のように、美人で頭脳明晰、非の打ちどころがないようにみえて、裏に多くのものを抱えているという二面性のある役を演じると、この上なくはまる印象があった。 さらに近年では、上記のようなイメージに“狂気性”を兼ね備える役にも挑戦するようになる。ドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系)の廣木リカや、ドラマ『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)真理亜などは、視聴者をゾッとさせるような破壊力抜群の演技だった。  非常に役柄のレンジが広い木村だが、前述したとおり、どんな役でも、どこかしらに育ちの良さや気品というものがにじみ出ていることが多かった。しかし『ひよっこ』では、そういったものは一切消し去り、ただただ家族を大切に思う広い心を持った純朴な母親を演じている。とはいえ、木村の持つ凛とした佇まいは随所にみられる。そのさじ加減が抜群だ。  特に、4月9日からの週に放送された第2週「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」での演技は秀逸だ。行方不明になった出稼ぎに出ている夫・実(沢村一樹)を探しに東京にやって美代子は、警察が捜索に全く協力的ではないことに憤りを感じ、静かながらに強い思いを訴える。そこには奥茨城村という地域に住むことへのプライドや、芯の強さがにじみ出ていた。木村のパブリックイメージである洗練さを捨て去りつつも、人としての美しい佇まいをしっかり染み込ませるキャラクター作りには舌を巻いた。  最近は、女優業だけでなく、バラエティ番組でも活躍する姿を見せている木村。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)では芸人顔負けの体当たりロケで、さらなる一面を披露し大きな話題を呼んだ。もともとバラエティではパブリックイメージとは違ったコミカルな面をみせることも多く、そういった部分も女優としての幅を広げているのだろう。NHK大河ドラマ『真田丸』で演じた松も、いい意味で真田家を混乱させる、すっとぼけていてコミカルな面がみている人をホッコリさせた。  憑依型俳優とは違うが、自身の持つイメージのうえに何重にもキャラクターを乗せブレントさせて表現することができるという意味では、どんな作品、どんなシチュエーション、どんな役柄にも対応ができる。見ていてまったく飽きることのない女優といえるだろう。 (磯部正和)

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