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未来のWebを変える? HTML5の課題とPWAの行方

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/08/29
未来のWebを変える? HTML5の課題とPWAの行方: 画像:ITmedia © ITmedia エンタープライズ 提供 画像:ITmedia

(この記事は大越章司氏のブログ「Mostly Harmless」より転載、編集しています。)

 Webの世界を去っていこうとするFlashと対象的に、Web体験をリッチなものにしてくれる仕組みの1つである「PWA(Progressive Web Apps:プログレッシブ ウェブアプリ)」について、こんな記事がありました。

 PWAとは、モバイルの「Webアプリ」に「ネイティブアプリ」並みの操作性や表現力を持たせようとするものです。モバイルのWebページを高速化する「AMP(Accelerated Mobile Pages)」などと同様に、Googleが中心になって推進しており、これまではAndroid版「Chrome」を中心に採用が進んでいましたが、iOSでは未対応でした。それが、iOSでも使えるようになる(かもしれない)というのです。

●ネイティブアプリ対Webアプリ

 Webアプリとは、Webブラウザの中で動くアプリです。これに対し、PCなどにインストールして使うアプリを「ネイティブアプリ」と呼びます。ネイティブは、うまい日本語がないのですが、「土着」とか「先住民」という意味で、ここでは特定のプラットフォーム専用という意味でしょう。Webアプリを動かすWebブラウザそのものも、ネイティブアプリです。

 ネイティブアプリは、WindowsアプリならWindows用に開発され、Windowsでしか動きませんし、Mac用アプリはMacでしか動きません。プラットフォーム専用のソフトウェアです。その代わり、WindowsやMacに最適化されていて、速度が速く、プラットフォームの機能をフルに引き出すことができ、使いやすいアプリを作ることができます。

 一方Webアプリは、HTMLやJavaScriptなどの標準技術をベースにしており、標準技術に準拠したWebブラウザさえあれば、プラットフォームには関係なく動きます。

 インターネットの普及によってWebブラウザがさまざまなプラットフォームに標準的に装備されるようになると、プラットフォームごとに開発、テストが必要なネイティブアプリと違い、Webアプリがマルチプラットフォームに対応できるのではないかということで利用が始まったのです。

●Webブラウザの限界

 しかし、大きな問題がありました。Webブラウザというのは、「インターネット閲覧ソフト」ともいわれるように、もともとは「表示」が目的で、しかも標準規格が策定されたのが古いため、動画や音声、アニメーションなどのいわゆるマルチメディアを取り扱うことができなかったのです。Webアプリに必要なUIを作るための機能も不足していました。

 そこで注目されたのが、「Flash」でした。Webブラウザの機能を拡張し、動画や高度なUIに対応できるFlashは、Webアプリ時代には欠かせない技術でした。Flashによって、Webブラウザはネイティブアプリ並みの表現力と操作性を手に入れることができ、マルチプラットフォームに対応できる環境が整ったのです(ただし、繰り返しになりますが、Webブラウザも、そのプラグインとして動くFlashも、それそのものはネイティブアプリですから、プラットフォームごとに開発しなければなりません)。

●FlashからHTML5へ

 ただFlashは、プロプライエタリな技術であるため、標準技術のみというわけではありません。

 そして、Flashを使わずにWebブラウザの表現力と操作性を上げるために「Ajax」が開発され、それが「HTML5」へ引き継がれる中で、Flashが衰退していく経緯は先日書いた通りです。

 ところが、話はそううまくは行きませんでした。AjaxとHTML5は、発展途上の技術だったため、当初はパフォーマンスが出なかっり、機能が不足したりしていたのです。いまだに速度や機能の面で、ネイティブアプリはおろか、Flashにも劣る部分が多く残っています。

●HTML5は未完成? PWAで次世代のHTMLを実現できるか?

 つまり、Flashがなくなることは決まったけれども、それを置き換えるべきHTML5はまだ完成したとはいえない状況にあるのです。

 Googleが躍起になってPWAやAMPなどの技術を開発しているのは、このためともいえるでしょう。

 しかし、Googleが頑張れば頑張るほど、周りがついてこないという皮肉な展開になっています。最初に紹介した記事にもありましたが、AppleにはAppleの事情があり、「はいそうですか」とは行かない部分もあるようです。

 PWAは、Googleだけがサポートする技術ということなら、Flashと変わらない運命にもなりかねません。Googleはこの技術をなんとか次世代のHTMLに反映させるべく開発を続け、なおかつ仲間を募っているわけです。

●著者プロフィール:大越章司

外資系ソフトウェア/ハードウェアベンダーでマーケティングを経験。現在はIT企業向けのマーケティングコンサルタント。

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