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本田翼のキスシーンはなぜグッとくるのか? 『校閲ガール』“唇を奪う女”の魅力

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/11/01 株式会社サイゾー
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 現在放送中のドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の10月26日放送回にて、本田翼が菅田将暉と演じたキスシーンが話題となっている。 参考:本田翼は棒ではない、真っ白なキャンバスなのだ  本田翼演じる森尾登代子は、石原さとみ演じる主人公・河野悦子の高校時代の後輩でありながら、悦子が憧れるファッション誌の編集者を務めており、二人はいわばライバルのような関係性になりつつある。校閲部でありながら大胆な行動力を持つ悦子とは対照的に、常にクールで感情を表に出さないタイプとして描かれているのも特徴だ。また、悦子が一目惚れした菅田将暉演じる折原幸人は、森尾にファッションモデルとして見出されたものの、お金がないため現在は森尾の家に居候しているという間柄。三角関係に発展するのも時間の問題と思われたが、前回のラストシーンでついに、その口火が切られたのだ。  折原は、実は“是永是之”という名前で活動する作家でもあり、森尾は彼をファッションモデルとして売り出すため、そのことを公表するように勧めていた。読者には作品そのものを評価してほしいと考えていた折原は難色を示していたが、悦子と食事した際に「文武両道みたいでかっこいい」と言われたことで心変わりし、森尾に自分が作家であることを公表することを約束する。一方の森尾は、交際相手と不倫関係にあるようで、相手の都合で振り回されることにフラストレーションを溜めていた。その矢先に、折原が自分の案を受け止めてくれたことで、彼女の中でなにかスイッチが入ったのだろう。「恩を返して……」と言って、折原の唇を自ら奪ったのだった。  本田翼はこれまで、ドラマ『Piece』(12年/日本テレビ系列)では中山優馬と、映画『アオハライド』(14年)では千葉雄大と、ドラマ『恋仲』(15年/フジテレビ)では福士蒼汰&野村周平と、甘酸っぱい青春を謳歌するようなキスシーンを演じてきた。相手役が旬なイケメン俳優揃いということもあり、そのキスシーンは艶かしさよりもむしろ爽やかさや切なさを感じさせるものだった。おそらくは、同世代が観た時に“胸キュンシーン”として感情移入できるものだったといえよう。少しぎこちなさを感じさせるところも好印象だった。  ただ、もう少し年齢層が上の世代が観る恋愛ドラマとしては、少々物足りないところがあったかもしれない。本田の演技は、役柄に憑依して感情的に演じるというより、そこにある台詞や動きを丁寧になぞるかたちのものが多い。そのため、恋愛シーンが情熱的になりにくいのだ。そういう意味では、映画『起終点駅 ターミナル』(15年)で佐藤浩市と演じた30歳差のプラトニックラブのように、どこか幸薄い雰囲気の中に情緒を忍ばせる方が、彼女の素朴な演技を引き立てていたのではないだろうか。  ところが前回、『校閲ガール』で見せたキスシーンは、これまでのどのキスシーンとも違っていた。森尾はあまり表情に起伏がなく、感情が読みにくいところがあるため、そのキスシーンはあまりに唐突だったのだ。しかも、“唇を奪う”という表現が似つかわしい、相手に有無を言わせない大胆さ。抑制的な芝居を続けてきたからこそ、そのキスは効果的で、物語を大きく転換させる説得力が宿っていた。菅田将暉のドキリとした表情は、視聴者のそれでもあったはずだ。  本作でもっとも魅力的に描かれているのはやはり、石原さとみ演じる河野悦子だろう。しかし、前回のキスシーンはそれを鮮やかに覆すほど、本田翼のミステリアスな色気を際立たせていた。折原がどちらを選んでも不思議ではない。  今夜放送の第5話では、森尾が折原のために頑張った仕事を、悦子が後押しするシーンが描かれるとのこと。この友情が、三角関係にどんな影を落とすのか。行く末を見守りたい。(松下博夫)

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