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松山ケンイチ、“限界を超える”演技の説得力 『A LIFE』若手医師役に賞賛の声

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/20 株式会社サイゾー
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 松山ケンイチが、2月19日放送のドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS/日曜よる9時〜)第5話にて披露した医師役の演技に、賞賛の声が集まっている。松山は、主演映画『聖の青春』(16年)で役作りのために体重を20kg増量するなど、ストイックな姿勢で数々の役柄と向き合ってきた。『A LIFE』では若手医師の井川颯太として、木村拓哉や浅野忠信といった一流俳優たちと肩を並べつつ、少し頼りない三枚目キャラクターとして物語に笑いと奥行きを与える役回りを演じてきたが、第5話では、松山本来のシリアスな演技を見せ、バイプレイヤーとしての実力も示した。 参考:『A LIFE』木村拓哉、“受け”の演技で新境地  物語は、舞台となる壇上記念病院に、とある男性患者が救急で運び込まれたところから始まった。院内一の腕前を持つ医師・沖田一光(木村拓哉)が執刀、井川が助手として入るはずだったのだが、その男性は病院の顧問弁護士を務める実梨(菜々緒)の父親で、実梨は井川が執刀しなければ手術に同意しないと言う。実梨は、かつて愛人を作って蒸発した父に恨みを持っており、井川の執刀で失敗することを望んでいるのだった。  井川は、医学会の権力者を父に持つエリートで自尊心の高い人物だが、まだ経験不足で沖田の腕にはとても敵わない。難しい手術で、院内の誰もが沖田が執刀を務めるべきだと考えている。もちろん、井川自身も同じ考えだ。しかし、実梨の見下した態度、人命を軽んじる言動に、井川はプライドを刺激され、自ら執刀することを決意する。そして、恋心を寄せるオペナースの柴田由紀(木村文乃)に頭を下げ、知恵を借りながら念入りに手術のシミュレーションをするのだった。沖田もまた、彼の決断を信じて、サポートに徹することを決める。一連のやり取りは、抑えた演技でありながら、井川の葛藤と心情の移り変わりを十分に伝えるものだった。  いよいよ手術当日、副院長・壇上壮大(浅野忠信)の部屋のモニターで実梨らが監視する中、井川は緊張の面持ちで手術室に入る。念入りな準備の甲斐あって、手術は順調に進むかに見えた。しかし突然、“逆行性の解離”が起こり、想定外の事態に井川は固まってしまう。このままでは、患者の命が危ない。壇上壮大は一刻も早く、沖田と執刀を変わるように電話で指示を出し、もしもの事態に備えて待っていた羽村圭吾(及川光博)も手術室に入る。だが、沖田は「静かにしてくれ! 執刀医が集中しているんだ」と周囲を一喝。そして、井川に「ちゃんと準備したんだろう、井川先生の患者だろう」と促す。沖田の声に、金縛りから解けたように我を取り戻した井川は、その難しい手術に立ち向かう。沖田の「それでいい!」との言葉は、視聴者の声の代弁でもあっただろう。結果、手術は無事終了。沖田の「よく乗り切ったな」との労いに、井川は極度の集中から解放された安堵も相まって、その場に崩れこむのだった。  今回のハイライトとなった手術シーンが、手に汗握るスリリングなものとなったのは、松山の絶妙な演技に依るところが大きい。自尊心が高く、しかし経験不足な若者を、松山は完璧に体現していた。常に気丈に振舞っているものの、どこかに“自信のなさ”が見え隠れするのだ。物語の流れや台詞だけではなく、その佇まいまでもが井川そのものであり、見るからに頼りなく映っていた。それが手術の最中、沖田の一言で目の色を変える。患者を絶対に救うのだという、信念の色が見える。ほんの一瞬だが、井川が精神的に大きく成長したことを伝える、説得力に満ちたシーンだった。加えて、沖田演じる木村拓哉の、人としての強さを印象付けるシーンでもあった。  その後、井川は沖田の部屋を訪れ、「みんなが無理だって思っていたけれど、できました。俺だってやれば、限界を超えられるんです」と言っていたが、これほど松山に似合う台詞もなかなかない。常に体当たりで限界に立ち向かってきた役者の、力強いメッセージは、多くの視聴者に響いたのではないだろうか。また、「次は沖田先生の番です。美冬先生のこと、よろしくお願いいたします」との台詞は、物語のクライマックスに向けて、さらに緊張感を高めた。自身の成長を通して、主人公へとバトンを渡す重要な役割を、松山は担ったのだ。  壇上深冬(竹内結子)の病状はさらに進み、人間関係はますます交錯していく。果たして沖田は、深冬の手術を成功させ、自身の生き方を全うできるのか。冒頭のタイトルが「A LIFE」から「A LIVE」へと変わったように、ドラマはいよいよ“生きる”こと、そのものへの問いを投げかける。(松下博夫)

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