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永野芽郁の圧倒的ヒロイン感に興奮! 『ひるなかの流星』すずめ役の魅力を熱弁

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/04/01 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 もう1年半前になるだろうか。映画『俺物語!!』で、まったくノーマークだった女優・永野芽郁の圧倒的なヒロイン像に心を奪われたのである(参考:ネクストブレイク筆頭株か? 『俺物語!!』ヒロインに抜擢された16歳=永野芽郁の魅力)。  瞬く間に注目を集めた彼女は、それから多くのCMやドラマで見るようになったが、あくまでもそこではファッションモデルの一人という印象だ。昨年17歳を迎えると同時に、「nicola」から「Seventeen」へと移籍し、現在放送中の「UQモバイル」のCMでは深田恭子と多部未華子(それとガチャピンとムック)と一緒に大人びたメイクで登場している。  しかし、そんなテレビでのイメージとは打って変わって、彼女は映画にフィールドを移すと女優としての天才的な素質を見せつける。現在公開中の『ひるなかの流星』で担任教師と同級生との間で揺れ動く恋心を抱える女子高生・与謝野すずめを演じる彼女は間違いなく、スクリーンでこそ映える女優だと言ってもいいだろう。  『パラダイス・キス』など多くの少女漫画原作映画を手がけてきた新城毅彦監督の本作。新城監督と撮影監督の小宮山充がタッグを組んだ作品といえば、ものすごく攻めこんだフォーカスの合わせ方がお馴染みで、あたかも世界にはふたりしかいないのではと思わせんばかりの画面を作り出す。ラブストーリーを描くにはもってこいの撮影技法だ。  それに加えて要所要所で口元や手元を抜いたカットを入れ込むことで、あざとくも感じるが、そのあざとさこそがかえって少女漫画映画には相応しい。そんなお膳立てによって、なおさらヒロインが映える画面が作り出されていくわけだが、そのヒロインが永野芽郁となれば、もはや映画として最高のコンディションと言っても間違いない。  映画はド田舎から東京に出てきた永野芽郁が、吉祥寺の駅前で道に迷っている姿から始まる。もうこの最初のカットで、徹底された画面づくりに驚かされる。そして、歩き疲れて公園のベンチに座った彼女が、おにぎりを食べようと包みを開いたらたちまち、そのアルミホイルがレフ板の代わりになって、彼女の顔を照らすのだ。もうそこから、この映画は彼女一色に染まる。  続いて転校初日に白濱亜嵐に話しかける昇降口のシーン。原作では両手を構えるだけのところが、片方の指のアップで白濱を突けば、そのあとには両手を人差し指だけまっすぐ伸ばして構えて見せたり、前ならえをするように握手を求める姿など、原作漫画以上にコミック調のヒロイン像が確立される。もしかすると、彼女は喜劇に向いているのではないだろうかと思いを巡らせてみると、そういえば先日も藤子・F・不二雄原作のドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』(日テレ系)でメンヘラ気味のスーパーウーマンを演じていて、コメディセンスを発揮していたではないか。  さらに、動きだけではなく、表情でも魅せてくれる。中盤で三浦翔平と公園を歩く場面で、頭をポンポンされるのを避けるときの表情。原作のすずめよりも、“チュンチュン”の愛称が似合う、垢抜けない感じに好印象を与えられて安心していると、突然の一撃でとどめを刺される。それは放課後に山本舞香に化粧をしてもらって、携帯電話を忘れて教室に取りに戻るシーン。彼女のビフォーアフターを観客は、三浦翔平がカーテンを開けて彼女の変身を目の当たりにするまでお預けをくらう。そして、カーテンの風を帯びながらその姿を画面に映した瞬間のギャップときたら、実にあざといながらも相当の破壊力を擁する。  そして何と言っても、とにかく活発に動き回るアクティブさだ。告白の返事をするために、電車と併走して右から左に走ったと思いきや、用が済んだらまた走る。横移動と画面の奥への移動を両方見せつけるこの場面に加え、水族館では無邪気に水槽に飛びつく。さらにクライマックスでも走るだけ走り、突っ込んでくる。ますますコメディへの、とくにスラップスティックコメディへの素養を感じずにはいられない。  とにかく作り手側が、永野芽郁という女優の良さを引き出し、徹底的に可愛く映そうとしていることが全体を通して感じ取れるのである。それだけで、いかに彼女が愛されている女優かが判る。やはりヒロイン映画においてはとくに、可愛い女優をそれ以上に可愛く撮るということが鉄則なのであり、見事にそれを成し得たこの映画に拍手を送らずにはいられない。  4月には瀬田なつき監督の最新作『PARKSパークス』で橋本愛と共演し、コメディ映画『帝一の國』では強烈な個性を見せつける若手イケメン俳優のアンサンブルの中で紅一点を務めるなど出演作が目白押し。極め付けは何と言っても5月に公開される『ピーチガール』だ。筆者の世代にとって伝説の少女漫画でもある同作で、彼女が小悪魔・柏木沙絵を演じるとなれば、もう楽しみで楽しみでしかたがない。 ■久保田和馬

映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。

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