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消費増税でリポビタンDは10%なのにオロナミンCは8%のままなワケ

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2019/09/11 06:00 ダイヤモンド編集部,林 恭子
10月1日以降、リポビタンDとオロナミンCで税率が異なるわけとは? Photo:Diamond © Diamond, Inc 提供 10月1日以降、リポビタンDとオロナミンCで税率が異なるわけとは? Photo:Diamond

 10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられる。今回の増税における最大のポイントは、飲食料品などに軽減税率(8%)が適用される点だ。

 ところが、間近に迫った今になっても軽減税率の対象になる品目を、正確に理解できている人は少ないのではないだろうか。もし理解できていないと、買い物の際に混乱したり、この制度を誤って理解している店舗で本来より高い税率で商品を買わされたりしかねない。

 まずは、概要を押さえておこう。軽減税率の対象品目になるのは、大きく分けて「飲食料品」と「新聞」の2つだ。

「飲食料品」とは、人の飲用または食用に供されるすべての飲食物のことで、酒類は除く。さらに、食品と食品以外の商品が一体となっている「一体資産」と呼ばれる商品も含まれる。ただし、外食やケータリングなどは、軽減税率の対象品目に含まれていない。

「新聞」とは、週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくものを指す。

 つまり、「人が食べたり、飲んだりできる商品」と「新聞」は、消費税率が8%のままと覚えておけば問題ないのだが、細かいところに意外な落とし穴がある。

軽減税率の対象品目にならない

“ある調味料”とは?

 まず気を付けたいのが「飲食料品」だ。今回の消費増税では「酒類」以外の飲食料品は8%に税率が据え置かれることになった。しかし、何気なく買い物カゴに入れてしまいそうな“ある調味料”は消費税率が10%になってしまうので注意が必要だ。

「今回の軽減税率制度で『酒類』は対象品目から外れましたが、その『酒類』が指すのは酒税法で定められたアルコール分1度以上の飲料のことです。つまり、アルコール度数が14度前後である『本みりん』は酒類になり、税率が10%になってしまいます」

 こう解説するのは、軽減税率の対象品目に詳しいリクルートライフスタイルAirシリーズ統括プロデューサーである林裕大さん。同社は、無料で利用できるiPad専用のPOSレジアプリ「Airレジ」を提供しており、現在、軽減税率対象品目への対応を進めている。

 本みりんは酒類に入る一方で、酒類に含まれないのが「みりん風調味料」だ。みりん風調味料は、本みりんと製造方法が異なり、水あめなどの糖類や米、米麹などをブレンドして作られたもので、アルコール度数は1度未満のため、軽減税率の対象品目にあたる。当然ながら、料理酒にも14度前後のアルコールが含まれているため、これも消費税率は10%になる。

「お酒に関していうと、アルコールが利いたケーキの税率も判断に迷うかもしれません。しかし、ケーキ自体のアルコール分が1度を超えた場合でも、ケーキは『酒類』ではなく『食品』であるため、税率は8%のままになります」(林さん)

オロナミンCは8%のまま

リポビタンDは10%に

 冒頭で、「人の飲用または食用に供されるすべての飲食物」は軽減税率の対象だと述べたが、実は酒類以外にも人が口に入れるものでも軽減税率が適用されないものがある。それが「医薬品・医薬部外品」だ。

 つまり、医薬品である「内服薬」、医薬部外品に当てはまる「栄養ドリンク」などは、人が口に入れるものでも税率は10%に引き上げられる。ところが、一言で“栄養ドリンク”といっても、軽減税率の対象品目になるものと医薬部外品に当てはまるものがあるため、見極めが必要だ。

「栄養ドリンクの代表的な商品である、チオビタドリンクやリポビタンDなどは『医薬部外品』ですから、消費税率は10%になります。一方で、“栄養ドリンク”でもオロナミンCやレッドブルなどのエナジードリンクは『清涼飲料水』のため、8%のままです。また、トクホ(特定保健用食品)の飲み物や食品も医薬部外品ではないため、8%に据え置かれます」(林さん)

「おもちゃ付きお菓子」などの

一体商品に要注意!

 もう1つ、飲食料品で押さえておきたいのが「一体資産」だ。「一体資産」とは、おもちゃ付きのお菓子や、タオルやお菓子などを組み合わせたお歳暮ギフトのような、食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている商品のこと。この場合、消費税率は8%のままなのか、10%に引き上げられるのか。

「一体資産では、税抜きの価格が1万円以下で、商品のうち食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合は、商品全体が軽減税率の対象になります。一方で、それ以外の商品は消費税率10%になります)(林さん)

 例えば、税抜き500円のおもちゃ付きのお菓子の場合、お菓子の価額が400円、おもちゃの価額が100円にあたるならば、軽減税率が適用されて消費税率は8%で購入できる。

 こうした商品は、食料品を扱うスーパーやコンビニだけでなく、雑貨店などでも取り扱われているため、購入の際には注意したほうがいいだろう。

フェスの屋台は8%?10%?

曖昧な外食の境界線の見分け方

 今回の消費増税で飲食料品は軽減税率の対象だが、外食やケータリング(出張料理サービス)は対象外になってしまった。ただし、テークアウトやそばなどの出前・ピザなどの宅配は軽減税率の対象になる。

 一番注意が必要なのが、コンビニやファストフード店で商品を買って、休憩スペースやフードコート内で食べる際だろう。10月1日以降は購入の際に、店員から「店内で食べるか、持ち帰るか」を質問されることになるので、そこで「店内で食べる」と言えば10%に、「持ち帰る」なら8%になる。

「持ち帰る」と決めた後に「やっぱり店内で食べよう」と思ったとしても、これまでなら何の問題もなかったが、今後それをしてしまうとトラブルの元にもなりかねないため注意したい。

 そんななかで、テークアウトか外食かの微妙な判断に悩みそうなのが、野外フェスなどに出店している屋台で購入する飲食料品の税率だ。

「公園などで開かれるイベントの場合、主催者がその場所を“どのような意図”で場所を借りたかがカギになります。例えば、主催者が椅子と机をずらっと並べて、そこで顧客が食べることを前提としているイベントなら、10%が適用になる可能性が高いといえます。一方で、公園で顧客が敷物などを敷いて食べる場合は、テークアウトにあたるため、8%になるでしょう」(林さん)

キャッシュレスでの買い物なら

9ヵ月間は2%または5%還元に

 ここまで今回の消費増税における注意点を述べてきたが、軽減税率が適用されるのは飲食料品がメインで、多くの商品は消費税率が10%に引き上げられてしまう。9月中にある程度のものは買いだめするとしても、10月以降、少しでもお得に買い物をする方法はないだろうか。

 その1つの方法が「キャッシュレス決済」をすることだ。これは、消費増税による需要平準化の対策とキャッシュレス対応による生産性向上を目指す「キャッシュレス・消費者還元事業」によるもの。

 クレジットカードやデビットカード、電子マネーやQRコード決済を使って支払いをすれば、2019年10月から2020年6月までの9ヵ月間は、対象店舗に登録された中小・小規模店なら5%、フランチャイズチェーン傘下の店であれば2%のポイント還元が受けられるという。

 9月5日時点の加盟店登録申請数は約58万件。先日、具体的な加盟店登録リストも公表されたが、10月1日以降も加盟店の登録申請は受け付けているため、まだまだ店舗数は増えていくはずだ。

 これまで消費税は「上げる」といわれながら何度も延期されてきたため、今回も延期されるのではないか、と心のどこかで期待と油断をしている人もいるのではないだろうか。しかし、今回の消費増税は避けられそうもない。

 これまでになかった軽減税率の仕組みをきちんと理解し、10月1日を迎えた後に「あれを買っておけばよかった!」と後悔しないよう、計画的に消費増税に備えるようにしたい。

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)

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