古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

無料プランも出たLINE@、お店トークでお客さんともっと身近に

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/16 ITMedia
無料プランも出たLINE@、お店トークでお客さんともっと身近に: 新しくなったLINE@ © ITMedia 提供 新しくなったLINE@

 LINEといえば今や、携帯メールにとって代わる勢いで普及しているコミュニケーションツール。全世界4億人、国内5000万人のユーザーを抱え、日常的にLINEでやり取りしているユーザーも少なくない。

 このLINEユーザーに、ショップのお得情報やクーポンを配信できるのが、LINEの提供するショップ向けサービス「LINE@」(ラインアット)だ。

 LINE@は、月額5000円(以下価格は全て税抜)という安価なコストで運用できることから、2012年末のサービス開始以来、3万件以上のショップが登録を行い、来店時のクーポン利用率は40%に達している。

 そのLINE@が5月15日、バージョンアップ。新たに月額無料のプランや、顧客とのコミュニケーションに使える「お店トーク」機能、容易にショップサイトを作成できる「お店ページ」機能が登場した。

 もともと安価な価格設定のLINE@になぜ無料プランを設けたのか、お店トークやお店ページは、店舗の集客をどう変えるのか――。LINE COOの出澤剛氏とLINE@を統括するLINE Business Partnersの長福久弘社長に聞いた。

●無料でLINE@が始められるように

 今回のアップデートに当たり、LINEは既存のLINE@利用者へのヒアリングを行い、その声を取り入れたという。このアップデートで、1つの料金プランしかなかったLINE@に、無料の「スタンダード」、従来通り月額5000円の「プロモーション」、月額5万円からの「上位プラン」という3つのプランが設定されたのだ。まずはその違いを確認しよう。

 「BEYOND LINE(LINEがLINEを超える新しいサービス)」というコンセプトのもと、より多くの人にLINEを使ってもらおうという戦略の一環で、LINE@を無料でスタートできるようなメニューを用意しました。すでに7000件を超える多くのお客さまから事前登録もいただいています」――。こう話すのは出澤氏だ。

 最近では、スマホでお店を探す、という光景もよく見られるようになった。また、販売や飲食店の現場でも、スマホやタブレットの利用が増えている。そのスマホを顧客と店舗をつなぐツールとしてより多くの現場で使ってもらいたい――その思いから無料プランが投入されたという。インドネシアやタイなど海外でもLINE@は試験運用中ということで、その裾野を広げたいという思いもあるという。

 LINE@の月額5000円という価格設定は、初期費用200万円、月額コスト150万円の公式アカウントに比べれば、はるかに手軽だ。しかし、客単価の低い業態の企業などでは、そのコストに見合った効果を上げるため、試行錯誤があった。今回、月額0円というスタンダードプランでその効果を試せるようにしたのは、そのハードルを大いに下げたと言える。

 そうはいっても、「スタンダードプランのメッセージ配信は月1回。いくら何でも少ないのでは? たった1回ではほとんど何も発信できないのでは?」と感じる店舗運営者もいるはずだ。実はここにもサービス設計の妙があり、スタンダードプランでも顧客(友だち)とのコミュニケーションは図れるようになっていると、長福氏は言う。

 「LINE公式アカウント利用者からのヒアリングでは月2回程度のメッセージ配信が適切という結果も。配信メッセージがあまり多いと、ブロックされてしまうからです。お店と顧客が顔なじみという関係の多いLINE@の場合、月3〜4回でも問題ないかもしれませんが、セールの案内などを月に1回行うだけでも効果があると思います」(長福氏)

 メッセージを頻繁に配信するのではなく、効果的でブロックされにくい内容やタイミングをつかんでまずはLINE@に慣れるのが大切なようだ。そのうえで、月額5000円のプロモーションプランに移行する、という方法もアリだ。さらに、友だち数が1万人を超えれば、友だち数の上限も撤廃される上位プラン(月額5万円〜有効友だち数に応じた課金)への移行も視野に入ってくるだろう。プランを移行しても、それまでの友だちや、後述する「LINEトーク」や「お店ページ」はそのまま引き継がれる。

●顧客(友だち)からの問い合わせもLINE@で対応可能

 今回のアップデートの目玉は、無料メニューを用意したことだけではない。

 「“LINEらしさ=コミュニケーション”ですので、それを追求した結果、今回新たに『お店トーク』という機能を追加しました。これはどのプランでもご利用いただけます」(長福氏)

 従来LINE@では、お店側からのメッセージは発信できるものの、顧客(友だち)との双方向のやり取りができなかった。それを、顧客からの「問い合わせ」を起点として、それに答える形でのやり取りが行えるようになったのが今回の大きな変更点だといえるだろう。

 店舗側は提供された管理画面で、顧客からの問い合わせリストを確認できる。リスト内の項目(スレッド)をタップすると表示されるLINEのメッセージ画面で、顧客とのやり取りが開始される仕組みだ。

 「回答終了」というフラグを立てれば、やり取りは完了し、該当スレッドにはそれ以降書き込みができなくなる。もし再びやり取りを始めたいと思っても、顧客の側から問い合わせがなければできない。

 「やり取り自体はLINEのメッセージを利用していますが、顧客からの問い合わせはWeb上の問い合わせフォームから――。こうすることで、ある程度の定型化を図ると同時に、お店側が即応できなくとも、顧客の側に『待つ気持ち』を持っていただくことができます。これがもし通常のLINE画面からメッセージを送ると、即対応してもらえるものと思ってしまいますので」(長福氏)

 この機能は、特に「飲食店や美容室などの予約の際に便利ではないか」と長福氏は話すが、LINEでのやり取りが発生するため、いきなり使いこなせるか不安を覚える利用者もいるかもしれない。そういったこともあり、この機能を使用するかどうかはお店側で選択することができる。「とはいえ、顧客からすれば、リアルタイムでのコミュニケーションがスマホの利点ですので、せっかくLINE@を利用するのであれば、なるべく早く回答が行えるような体制を構築しておくのがオススメです」(出澤氏)

 スレッドの管理画面は備えるが、多くの予約サイトが契約店に提供しているような高度な管理機能や業務システムとの連携は備えていない。あくまでも簡単に導入、運用できることを目的としたものだが、将来的には“LINE ビジネスコネクト”として発表されている公開APIの活用など、サードパーティによるカスタマイズやチューニングサービスの登場にも期待したいところだ。

●LINEの外から検索可能なスマホ版ホームページの作成

 LINE@で情報を発信するなら、ブロックにつながる頻繁なメッセージ配信をするのではなく、ホームやタイムラインを利用するのが効果的だ。Facebookへの投稿のようにお店の今の様子などはそちらで、というわけだが、LINE=リアルタイムメッセージの一斉発信、というイメージが強い中、これらの機能は必ずしも定着しているとは言えない。

 「LINEからLINE@アカウントを検索できるのですが、探し当てたお店がどんなお店なのか、なかなか分かりにくいという声も挙がっていました。そこで、ご用意したのが『お店ページ』です」(長福氏)

●LINEお店ページ掲載可能項目例

・お問い合わせ

・LINE電話

・友だち追加

・イメージ画像

・店舗名

・住所、電話番号、URL

・営業時間、予約時間 など

 LINE@の「お店ページ」は、スマホに最適化された店舗のサイトを簡単に作成し、公開できる。Webブラウザでも見られるので、GoogleやYahoo!などからの検索流入も期待できるという。こういったスマホ最適化サイトの作成などは業者に依頼すると数万円〜数10万円かかるものだが、LINE@にアカウントを開設していれば無料プランでもこの機能が利用できる。「お店探しはLINE@で」をスタンダードにしたいという狙いがうかがえる。

 出澤氏も「“ホーム・タイムライン”という用語では、一般的な“ホームページ”と混同しがちで、少し分かりにくかったかもしれない、という反省があります。今後は、ホームページ機能を持たせたお店ページで基本情報を掲載、メッセージで一斉配信が望ましいセール情報などを配信、タイムラインでブログのようなこまめな情報更新、といった具合に使い分けていただければと思います」と話す。

●ECサイトへの直接誘導が可能に

 それ以外にも、これまではNGだったECサイトへのメッセージからの直接リンクも解禁された。あくまで実店舗のあることがLINE@の加入要件だが、セール情報をメッセージで送信した際、来店を促すだけでなく、自店のECサイトへのリンクも張れるため、来店する時間のない忙しい顧客に対してもアピールする余地が増えたということになる。

 「あくまでO2O(オンライン・ツー・オフライン)がLINE@の基本コンセプトですが、お店側、顧客側がLINE@をご利用いただく際のメリットを考慮して、対応させていただきました」と長福氏(なお、こうなってくると、LINEが現在個人や限られた法人向けで試験的に始めているLINE MALLとの連携も気になるところだが、春以降とされる一般企業への開放がまだ始まっていないこともあり、これについては未定だという)。

 また、求人情報の掲載も可能になったが、会員登録やメルマガ登録などへのリンクを配信することは引き続きNGなので注意する必要がある。

 LINEでは引き続き、LINE@について各地でのセミナー、説明会を開催する。また、初心者オーナー向けの「LINE@カレッジ」も開催中だ。こういった場を利用して、LINEの特性を生かした顧客との新たなコミュニケーションの図り方を知り、販売の促進に繋げるにはどうしたらよいか、直接ノウハウを学ぶのも良いだろう。

[まつもとあつし,Business Media 誠]

ITmedia NEWSの関連記事

image beaconimage beaconimage beacon