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焦点:ロシア疑惑証言、トランプノミクスのさらなる足かせに

Reuters のロゴ Reuters 2017/06/06

[ワシントン 5日 ロイター] - 2016年米大統領選でのトランプ陣営とロシアとの関係を巡る「ロシア疑惑」捜査によって、医療保険制度改革(オバマケア)の廃止や税制改革といったトランプ大統領の政策目標の実現に向けた勢いが、さらに削がれる公算が出ている。

米連邦議会上院は5日、下院は6日にそれぞれ再開し、8月の夏季休暇に向けた集中的な法案等の審議に入る。最も注目されているのが、先月9日にトランプ大統領が解任したコミー前連邦捜査局(FBI)長官だ。

コミー氏は8日に情報委員会の公聴会に出席する予定で、ロシア疑惑捜査から手を引くようトランプ大統領から圧力を受けたのかどうか、議員からの質問攻めにあうだろう。

共和党のトランプ氏は、ロシア関連の捜査は、自身の大統領選勝利の正当性を傷つけようとする「魔女狩り」だと批判している。

ロシア疑惑は、共和党議員にとって、二重の脅威を意味する。すでに衰えつつある医療制度や税制改革の実現に向けた機運がさらに失われる恐れがあるほか、2018年の中間選挙で上下両院過半数の維持に向けた努力を阻害する可能性もある 「極めて大きな邪魔になり、不確実性が生じる」と、共和党の重鎮トム・コール下院議員は電話インタビューで語った。「政治システムに暗い影を落とし、日程などを遅らせる。権力のレバーを3つすべて握っている時、遅れは好ましくない」。現在いずれも共和党の支配下にあるホワイトハウスと上院、下院について、そう指摘した。

コミー氏の議会証言の前日には、米情報機関のトップが同じ委員会で証言し、外国情報監視法の更新について議員と議論する予定だ。同法は、米国外に居住する外国人がアメリカの電話会社やインターネットプロバイダーを介して行う通話や通信を、米政府機関が傍受することを可能にしている。

だが、議員たちは、ロシア疑惑についても質問するとみられている。

議会は、政府の債務上限を引き上げる方法も考えなくてはならない。ムニューシン財務長官は、税収の流れが停滞していることを受け、借入権限の拡大を早期に承認するよう強く議会に求めている。

共和党の財政保守派はたびたび、債務上限の引き上げと引き換えに予算削減などの譲歩を求めており、今回も綱引きが予想される。

こうした中、トランプ大統領と共和党議員は、1週間のメモリアルデー休暇を終えて再開する議会が、それまでロシア疑惑と医療制度や税制改革における失策が中心だったワシントンの話題を「リセット」する好機となることを願っている。

共和党下院議員は今週、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の一部見直しに関する法案を可決させたい考えだ。だが同法案については、上院において民主党が手続面での戦術を駆使して廃案に追い込む方針とみられ、抵抗にあうことが予想されている。

もしそうなっても、下院共和党は、こうした「手の届きやすい」法案を可決させることで、8月の休暇で選挙区に戻った際に実績としてアピールできるようになることを願っている。

一方、上院は、オバマケア廃止と代替制度を策定する法案作成にてこずっている。オバマケアは、医療保険の保険対象をそれまで無保険だった人々にも拡大し、保険会社を一定の監督下においた、オバマ前大統領の画期的な医療制度改革だ。

ミッチ・マコネル上院院内総務は5月24日、ロイターとのインタビューに応じ、「現段階でどうやって(法案通過に必要な)50票を獲得できるか分からない」と述べつつ、前進することを誓った。

上院では今週、新たな医療保険制度案が提示される見通しだ。下院が可決した代替法案よりも国民に受け入れられやすい内容になることを議員は期待している。

7月初旬までに、新たな制度について合意できなければ、2010年のオバマケア施行以来、共和党が公約してきた同制度の撤回が難しくなる可能性がある。

焦点:ロシア疑惑証言、トランプノミクスのさらなる足かせに © REUTERS 焦点:ロシア疑惑証言、トランプノミクスのさらなる足かせに

米議会ではすでに、10月にスタートする新会計年度向けに予算案を作成する作業が数か月遅れとなっている。国防費の規模や、社会保障、メディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険制度)、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)などの社会福祉プログラムの構造改革の是非などについて、共和党内部でも大きく意見が割れている。

この上さらに、共和党下院議員は、古くなった連邦税法を改定し、減税を実現すると公約している。民主党や議会外の一部専門家は、共和党案では、富裕層に恩恵を与える一方で、国の借金が膨らむことになると批判している。

(Richard Cowan記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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