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焦点:東芝が選んだ「日米韓連合」、見えない事業主体に懸念

Reuters のロゴ Reuters 2017/06/21

[東京 21日 ロイター] - 東芝(6502.T)が半導体子会社の売却で、優先交渉の相手先として決めた政府系ファンドの産業革新機構と米系ファンドのベインキャピタルを主軸とする日米韓連合には、残された課題も多い。

最大の不安材料は、半導体事業の合弁先である米ウエスタンデジタル(WD)(WDC.O)による訴訟リスクだが、同連合の事業主体が見えないことにも懸念が出ており、今後は政府主導で組成された「東芝救済連合」の実効性が試される展開となりそうだ。

<ベインとSKハイニックスで8500億円>

「陣営は曲がりなりにも組成されたが、事業主体がどこになるのかが見えない。事業主体と事業計画がない買収提案になりかねない」――。陣営に名を連ねるある金融機関の幹部は、今後の行く末を心配する。

関係者によると、優先交渉権を得た日米韓連合はメモリー子会社を買収するためのSPC(特定目的会社)を設立し、革新機構と政投銀が3000億円ずつ、ベインが8500億円を出資。ベインの出資額のうち4000億円は、韓国半導体大手のSKハイニックス(000660.KS)が融資する。さらに三菱東京UFJ銀行も5500億円の融資を付け、最終的には2兆円の買収資金を用意する計画だ。

<事業会社なしの陣営>

ただ、陣営の弱点は、メモリー子会社の買収後にビジネスをけん引する事業会社の姿がないことだ。唯一事業会社として参画するSKハイニックスは間接的な融資による関与にとどまる。

この手法が採用された背景として、1)各国の独占禁止法をクリアするため、資本出資を避ける必要があった、2)外国企業の買収のために革新機構の公的資金を活用するわけにはいかない──などの理由が挙がっている。

残りのメンバーは、いずれもファイナンシャル・スポンサーでしかない。関係者の中には「革新機構とベインが主軸を握る」との声もあるが、半導体事業を運営するノウハウには不安が残る。

焦点:東芝が選んだ「日米韓連合」、見えない事業主体に懸念 © REUTERS 焦点:東芝が選んだ「日米韓連合」、見えない事業主体に懸念

メモリー事業の運営のためには「3年間で8000億円―1兆円の投資が必要」(主力行首脳)といわれる中で、 誰がいくら、どのタイミングで投資判断するのか。難しい経営のかじ取りを誰が担うのかが、問われることになる。

<依然として不透明なWDの対応>

WDは、東芝による優先交渉権の決定を受けて、あらためて「売却の権利はない」と表明した。WDによると、米カリフォルニア州の上級裁判所に訴えを起こした売却プロセスの差し止め請求は、7月中旬に審問となる。

「差し止め請求が認められて、そのまま買収手続きを進めると不法行為に当たってしまう」と関係者は明かす。

買収を成就させるためにはWDの同意と、訴訟の取り下げが不可欠だ。主力行幹部は「もはやWDと東芝のチキンレースだ」と状況を分析。WDが買収の成否の鍵を握っている状況は変わっていない。

(布施太郎、浜田健太郎、山崎牧子 編集:田巻一彦)

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