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狭額縁化やデュアルカメラには追随しない? Xperia新機種の狙いを聞く

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/09/11
狭額縁化やデュアルカメラには追随しない? Xperia新機種の狙いを聞く: ソニーモバイルコミュニケーションズ UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏 © ITmedia Mobile 提供 ソニーモバイルコミュニケーションズ UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、2017年9月1日から6日までドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2017」において、Xperiaシリーズのスマートフォン3機種を発表した。

 その中でも「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」の2機種は例年の傾向から日本での発売を大いに期待できる存在だ。また、スーパーミッドレンジの「Xperia XA1 Plus」も、指紋センサーの搭載により確実に使い勝手が上がっている。

 この3機種をIFAに投入してきた狙いはどこにあるのだろうか。IFA会場のソニーブースで同社 UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏に話を聞いた。

●Xperia XZ Premiumの特徴を多くの人に届けるのが「Xperia XZ1」

―― Xperia XZ1シリーズの位置付けとは?

安達氏 これまでフラグシップの最上位機種として、2017年2月にMobile World Congressで発表した「Xperia XZ Premium」を提供してきた。そのテーマや特徴をできるだけ多くの人にお届けすべく、「Xperia XZ1」と「XZ1 Compact」の2機種を発表した。

―― XZ Premiumからどのような機能がXZ1、XZ1 Compactに受け継がれたのか。

安達氏 共通しているのは、継ぎ目のないボディーを実現する「ループサーフェスデザイン」、最新SoC(プロセッサ)の「Snapdragon 835」、ソニーと共同開発したカメラシステム「Motion Eye」だ。さらに最新の「Android 8.0 Oreo」を搭載することで、最新のXperiaとAndroid体験をお届けできる商品になった。

 XZ Premiumの機能のうち、4Kの解像度以外は基本的にXZ1に入っている。XZ1 CompactではHDR対応がなく、LTEネットワークの対応がXZ1のCat.16に対してCat.15まで、USB Type-Cの仕様がXZ1の3.0に対して2.0といった違いがある。

―― Xperia XZ1の背面デザインを見ると、アンテナ設計が変わっている。

安達氏 アンテナは大きく変更した。XZ Premiumではループサーフェスデザインをガラスで表現したが、XZ1ではアルミの押し出し素材による剛性感の向上を狙い、金属で表現したかった。

―― 最近のスマホはベゼルが細くなっているのに対し、Xperiaは上下のベゼルが太いとの指摘がある。

安達氏 他社の動向は注視しているが、XZ Premiumで好評だった考え方は変えていない。今回はフロントスピーカーを強化し、横に持ったときにステレオ感を楽しんでいただける。薄型化のために、Motion Eyeのカメラ部品をディスプレイと重ねないよう配置したという構造的な理由もある。

●デュアルカメラには追随しない?

―― カメラで人物の顔などを3Dスキャンできる「3Dクリエーター」は、どのように実現しているのか? 赤外線センサーなどは使っていないのか。

安達氏 イメージセンサーの光学的な特性と、キャプチャー後に高速に処理してレンダリングするSnapdragon 835を組み合わせたもので、本質的にはソフトウェアのテクノロジーだ。今回発表したXZ1、XZ1 Compactに加え、Xperia XZ Premium向けにも提供する。

―― 3Dクリエーターをこのタイミングで搭載した理由とは?

安達氏 業界全体でARやVRがキーワードになっており、平面だけではない体験を提供したいという流れがある。ノウハウの蓄積やパートナーと連携したいという思いがあり、まずは3Dクリエーターというアプリを提供した上で、技術の熟成と発展を進めたい。

―― 他社ではソニー製のセンサーを用いたデュアルカメラが増えている。なぜXperiaでは採用しないのか?

安達氏 ソニーグループとしては、たくさんセンサーを買っていただいてありがたい(笑)。だがソニーモバイルとしては、Motion Eyeを一押しする。単純にキレイなだけでなく、スーパースローモーション撮影や先読み撮影、さらに今回は笑顔検出やオートフォーカス連写にも対応した。今後も、単純な二眼ではなく、新しいユニークな体験を提供できないか、という方向で検討している。

―― 他社のスマホがMotion Eyeを搭載してくる可能性はあるのか?

安達氏 Motion Eyeとは、メモリ積層型のCMOSセンサーとGレンズ、画像処理エンジンであるBIONZ for mobileという3つの要素を組み合わせたカメラシステムだ。その中でメモリ積層型CMOSセンサーの外販についてはソニーのセンサー部門の判断次第だ。だが、その3つを合わせたMotion Eyeを搭載するのはXperiaだけになる。

●欧州市場で高まる、高級コンパクト端末の需要

―― Xperia XZ1 Compactのターゲット市場は日本なのか?

安達氏 グローバル向けに発表しており、日本だけではない。ドイツではコンパクト端末の人気が高く、プレスカンファレンスでの発表は大きな反響を得ている。他に英国、スウェーデンを中心とした北欧にも需要があり、その3つのエリアを中心に欧州市場にも展開する。

―― 欧州で前モデルの「Xperia X Compact」はどう受け止められたのか?

安達氏 Xperia X CompactはXperia Xのコンパクト版として提供したが、Xperia X自体が苦戦したこともあり、今回はコンパクトでもプレミアムであってほしいという要望に応え、XZ1のコンパクト版とした。

―― プレミアムといってもXZ1 CompactではHDRに非対応で、画面解像度もHDにとどまっている。

安達氏 フルHDのHDR対応コンテンツは多いが、HDはそうではないのが現状だ。また、4.6型という画面サイズではHDでも十分な画素密度があり、視認できる精細感は5型クラスのフルHDと変わらない。消費電力が少ないというメリットもあり、あえてHDを採用した。

―― Xperiaシリーズは伝統的にフルHDや4Kのように、コンテンツのフォーマットを採用している。

安達氏 他社ではWQHDや、さらなる画面のワイド化も進んでいる。だが、それにフィットするコンテンツはわれわれが把握している範囲ではあまり一般的ではない。もともとの映画から作られるBlu-rayやストリーミング配信はフルHDや4Kが中心であり、Xperiaもそこに合わせている。

―― XZ1 Compactの本体は、2年前のプレミアムコンパクト「Xperia Z5 Compact」より厚くなっている。

安達氏 最も重視したのは、手に収まりやすい実績も要望もある横幅65mmというサイズ感だ。XZ1の場合、表面積が広いため基板をL字型にできているが、XZ1 Compactでは液晶、基板、バッテリーという三重構造になってしまう。ただ、手に持ってみると収まりの良いサイズだ。

●Xperia XA1 Plusの位置付けは?

―― スーパーミッドレンジの「Xperia XA1 Plus」の位置付けは?

安達氏 欧州ではコンパクトな端末が好まれる市場がある一方で、「Xperia XA1 Ultra」のような6型級もフランスやスペインで人気が出てきている。グローバルでは東南アジアを中心に、大型モデルが評価されている。

―― XA1 Plusに指紋センサーを搭載した理由は? 今後のスーパーミッドレンジでは標準搭載になるのか。

安達氏 アジア諸国ではいろいろな機能を入れるスペック競争があり、指紋認証も一般的になってきていることから、対応したかった。今後、標準搭載していく可能性は十分にある。

―― 側面に指紋センサーを搭載したXA1 Plusは、XA1よりも本体側面がやや膨らんでいる。他の場所は検討しなかったのか?

安達氏 指紋センサーだけが理由ではないが、XA1のギリギリまで攻めたナローベゼルと指紋センサーの相性は、必ずしも良くない。搭載位置については、上位のXperiaシリーズとの間で一貫性を考慮した。

―― 今回も、米国モデルで指紋センサーが無効になっている。生体認証として、顔認証や虹彩認証は採用しないのか?

安達氏 米国での状況は変わっておらず、ビジネス上の判断になる。北米向けに生体認証の特別なハードウェアを載せるには至っていない。今後は業界の変化を見ながら検討していく。

―― 最後に、日本のXperiaユーザーにメッセージがあれば。

安達氏 まだ日本で発売するかどうかは言えないが、ソニーモバイルとしても日本市場は重要な存在だ。期待して待っていてほしい。

●取材を終えて:Androidの高級コンパクト市場で存在感を出せるか

 ソニーモバイルは、日本だけでなく欧州市場でも高級コンパクトが支持される国があると見ていることが分かった。一般にスマホ市場では大画面を求める声が多く、幅広い価格帯で画面サイズの大型化が進んでいる。その最先端が、Galaxy S8やNote8のように本体前面を覆い尽くすような縦長のディスプレイではないだろうか。

 一方でiPhoneとは異なり、Androidでは小型画面のプレミアムモデルは意外なほど存在しない。画面サイズが小さい端末は解像度も低く、CPUやメモリ容量も上位モデルとは差別化されることが多いからだ。コンパクトだがプレミアムというXperia XZ1 Compactは、ライバル不在のエリアを的確に狙ったモデルになりそうだ。

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