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甘酒はどれも同じと思ってない? 酒粕と米麹の2種類を見分ける方法

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2016/12/31 石原亜香利

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初詣に出かけると、甘酒がふるまわれることがある。その甘酒には、酒粕と米麹の2種類があるのをご存知だろうか。

近年、甘酒は日常的に楽しまれるようになった。酒粕のほうは甘みを追加しなければならないため、砂糖を入れる必要があり、ダイエットには不向きなどといわれるが、かつては甘酒といえば酒粕のほうだった。米麹は、麹ブームが引っ張ってきたものである。

そもそも、この酒粕と米麹にはどのような違いがあるのだろうか。それぞれの甘酒の見分け方や健康効果を、一般社団法人日本糀文化協会の代表理事 大瀬由生子さんに聞いてみた。

初詣で出会う甘酒はどっちの甘酒?

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毎年、初詣客に対して甘酒をふるまう神社がある。例えば、東京では靖国神社が有名だ。靖國神社は来年も甘酒をふるまうことが決まっており、2017年1月4日まではふるまわれる予定だという。あいにく、記事執筆時点ではどちらの甘酒かは判明しなかった。他の神社では酒粕と米麹、どちらの甘酒がふるまわれるのだろうか。

神田明神に訪れるなら、ぜひ甘酒がおいしい近隣の老舗「天野屋」や「三河屋綾部商店」に訪れてみよう。どちらも「米麹」の甘酒が楽しめるようだ。

また、熊本の阿蘇神社では、昨年末、一週間かけて3万人分もの「米麹」の甘酒の仕込みを行っていることがニュースで紹介された。今年は大地震の影響で社殿復旧が行われているが、正月の参拝は拝殿跡地で予定していることや、2016年12月18日からは甘酒の仕込みがはじまることも公式Facebookページで告知されている。今年も「米麹」の甘酒がふるまわれるようだ。

2種類の甘酒の見分け方

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ところで、この正月、どこかで甘酒が出されたときに、酒粕か米麹かを見分ける方法はあるのだろうか。日本糀文化協会の代表理事である大瀬由生子さんに聞いてみた。

「酒粕の甘酒は、お湯に酒粕と砂糖を加えて作るもので、米麹の甘酒は、米と麹を発酵させて作るものです。この2つの甘酒は、一見、同じように見えますが、香りの違いで見分けがつくでしょう」

果たしてどのような香りの違いがあるのだろうか。

「米麹で作った甘酒は、酒とはいうもののアルコール分を含まないため、子供でも飲むことができます。一方、酒粕にはアルコールが可食部100g当たり8.2g含まれています。酒粕を使った甘酒は、アルコールの影響もあり、多くの方は“独特の香りや味がする”とおっしゃいます。

酒粕の甘酒は、火にかけて水で酒粕をとかしている時点でアルコールは飛びますが、アルコール臭は残ります。香りが強いな、お酒の香りがするなと感じたら、酒粕の甘酒の可能性があるでしょう」

大瀬さんによれば、微妙な違いだが、甘みでも見分けることができるという。

「自分で酒粕と米麹の甘酒の両方を作ってみると、その甘みの違いはよく分かります。米麹の甘酒は、砂糖の甘みではなく、でんぷんが糖になった甘みなので、やわらかく、優しい甘みです。お米のご飯をよく噛んでいると甘みが出てきますよね。それと同じ甘さです。

酒粕の甘酒の甘さは加える砂糖の量によって変わるので、一概には言えませんが、砂糖の甘さなので、しっかりとした甘みがあります」

このでんぷんによる優しい甘みと、砂糖の甘み、ぜひ味わい分けてみよう。

酒粕VS.米麹 どっちがいいの?

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そもそも、この酒粕と甘酒はどちらが健康や美容にいいのだろうか。効果は個人差があるので一概にはいえないが、その栄養価や健康効果の違いのうち、特徴的なものを教えてもらった。

●酒粕の甘酒

酒粕とは、日本酒を作る工程で生じる、酒の搾り粕のこと。これを湯で溶いて砂糖を入れれば甘酒ができあがる。

【メリット】

・米麹の甘酒と比べて、食物繊維、ビタミン、たんぱく質の量に優れている。

・でんぷんの分解を遅くする物質による肥満防止。

・糖の吸収を抑える物質などによる糖尿病予防。

・肝機能を強化。

・ガン細胞だけを殺すナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きを活性させる物質によるガン抑制。

・コレステロールの低下。

・高血圧、脳梗塞、骨粗しょう症予防。

・冷え性改善。

・アルブチンによる美白効果。

【デメリット】

・アルコールを含むため子どもは飲用できないことも。

・砂糖を大量に入れないと甘くならないためカロリーが高い。

・独特の香りや味がする。

●米麹の甘酒

米麹とは、米に糀菌をつけて繁殖させたもの。この米麹に水を合わせ、55~60℃で4時間~6時間置いてできあがり。(外気温等によって時間は異なる。)

【メリット】

・砂糖を加えなくても甘いのでヘルシー。その甘さは想像以上。

・酒とは言うもののアルコール分を含まないため、子供でも飲むことができる。

・必須アミノ酸が全種類含まれている。

・ビタミンB群が豊富。

・腸内を活性化するオリゴ糖が含まれている。

・ブドウ糖による脳の活性化、疲労回復効果。

・コウジ酸による肌の美白効果。

・腹持ちが良いためダイエット効果。

・代謝にかかわる酵素が100種類以上。新陳代謝がよくなる。

【デメリット】

・ビタミンAとビタミンCが不足している。

(ビタミンAやCが含まれるフルーツなどを混ぜると栄養価が高まる)

こうして見てみると、2種類の甘酒は、栄養価や効果の面ではいい勝負である。ただ、香りや味、アルコールや砂糖の有無などの違いは大きいとみられる。好みが分かれるところだろう。

大瀬さんはこの2種類の違いについて、次のように語る。

「好みはありますが、どちらの甘酒も非常に栄養価が高い食品です。発酵食品は、できるだけ毎日続けて摂取することで、腸内の善玉菌を増やしてくれます。お正月だけではなく、毎日コンスタントに飲むのがおすすめです」

来年の正月、初詣や帰省先などで甘酒を出される機会があった際には、ぜひ酒粕か米麹の甘酒なのか、飲み分けてみてはいかがだろうか。

また、最近では、コンビニやスーパーなどでも簡単に手に入れられるようになった。この機会に、甘酒生活をはじめてみてもいいだろう。

(石原亜香利)

監修・取材協力

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大瀬 由生子さん

一般社団法人日本糀文化協会代表理事 料理研究家 おなかま食育プロジェクト代表。

行政・企業等で、料理講師・メニュー開発などの活動をする一方、レシピやテーブルコーディネートなどで、NHK・朝日新聞・各女性誌など出演・掲載多数。日本の食文化の礎である発酵食品の糀文化の発展・普及を目的とした協会を設立し、糀文化を現代の暮らしに取り入れやすく工夫し次世代に伝える活動をしている。

書著は、糀ことはじめ・男の弁当手帖・10歳からの料理教室など多数。

http://kouji-bunka.com

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