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石原さとみ、北川景子、上野樹里……“ハチロク世代女優”がいま注目を集めるワケ

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/10/30 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 石原さとみ、北川景子、上野樹里、杏、沢尻エリカ……近年、女優業や私生活でなにかと世間を賑わせている彼女たちは、全員1986年生まれの女優で、86(ハチロク)世代とも呼ばれている。小中学生時代にバブル崩壊、阪神淡路大震災を経験しており、インターネットや携帯電話の普及期に思春期を送りながら、高校や大学卒業時には就職氷河期を経験したことから、全般的に堅実な傾向のある世代ともいわれる。本稿では、そんな86世代女優がなぜ世間を魅了するのか、彼女たちの共通点を探っていきたい。 参考:須賀健太は“空気を変える”演技派俳優に 子役時代から最新作『バースデーカード』まで考察 ■正統派とみせかけて、そうじゃない世代  一見すると正統派に見えるが、蓋をあけると斜め上を行く性格やギャップを備えているのがハチロク世代の特徴のひとつ。一筋縄ではいかない個性的な女優が多いのだ。  沢尻エリカは、特にハチロク世代らしい特徴を備えた女優といえるかもしれない。清純派女優として華々しくデビューしたものの、一時はバッシング騒動もあって活動休止を余儀なくされたが、復帰後はバラエティ番組への露出も増え、その自由で等身大なスタイルが支持されている。また、国内外で活躍する一流モデルでありながら、連続テレビ小説『ごちそうさん』(NHK)で国民的女優入りを果たした杏も、専門家を驚愕させてしまうほどの歴史マニアとして有名だ。そのほか、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の“グルメチキンレース・ゴチになります!13”でレギュラーを務めるなど、その多彩っぷりを遺憾なく発揮している。  クールな印象が強い北川景子も、プライベートの出来事や胸の内を包み隠さず語るブログが面白いと評判だ。ファンからも「長文過ぎるけど真面目さが滲み出ていて見るたびに好感度が上がる!」と人気を博している。さらに、その文章力の高さから、雑誌“文藝春秋”に『瀬戸内まで』というエッセイを寄稿し、随筆家デビューも果たしているから驚きだ。女優としても、『HERO 第2シーズン』(フジテレビ系)のヒロイン役や『黒い樹海』(テレビ朝日系)で松本清張作品の初主演を飾る一方、『悪夢ちゃん』(日本テレビ系)や『家売るオンナ』(日本テレビ系)などのコメディ調の作品にも挑戦している。

  同世代である筆者も実感していることだが、86世代はそれまで信じられてきたライフスタイルや人生観が、バブル崩壊と同時に崩れ去った時代に育った。多感な青春時代には、学校に“ゆとり教育”が組み込まれ、「個性重視」「グローバル化、情報化の変化への対応」など、“集団”よりも“個”を尊重していく新しい波が押し寄せる。そんな移行期に成長したことが、彼女たちの柔軟な感性や心のタフネスさを育んだのかもしれない。

■漫画実写化やデフォルメされた役との相性も良い  彼女たちがデビューした2000年代以降は、幅広いジャンルの漫画実写化作品が作られるようになり、リアリティよりもエンタメ重視の作品が増えた。そのため、フィクション性の高いキャラと相性の良い役者の需要も高まっている。さらに、インターネットやスマートフォンの普及でエンターテイメント分野の多様化が進み、地上波放送のドラマでも、より刺激的なキャラクターが視聴者から求めるようになった。  上野樹里は、出世作である『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で、恋人から「変態」と罵られる野田恵役を演じ脚光を浴びる。そのハマり具合と強烈なキャラクターは、良くも悪くも“上野樹里=のだめ”という意識を視聴者に植え付けるほどのインパクトを与えた。一時期はそのイメージに苦しめられたようだが、ドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)や『アリスの棘』(TBS系)への出演で新境地を開拓し、近年は韓国映画『ビューティーインサイド』や『家族ノカタチ』(TBS系)などの作品で、再び注目を集める存在となった。  『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)で、リアルとはかけ離れた荒唐無稽な主人公を演じている石原さとみも、過去に『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)で“あざと可愛い”小悪魔女子の高橋紗絵子役、『進撃の巨人』で“怖いもの知らずの変人”と称されるハンジ役を演じるなど、ひと癖あるキャラでどの作品にも爪痕を残している。特に、『シン・ゴジラ』で演じたカヨコ・アン・パタースン役は、同作を語る上で触れずにいられない独特のキャラクターだった。決して流暢とはいえない英語で帰国子女っぽく振舞うさまは、冗談なのか本気なのかわからない、しかし微笑ましいキャラクターだった。  また、『校閲ガール・河野悦子』、『ドクターX』(テレビ朝日系)、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、『Chef~三ツ星の給食~』(フジテレビ系)など、今季ドラマクールを見ても分かるように、最近は女性が主人公の作品が増加傾向にある。美しさと強さ、さらにユーモアを兼ね備えた86年代女優が、時代が求める理想の女性像と一致していることも、彼女たちの飛躍に繋がっているのではないだろうか。  もちろん、彼女たちがこれまで演じてきた役柄のすべてが“一癖ある役”であったわけではない。10代〜20代にかけて、地道にキャリアを積み重ねたからこそ、現在の人気があるのは間違いない。今年で30歳を迎え、女優としてますます充実期にいる彼女たちが、今後どのような活躍を見せていくのか楽しみだ。(泉夏音)

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