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米M&Aを強化、リテール社員の定年撤廃へ=中田・大和証券G社長

Reuters のロゴ Reuters 2017/05/08

[東京 9日 ロイター] - 大和証券グループ本社(8601.T)の中田誠司社長・最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、企業のM&Aアドバイザリー業務を強化するため、米国でM&Aバンカーを大幅に増強する方針を示した。日本企業のM&Aニーズに対応できる体制を整える。一方、今後20年程度は60歳以上の年齢層に日本の金融資産が滞留すると考え、大和は60歳以上への営業を重点的に強化する。リテールでは営業員の定年も撤廃し、高齢で経験のある人材も活用する。

インタビューの主な内容は以下の通り。

――1月の就任会見で米国でのさらなる投資に言及した。

 「日本企業は内部留保をどう使うか迫られており、これから数年間、M&Aニーズは世界的に活況になるだろう。世界最大の経済大国、米国にM&Aのフィープール(市場規模)が一番大きくあるというのは自明の理だ。その米市場の規模に対し、(大和の)バンカー数は少ないと当然思っている。優秀なバンカーを増やして(業務を)強化するか、M&Aブティックを買収・資本参加する2つを同時並行でやっていければいい。情報収集をしている」

――セクター別にみて米国でバンカーを増やしたいところはあるか。

 「(当社は欧米で)フルラインのバンカーを持っているわけではなく、ニーズがあるセクターでその都度、採用している。個人的には、TMT(テレコム・メディア・テクノロジー)は世界でも大きく動くと思う。私の考えでは補充の対象かと思う」

――規模は。

「いま当社の欧州のバンカー数は(マネジング・ディレクターにして)米国の2倍。米国を(欧州と同じくらいに拡大しても)全くおかしくないし、欧州以上の規模でもおかしくない。ただ、ゴールドマンなど大手投資銀とは違い、あくまでも中小型案件で収益性を追求する」

──英国のEU離脱後、欧州における業務はどうなるか。

「6月か夏までには、どこにどれだけの人数で、どのような機能を置くか決めようと思う。(ロンドン以外で有望視するのは)フランクフルトだ」

――今年度からリテール部門では支店長への権限を増やすなど、営業のやり方を変えている。なぜか。

「もっと、営業員が一人一人自発的に考え、支店長がきちっと顧客に向いて、店がアクティブに仕事をする環境をつくりたいという思いがあった。フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)の徹底の方針もあり、顧客本位の業務運営とはまさにその通りだと思った」

米M&Aを強化、リテール社員の定年撤廃へ=中田・大和証券G社長 © REUTERS 米M&Aを強化、リテール社員の定年撤廃へ=中田・大和証券G社長

「(例えば)米国株相場の上昇の際に、営業員がマーケットや顧客サイドをみて営業したところ、月間の外国株式の新規口座が過去最高になった。一方で、そういうこと(新方針)を咀嚼(そしゃく)し、すぐに動けた支店長とそうでない支店長の差もすごく出た。まだ試行錯誤。1カ月やって功罪両方みえてきた」

――リテールの収益は落ちるのも覚悟のうえの改革か。

 「本当にきちっとワーク(機能)すれば、マーケット環境が悪い時の方が、この(新しい)やり方のほうが収益は上がるのではないか。環境が悪い時は悪いなりに、ニーズがどこにあるかに集中できる。私自身は今回のやり方になったからといって、収益が大きく落ち込むとは実は考えていない」

――顧客の高齢化が進んでいるが、対策は。

 「日本の人口動態をみると、65─70歳の団塊の世代が、人口数、資産ともに一番あり、10年後にはその人たちは75─80歳になる。ただ、さすがに20年後には団塊の世代から資産が移転され、日本で一番お金を持っている層は団塊ジュニアの世代になる。つまり今後20年は結局、日本の金融資産の大半の部分は60歳以上のところに滞留する」

「団塊世代とそのジュニアを一緒に囲い込む、相続トータルサービスなどの取り組みを引き続き強化していかなければならない。ネット専業証券には20代、30代の投資家の方が多いといっても、いまコストをかけてそこに大きくフォーカスする必要性は、私はないと思っている」

──そのための人材確保は。

「将来的には、日本の超高齢化に備え、高齢者専用のコンサルティング部隊を作る計画だ。下期にもパイロット店をいくつかスタートしようと、指示している」

「高齢者は、資産を『増やしたい』ニーズではなく、『守りたい』ニーズになる。営業スタンスも違ってくるし、当社社員も高齢化する。定年はリテールでは60歳だが、延長して65歳。ここまでは普通の会社と同じだが、(社内の特定の制度を活用し)70歳までも勤務可能。現在その制度を利用して神戸支店に67歳の営業員がいる。70歳の定年も無くそうと思う。一定のメディカルチェックなどを入れ、心身ともに元気でやる気があるならいつまでも働いてほしい」

*インタビューは2日に行いました。

(江本恵美)

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