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自宅サーバーからさくらのクラウドへ!mstdn.jpとの2週間をさくらの2人に聞く

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/05/01
自宅サーバーからさくらのクラウドへ!mstdn.jpとの2週間をさくらの2人に聞く © KADOKAWA CORPORATION 提供 自宅サーバーからさくらのクラウドへ!mstdn.jpとの2週間をさくらの2人に聞く

この2週間で一気に盛り上がった分散型SNS「Mastodon」。世界最大級のMastodonインスタンスを運営しているmstdn.jpは、管理人であるぬるかる(Nullkal)さんの自宅サーバーを離れ、今やさくらインターネットのクラウドサービスで運用されている。Mastodonとmstdn.jpに関わったさくらの2人に激動の2週間を振り返ってもらった。ちなみに取材日は4月26日の水曜日で、マストドン会議目前だ。(以下、敬称略) さくらインターネットの鷲北賢氏、横田真俊氏、アスキーの大谷イビサ さくらインターネットの鷲北賢氏、横田真俊氏、アスキーの大谷イビサ 学生さんが自宅サーバーでがんばっていて「それは痛快だな」と思っていた 大谷:今回はお忙しいところ、ありがとうございます。 鷲北:週末に御社のマストドン会議で登壇するので、資料を作っているところです。 ■関連記事 マストドン (Mastodon) がネットを変える可能性を、いま語らずしていつ語らう! 大谷:そうですよね。遠藤からのお誘いで登壇なさるんですよね。 鷲北:昔、アスキーの256倍シリーズ※に関わっていたことがあるので、カレーの師匠である遠藤さんには頭が上がらない。相手が遠藤さんということであれば、行くしかないです(笑)。 大谷:ITmediaの記事(世界最大の「mstdn.jp」を立ち上げた大学院生“ぬるかるさん”は一体何者か その素顔とドワンゴ入社が決まるまでの10日間に迫る)でも、ぬるかるさんが遠藤の記事を読んでmstdn.jp立ち上げたと書いてあって、アスキーの人間として「ちょっと気分いいぞ」とか思ってました(笑)。さて、まずは2人がMastodonを認知したのはいつくらいか、お話しいただけますか? 横田:私はぬるかるさんと同じく、アスキーの遠藤さんの記事。確か4月10日ですね。鷲北さんも読んでました? ■関連記事 Twitterのライバル? 実は、新しい「マストドン」(Mastodon)とは! 鷲北:僕は流行り物に食いつくのが遅いんですよ。その記事を読んだのはずいぶん後じゃないかな。うちで流行り物はやはり横田担当。横田から「こんなのが流行っている」という話を聞かされると、僕が「へえ~」って答えるというのが通例パターンです(笑)。 さくらインターネット研究所 所長 鷲北賢氏。4/28のマストドン会議登壇前にお話しを聞いた さくらインターネット研究所 所長 鷲北賢氏。4/28のマストドン会議登壇前にお話しを聞いた とはいえ、Mastodonが流行っているというのはちょっと前から知っていました。なんだか学生さんが運営しているmstdn.jpが世界最大の規模という話を聞いて、個人的には「うん、それは痛快だな」という気分でした。ただ、当時はうちに接点ができるとは思ってませんでした。 横田:社内でぬるかるさんとお知り合いだった人は、そのときはいなかったですからね。 大谷:最初、Mastodonの話を聞いたときはどんな感想でしたか? 鷲北:過去にもいろいろなサービスを見てきたので、また新しいSNSが現れたかくらいの感想です。周りが作り始めるまでは、自分でアカウントを作るつもりもなかったです。 横田:分散型のSNSって昔からあったじゃないですか。だから、記事読んだ頃はここまで流行るとは思わなかったですね。 われわれは基本的に「YES」しか返さない 大谷:さくらさんの名前が出だしたのは、4月13日、14日くらいですかね。 横田:そうですね。ぬるかるさんの自宅にあるmstdn.jpサーバーの負荷がいよいよ大きくなってきたというタイムラインはわれわれも見ていました。それに応じて、確か13日くらいから国内クラウドの事業者が声をかけ始め、Azureの方も支援を申し出たんですよね。ただ、この時点で、すでに多くの事業者が声をかけていた状態だったので、むしろうちらは遅かったくらい。本音を言うと、遅きに失したなという感じでした(笑)。 さくらインターネット エバンジェリスト 横田真俊氏 さくらインターネット エバンジェリスト 横田真俊氏 鷲北:ところが14日の朝にゲヒルンの石森さん※が、「さくらのクラウドを一時的にでもお貸しするから使ってみませんか?」とTwitterでぬるかるさんに声をかけてくれたんです。 石森さんとぬるかるさんって、実はTwitterで相互フォローしあっている知り合い同士。それでぬるかるさんが乗り気になってくれ、移行の話が進みました。あとは石森さんがマニュアルとかをぬるかるさんに渡してくれて、粛々と移行が進んだようです。 大谷:なるほど。きっかけは石森さんだったんですね。 鷲北:14日の昼くらいにはマニュアルを読んだぬるかるさんからサーバーだけではなく、アクセラレーターなどいろいろ使ってみたいという声が上がってきたみたいです。でも、そうなると石森さんのアカウントの又貸しだとなにかと都合が悪いので、ぬるかるさんのアカウントを無償化する手続きに移って、とりあえず1年間の無償提供が決まったという感じです。 大谷:さすがにスピーディですね。 鷲北:社内のSlackを見るとわかるのですが、金曜日(14日)の朝の時点ではすでに「貸しました」という事後承諾状態。石森さんからは、あとから「預かっていいでしょうか」って確認が来ました(笑)。 ただ、これは弊社としては当然の話で、われわれは基本的に「YES」しか返さない。うちに移っていただいて、「快適に使ってます」という一言をいただければ、あとは無料で使っていただいてかまわないというスタンスです。 大谷:PRしちゃいますが、さくらさんは昔からスタートアップや学生さんにやさしいですよね。 鷲北:ありがとうございます。社内的には稟議も出たのですが、もともとスタートアップや学生向けの無料支援枠があるので、僕の決裁範囲で障壁なく進みました。打診から1時間くらいで会社としてもオーソライズされた状態になりました。 横田:負荷の重たいサーバーを助けるというのは、社内のカルチャーですね。鷲北も昔はミクシィさんやグリーさんの立ち上げを手伝ってましたし。 鷲北:こういう条件があればみたいな堅苦しいことはなくて、わりと面白いねというきっかけでやってます。たとえサービスが当たらなくても、次がんばってねと言えるようなチャレンジしやすい環境を作って行きたい。「さくらだったらなんとかしてくれる」というアピールは、今後も続けていきたいですね。 いいの? 移行時のぬるかるさんのデータ削除に驚く 大谷:移行先のクラウドはどれくらいのスペックが必要だったんでしょうか? 鷲北:当時はMastodonの内部構造がよくわかっていませんでした。なんだかredisのサーバーが立ち上がったとか、Webサーバが複数あるねとか、外から見ているだけ。ただ、「24GBのデータベースを作る」とぬるかるさんがぼそっとつぶやかれたんです。そこで僕は一番大きいのしてくださいとお願いしました。 「一番大きいのしてくださいとお願いしました」(鷲北) 「一番大きいのしてくださいとお願いしました」(鷲北) 横田:224GBメモリですね。 鷲北:そうしたら、ぬるかるさんもわかりましたと即答が来ました。だから、データベースのインスタンスだけはハイエンドです。 大谷:なるほど。自宅サーバーからの移行だと、ネットワークの刷新も大きいですね。 鷲北:はい。ネットワークは大きめのプランを選択していただいています。加えて、将来大きくなることを見越して、IPアドレスも追加で割り当てていますね。その配下にサーバーがずらっと並んでいて、負荷に応じてサーバーを追加する感じ。15日の段階では5~6台でしたけど、現時点では30数台にまで膨らんでいます。スペックもさまざまで、ぬるかるさんがチョイスしていますが、詳細はわからないです。 大谷:実際の移行はどんな感じだったんですか? 鷲北:切り替えのときに「無停止でデータベース移行するやり方知らないから、サービス停止しなければならない。どうしよう」みたいなことをつぶやいたので、私は「メンテナンスとしてきちんと止めてしまうのも1つの手ですよ」と提案しました。事業者の目線としては普通なので。 大谷:とはいえ、ぬるかるさん過去のデータを消すという話で、驚きました。 鷲北:あれも突然だったんです。私の書き込みをどうとられたかわからないのですが、ぬるかるさんは移さないという決断をなさったらしく。 mstdn.jpもこの時点では確か4万以上のユーザーがいたはずで、それはぬるかるさんの資産だったと思います。少なくとも事業者の目線だとそう感じてしまうんです。ただ、ぬるかるさんは、なんというか、そこらへんさばけてらっしゃるというか、あまりこだわりがなかったみたいですね。 大谷:マストドン会議では、ここも詳しく聞けるといいですね。 鷲北:ただ、データ削除に迷っていたぬるかるさんに対して、周りの方々も「消してもいいんじゃないですか?」「それはやむをえないじゃないですか」という肯定メッセージが多かったんですよね。ちょっと前の無償サービスってデータ消したら非難ごうごうだったじゃないですか。それから考えると、時代変わったなあと思いました(笑)。 大谷:なんでしょうね。mstdn.jpに向けての、この生温かいネットのがんばって感って(笑)。学生さんががんばってサーバーを運営しているのを、みんなが応援して、データ消すっていっても「いいんだよ」と応援するこの空気感は、横から見ていても不思議な感じでした。 横田:昔のインターネットユーザーがけっこうお父さん目線なんじゃないですかね(笑)。 大谷:成長していくサービス見るのって楽しいじゃないですか。その意味では、こういうスタートって久しぶりかも。なんだか、WinnyやSoftEtherを思い出しました。 鷲北:ともあれ、金曜日の深夜から土曜日の朝には新しいmstdn.jpが立ち上がっていました。サーバーのスペックも向上したし、なにしろ回線が大容量化したはずなので、サクサク動くようになったみたいです。われわれもよかったなと思いました。 大谷:現状、mstdn.jpはリミットまで達する予兆はあるんですか? 鷲北:とりあえずは収まってますが、プログラムの問題で、CPUの負荷はかなり重いんです。ピクシブさんのパッチでだいぶ改良されたとは聞いていますが、いまもかなり重いようです。ただ、吐いているトラフィックはそれほど大きくないです。 ぬるかるさんも、この2~3日はデータベースで苦労しているようですが、データベースのサイズは6GBくらいしかないとか書いていましたね。最初は「本当かな?」と思ったのですが、画像はたぶん別のところだし、コアのDBとテキストだけだったら、確かにそれくらいで収まっているんでしょう。だから、ディスクI/Oもそんなにヘビーじゃないはずです。 WordPressくらいの手軽さを求めるとMastodonはやけどする 大谷:Mastodonに関しては、さくら側からもいろいろな情報提供をしていますよね。 鷲北:16日の日曜日にうちの田中(さくらインターネット代表取締役社長 田中邦裕氏)が書いたブログが読まれましたね。まあ、外からは「テポドンとマストドンの区別が付いてないのでは?」とか言われてましたが、田中もときにはいいこと言います(笑)。 横田:いえいえ、いつもいいこと言ってます(笑)。 鷲北:同時期に、うちの社内でもMastodonの関心が高まってきて、SlackでMastodonチャネルもできたり、技術フォローが始まりました。たとえば、VPS技術担当のプロデューサーは最速でMastodonサーバーを作るという手順書を挙げてます。 さくら社内でもMastodonチャネルが登場(提供:さくらインターネット) さくら社内でもMastodonチャネルが登場(提供:さくらインターネット) 横田:Docker使わないやつです。前佛さんはDocker使ったやつを書いてますね。 鷲北:あとはWebアクセラレーターのメンバーもAnsibleのプレイブック書きました。ちょうどぬるかるさんが「やってみたいけど、メンテで手に負えない」と話していたときだったので、それをカバーする内容です。非常に参考になったと喜んでいただけました。 18日にはさくらのクラウドでMastodon用のスタートアップスクリプトが公開されました。新規ドメインを取得し、NSだけ書き換えてもらえば、あとは全自動です。サーバー作成や、DNSとメールの設定、Let's EncryptによるSSL化までやって、Mastodonのインストールも15分くらいで完了します。Mastodonは手動だとインストールがとにかく大変なので。 大谷:そんなに大変なんですか。 横田:私は自分でインストールチャレンジしたのですが、半日かかって、結局疲れてやめました(笑)。それとは別に「自宅サーバーでMastodonサーバーを立てる」という企画があって、エンジニアと2人でやったのですが、朝10時からはじめて、動くようになったのは20時です。 大谷:うわっ。どこらへんが大変なんですか? 横田:Dockerを使うとしても、けっこうコマンドが必要。しかも通常のLAMP構成ではないので、なじみのない技術で、いろんな設定が必要になります。まあ、慣れている人であればそれほど手間かからないと思うのですが……。 鷲北:いやいや、慣れている人でも大変だと思いますよ。Mastodonそのものは正直まだ完成度が低いと言わざるを得ないんです。プログラムもかなりむき出しの状態で、たとえばメンテナンスもRuby on Reilsのコマンドをそのまま手動で打たなければならない。ドキュメントも現時点では英語だし、コンポーネントに相当詳しくないと、手が出せません。僕も怖くて、メンテができない状態です。 大谷:鷲北さんがメンテできないって(笑)。 鷲北:そう考えると、ぬるかるさんのチャレンジって本当にすごいなと思います。ボタン1つでアップデートみたいなWordPressの手軽さを期待して手を出すと、Mastodonは本当にやけどします。そういえばメールも大変でしたね。 横田:昨日の企画でもそれははまりまして、Mailgunというクラウド系のメールサービスを使おうと思ったんですけど、一瞬でリミットが来ました。全然メールが配信できなくなってしまったんです。仕方ないので、自分でpostfixでメールサーバー立ててメール送れるようにしました。 鷲北:Mastodonってユーザーアカウントの登録のところで、確認メールを送るんですけど、一通一通きまじめに返してしまうんです。だから、有名人の方がサーバー立てると、当然リクエストが集中するので、数分間で大量にメールを送ってしまう。当然、サービス側からは「おまえはスパム送ってるだろう」という話になり、リミットがかかってしまうんですよね。 横田:もちろん、事前にきちんと設定すればいいんでしょうが、サービス事業者も1~2日くらい暖気運転させるので、昨日の時点ではその方法しかなかったです。 鷲北:うーん。だからスタートアップスクリプトは出してから、失敗したかもと思っています。すぐにインストールできるのはもちろん素晴らしいのですが、メンテナンスどうしようと思っています。簡単にインストールできたとしても、アップデートのためにコマンド打ってくださいとはすごく言いづらい(笑)。実際、カスタマーサポートにお問い合わせが来たのですが、なんてお答えしようかと。 大谷:なるほど。インストールまでは容易にできるようになったけど、メンテが大変なんですね。 横田:とはいえ、立てたいという方はいっぱいいるので、きちんとスタートアップスクリプトの価値は出せていると思いますよ。 鷲北:さすがエバンジェリストは前向きですね(笑)。実際、スタートアップスクリプトはうちのDNSサービス使うので、これを数えればエントリ数がわかります。昨日までの1週間で200くらい増えていました。 現時点でのMastodonの課題はキューイング 大谷:それにしてもMastodon自体は、まだまだ謎に包まれているところも多いですよね。 鷲北:僕も大慌てでMastodon勉強しています(笑)。昨日はMastodonインスタンスを立ちあげるピクシブさんのセミナー※にも参加して、構成もだんだん理解しつつあります。 「私も大慌てでMastodon勉強しています(笑)」(鷲北) 「私も大慌てでMastodon勉強しています(笑)」(鷲北) ただ、結果としてわかったのは、やはり非常に難しいということ。以下は、セミナーの受け売りですが、まずMastodonのコアになっているのは、Ruby on Railsのエンジン部分とメッセージをキューイングしている大量のSidekiqサーバーです。ここでの潜在的な問題はMastodonのプロトコル。誰かがトゥートを投げると、律儀にも全フォロワーに対して1つずつメッセージを投げるんです。その結果、SidekiqサーバーにN+1のキューが積まれ、全部配信されるまでキューに残ります。なので、とんでもない負荷がキューにかかります。 大谷:それはちょっとヘビーですね。 鷲北:ピクシブさんは、こうした性能の問題は、自分のMastodonサーバーだけ解決すればよいのではなく、すべてのインスタンスを改善しなければならないとおっしゃっていました。そのためにどんどんパッチを送っていらっしゃるそうです。 大谷:なるほど。インフラが潤沢じゃないと厳しそうですね。 鷲北:実際、ピクシブのMastodonであるPawooは非常にリッチなサーバー環境で、多数のSidekiqサーバーが用意されています。一方のmstdn.jpのユーザーもすでに9万を超えていますし、トゥートの数も100万を超えているので、キューが増え続けています。だから、ぬるかるさんは、日夜カスタマイズとチューニングを手がけていると思います。ただ、これって単純にサーバーを増やすだけでは、解消しません。 大谷:となると、やはり課題はキューイングのところなんですね。 鷲北:そうですね。ピクシブさんのイベントではプロトコルをいじらず、キューイングの性能を上げるためにGo言語で書き直そうという提案もありましたし、プロトコル自体を見直そうという話も出ました。コミュニティの同意も必要だし、時間もかかると思いますが、どちらもいい方法。必ずや課題も解決されると思えるいいイベントでした。 インフラ事業者としてできることをやってドワンゴさんに引き渡したい 大谷:現状は事業者としてmstdn.jpでサポートしていることありますか? なかなか難しいと思うのですけど。 鷲北:クラウドサービスって、ある日数百台のサーバーが立ち上がって、その日のうちに収束するみたいな世界です。でも、事業者側からは、なにに使っているかわからないし、イチイチ追っていられない。mstdn.jpも基本は同じ。押しかけて、いじらせろというのはさくらのスタンスではないので、ただはらはらしながら見ています。 そんな中、われわれが唯一やっているのは運用面のサポートですね。CPUやメモリの監視であれば、ぬるかるさんに手間をとらせず可視化までできますし、トリガーを設定して、異常が発生したら、メールを送るとかも可能です。今はわれわれがデータセンターで使っている環境を、ぬるかるさんのところに入れさせてくださいと提案し、1週間経ってようやくそのお手伝いが始まったところですね。 大谷:インフラ事業者としてできることをやっているんですね。 鷲北:利用状態の可視化ができれば、どこが詰まっているのか把握できるので、改善する箇所がわかります。いまぬるかるさんはまさにそれを手探りでやろうとしているので、そこはお手伝いしたいなと。ぬるかるさんがドワンゴに入社する5月8日までにそれを作って、ドワンゴさんにお渡しできれば、インフラの部分でわれわれができることができたかなと思います。 MastodonブームでVPSの在庫が枯渇したのは本当か? 大谷:あと、世間的にはさくらのVPSの在庫がなくなったのは、Mastodon特需じゃないかと言われていますが……。 横田:これはVPSの責任者でもある私から説明します。VPSはもともと3月頃から需要が増えていました。需要の増す3月という時期だったのに加え、スケールアップというプランを変更できる機能を追加して、予想よりもVPSの需要が伸びたということがありました。だから、Mastodonブームで、VPSが枯渇したというわけではないんです。 「MastodonブームでVPSが枯渇したわけではないです」(横田) 「MastodonブームでVPSが枯渇したわけではないです」(横田) 大谷:3月からVPSの需要が伸び、それがたまたまMastodonに重なったというのが、さくらさんとしての見解なんですね。 横田:実際、VPSは売り切れましたしね。もちろん、Mastodon効果で伸びたという事情もありますが、Mastodonだけで伸びたわけではないです。 こう言いながら、とある講演会で私も冗談で「Mastodon効果でVPSが売り切れちゃった」と口をすべらせたら、それがツイートされてしまい……。 大谷:どう考えても横田さんが悪いパターンですね(笑)。メディアの立場からすると、それはあかんです。 横田:はい(笑)。冗談ですって必死に火消しに回りました。 鷲北:なんだかクラウドも売り切れたとか書かれて(笑)。絶賛発売中ですよって言って回りましたよ。 大谷:まあ、いろいろな憶測をしてしまう現象なんでしょうね。 大谷:こうしてお話しをお聞きすると、この2週間はがっつりMastodonだったんですね。 横田:いやあー。事実上、Mastodon担当でしたね。 Twitterのオルタナとして、WordPressのように手軽に使えたら 大谷:最後にMastodonに期待することをお願いします。 横田:私はちょっと社会的な話ですが、Twitterのオルタナティブがきちんと出てきたというのは1つの意義ですかね。Twitterが利用できなくなるかもという不安と、クラウドやVPSが出てきたので手軽にサーバーが立てられるようになったという2つが大きいと思います。 大谷:確かに別の選択肢というのが大きいと思いますよね。Twitterなり、Facebookなり、自分の意図しない進化もありますからね。 横田:その点、Mastodonって、なんか自分の友達の友達くらいが集うSNSが作れそうじゃないですか(笑)。そんな期待もあるのかなと。 鷲北:世界的に見て、日本ですごく流行っているというのも面白いですよね。ちなみに国別のランキング見ると、2位はフランスだそうです。 横田:あとはMastodonに限らず、自分でサーバーを使って立てられるサービスいっぱいあるんだよというのが、もう少し認知されてくるといいなあと思います。 鷲北:エンジニアの目線だと、やはりWordPressくらい安くて、気軽に使えるコミュニケーションが実現できる、きちんとメンテナンスされていえるプログラムに成長するといいなと思います。Mastodonって、100ユーザーくらいの小さなインスタンスがたくさん立っていることを想定している気がします。そういったインスタンスが、ワンコインでボタンを押せばすぐに使える、そういうサービスができるのが理想だと思ってます。 ■関連サイト mstdn.jp さくらのクラウド

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