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芸人が選ぶ“天才”芸人・三四郎が漫才のオチに「ピー!」を入れるワケ

サイゾー のロゴ サイゾー 2014/05/26 Cyzo
© Cyzo 提供

 いま最も勢いに乗っている若手芸人・三四郎。『ゴッドタン』(テレビ東京系)では「若手芸人が選ぶ天才芸人1位」として紹介され、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などにも出演。すぐに挙動不審になり、先輩芸人にも平気でかみつく小宮浩信の「生意気キャラ」も話題を呼んでいる。

 そんな彼らが5月28日、初めての撮り下ろしDVD『一九八三』をリリースする。独特のテンポで予測不能のボケが飛び出す彼らの漫才は、同業者の間でも評価が高い。順調に波に乗りつつあるこの状況で、彼らは自分たちの現状をどう捉えているのか?

――DVDに収録されたネタは、どういう基準で選んだんですか?

小宮浩信(以下、小宮) いろいろな漫才を見ていただきたいので、タイプの違うやつをたくさん入れました。

――DVDの中では、セリフに「ピー」音が入ってる箇所もいくつかありましたね。これだけピー音が入ってるお笑いDVDも珍しいですよね。

相田周二(以下、相田) 確かに、ピー多めですね(笑)。

――ネタの途中で「ピー」がたくさん入るというのは、ご本人たちとしてはどう思われますか?

小宮  まあ、そこで「何を言ってるのかな?」っていうのを気にしていただいて、ライブに足を運んでくれたらいいなと思いますね。

相田  「ピー多すぎだろ」っていうのがボケになってるような感じもあるので、そこを楽しんでもらいたいですね。オチなのにピーが入ってるところとか、面白いですよね(笑)。

――このDVDに収録されているネタの中で、特に好きなネタや印象に残るネタを教えていただけますか?

小宮  「桐島」とかは、あらためて見ても、笑えるか笑えないかすごく際どいラインかなと思いますね。これ、何やってるんだろう? って。やってる僕らもおかしいですけど、これで笑ってるお客さんもどうかしてると思いますね(笑)。

相田  僕は「DB」も好きなんですよね。僕らのネタってだいたい長くても6分くらいなんですけど、このネタは9分くらいやってる。アドリブみたいなところもありますし、遊びどころがいっぱいあるので、やってて楽しいですね。

――ネタは、どうやって作っているんですか?

小宮  まあ、プライベートでつらいことや嫌なことがあったりしたら、そのことを糧にして作るっていうことが多いですね。例えば「あるよ!」っていうネタはそうやって生まれました。決めつけてくる人って、たまにいるじゃないですか。そこから派生してネタになってるんです。

――じゃあ、「リア充に劇薬ぶっかけたい」というフレーズが印象的な「リア充」というネタも、リア充に対する恨みから生まれたんですか?

小宮  まあ、そのときの衝動でネタ作ってるので。今は嫌いじゃないですけどね。今は三四郎もいい具合にノッてるんで。……異論はないですよね?

相田  やかましいわ!(笑)

小宮  3年前ぐらいは本当に売れてないし、ライブでもファンもいないし、みたいな感じの状況だったから、これができたっていうのもあるんです。あと、「リア充」っていう言葉自体も嫌だなって思って。すでにある言葉みたいな、ありものみたいに言われてるのが。

相田  「リア充」のネタは、結構好きな人が多いですね。

小宮  ライブで出待ちしてくれる人の中でも、顔面蒼白でアブなそうな人が「リア充のネタ大好きです!」って言ってきたり。「私も本当に劇薬ぶっかけたいと思ってるんですよ!」って(笑)。いや、ネタだからね、って。本当にぶっかけたいとは思ってないですから。

相田  怖いなあ(笑)。

――漫才の中で小宮さんは「メンタル鬼弱だぞ」と言っていたりしますが、実際にメンタルは弱いんでしょうか?

小宮  まあ、そうですね。

――最近、バラエティ番組では小宮さんは先輩芸人にもかみついていますけど、ああいうときにも実際は緊張していたりするんでしょうか?

小宮  いや、そりゃそうですよ。毎回ビクビクしてますよ。大丈夫かな? って。

相田  先輩方は、みんな優しい人たちだからね。

――先輩にタメ口で突っかかったりするのは、どういう心理なんでしょうか?

小宮  まあ、やっちゃいけないことだというのはわかってますよ。でも、普通の感じで出ても面白くないから、逆を行ってるだけです。性格上、あまのじゃくっていうのもありますし。僕の周りにいるのも社会不適合者というか、普通のことができない人ばっかりですから。『アウト×デラックス』(フジテレビ系)のオーディションでも落ちるぐらい、「アウト」な人もいたりして。

相田  セーフだから落ちるんじゃないですよ? 『アウト×デラックス』でもアウトだから落ちるような人ですから(笑)。

――例えば、どういう人ですか?

小宮  ウエストランドの井口(浩之)とかは、間を埋めなきゃいけないっていう使命感にとらわれてて、ずっとしゃべり続けてるんです。なんであんなにしゃべれるんだろう、って思いますね。

相田  あいつはみんなが静かにしているときに、誰も何も言ってないのに、急に独り言で「まあ、そうっすよね、そりゃあそうっすよね」ってしゃべり始めるんですよ(笑)。何に対して言ってるんだ、って。沈黙に耐えきれないんでしょうね。

――小宮さんは『ゴッドタン』に出たときには、先輩芸人の皆さんに「実は童貞じゃないの?」ってイジられたりしてましたね。

小宮  僕、自分からは「童貞」って言ってませんからね。周りの人が勝手に言ってるだけで。この間も街を歩いていたら、小学生に指さされて「あっ、童貞だ」って(笑)。お前が言うなよ、って思いましたね。どんな覚え方だよ。

相田  「童貞」の意味もわからないようなやつに(笑)。

――じゃあ、童貞ではないんですね?

小宮  (キレ気味に)いや、童貞ではないでしょ。

相田  イライラしてるねえ。これはヤバいっすよ(笑)。

小宮  井口もキレてますからね、「あの人(小宮)は本当に童貞じゃないですよ! 僕のほうがモテないですよ!」って。

相田  なんで井口がキレてるんだよ(笑)。もういっそのこと、「小宮はヤリチン」って書いてもらおうか。

小宮  そうだな。「俺、本当はヤリチンだぞ」って。……余計、童貞っぽい!

相田  輪をかけて童貞っぽくなっちゃった(笑)。

――小宮さんは、街で一般の人に気付かれたりすることもあるんでしょうか?

小宮  いや、そんなにないですけど。

相田  茶髪とメガネで「あっ!」ってなって、最終的に(欠けている)歯で判別する人が多いんですよ。

小宮  普段はマスクをしてるんですけど、歩いていると一般の人が「あっ、もしかして……?」っていう感じで近寄ってきて、「マスク取ってもらっていいですか?」って言われて。それでマスクを取ったら、「あっ……応援してます」って。

相田  前歯があったら、どうなってたんだろうね(笑)。

――「生意気キャラ」扱いされることについて、ご自分ではどう思われますか?

小宮  まあ、漫才のときの芸風とそんなに離れてないので、やりやすいっていうのはありますね。やっぱり性格とか出したほうが面白いですから。

相田  それこそ「童貞」の漫才もありましたからね。「お前、童貞だろ」って言われてうろたえるっていう。

――さて、DVDの話に戻ります。DVDのタイトル「一九八三」はどういう意味なんでしょうか?

小宮  やっぱり、漫才のネタも、今までの生まれ育ってきた環境や周りの人によって形成されているので、生まれた年の「1983年」から始まったっていう意味で、そうつけました。

――DVDジャケットのデザインも、スタイリッシュで格好いい感じですね。

小宮  ウエストランドの『漫才商店街』のDVDジャケットを見て、うわっ、これはちゃんと本腰入れないとまずいな、って思ったんですよ(笑)。

相田  『漫才商店街』のジャケットには度肝を抜かれましたからね。あれには勝ちたかったです。

――最後に、お二人の今年の目標は?

小宮  漫才をがんばっていきたいので、『THE MANZAI』とか『漫才新人大賞』で結果を残したいですね。

相田  今だったらたぶん、小宮のキャラを知っている人も去年より多いから、そこは有利に働くんじゃないかと思うんですよね。

小宮  僕のキャラって、嫌いな人は嫌いなんで。

――うん。

小宮  いや、「うん」じゃないでしょ! 「そんなことないですよ」でしょ!(取材・文=お笑い評論家・ラリー遠田/撮影=名鹿祥史)

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