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英自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査 リビアで父や弟拘束

Reuters のロゴ Reuters 2017/05/25

[マンチェスター 24日 ロイター] - 22日に英マンチェスターのコンサート会場で発生した自爆攻撃について、警察は実行犯のサルマン・アベディ容疑者(22)の協力者やネットワークの洗い出しに全力を挙げており、24日には英国内やリビアで容疑者の父や弟を含む数人の容疑者を拘束した。

英治安当局は、新たな攻撃に見舞われる可能性があるとして警戒を高める一方で、捜査情報の詳細が米国メディアにリークされたことに対して怒りをあらわにしている。

以前から治安当局にその存在が知られていたという、英国生まれのアベディ容疑者は22日夜、米人気歌手アリアナ・グランデさんのコンサートが行われていたマンチェスター・アリーナで自爆攻撃を実行し、死亡。多くの子供や未成年者が来場していたコンサートの終了直後を狙ったこの犯行によって、22人が犠牲となった。

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙が公開した写真によると、使用された爆弾は複雑な構造で強力な殺傷能力があったことを示している。当局は容疑者が何者かの助けを借りて爆弾を作ったとみており、共謀者がさらなる攻撃を実行することを懸念している。

マンチェスター警察は24日、男5人と女1人の身柄を新たに拘束し、英国での拘束者はこれで7人となった。女はその後、嫌疑なしで釈放された。また英国北部と中部で数カ所の家宅捜索を行った。英インディペンデント紙は治安当局者の話として、捜索先の1つで爆発物が見つかったと報じた。

関係者によると、英捜査当局は、爆弾製造の協力者を捜索している。

「捜査対象は(アベディ容疑者個人ではなく)明らかにネットワークだ」と、マンチェスターの警察幹部は記者団に語った。「捜査は急速に進められており、いまこの最中にも、マンチェスターとその近郊で重点的な捜査活動が行われている」

アベディ容疑者は、1994年にマンチェスターで生まれ、リビア人の両親の下で育った。

リビア首都トリポリでは、地元警察が24日、アベディ容疑者の弟と父親の身柄を拘束した。

父親のラマダン・アベディ容疑者は拘束前、犯行前のアベディ容疑者に変わった様子はなかったと話していた。「(サルマン・アベディ容疑者とは)5日ぐらい前に話した。変わったことは何もなく、普通だった」と、父親は拘束直前にロイターに語った。

地元治安当局の広報担当者によると、弟のハシム・アベディ容疑者はイスラム系過激派組織「イスラム国(IS)」につながりがあったとの疑いで拘束され、トリポリで攻撃を計画していた疑いがもたれている。

英国で23日に拘束された男は、アベディ容疑者の兄との報道もある。

これに先立ち、英国のラッド内相は、アベディ容疑者は最近リビアから戻ったばかりだったと指摘。フランスのコロン内相は、アベディ容疑者はISとつながりがあり、シリアを訪問したことがあるとみられると述べた。

<捜査情報のリーク>

英国当局者は、米国からの捜査情報のリークに怒りをつのらせている。23日には、発表前にアベディ容疑者の名前がメディアに漏れ、24日には血液が付着した爆弾破片の現場写真がNYTにリークされた。

英警察幹部は、両国の治安当局間の信頼が傷つけられ、捜査に悪影響が及んでいると指摘。

ラッド内相も、米政府高官への苦情を口にした。「英国警察は、情報の流れを制御したいと明確に述べてきた。捜査の全体性を守り、(捜査対象に)手の内を知られないようにするためだ。当然、他の情報源から情報が洩れればいら立つ。われわれの(米側の)友人に、再び起きて欲しくないとはっきり伝えた」と語った。

だがその数時間後、NYTが、現場で撮影されたとされる写真を掲載。

「英当局と米当局の間のすべてのレベルで、抗議を申し入れた」と英政府筋は英紙ガーディアンに語った。

英自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査、リビアで父や弟拘束 © REUTERS 英自爆攻撃、容疑者ネットワークを捜査、リビアで父や弟拘束

メイ英首相は25日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会談が行われるブリュッセルで、トランプ米大統領と会談する。また、イタリアで開催される先進7カ国(G7)首脳会議は早めに切り上げる方針だ。

<兵士が街角警戒>

マンチェスターで死亡した22人には、8歳の少女や、複数の10代の少女たち、28歳の男性と、娘たちを迎えにきたポーランド人夫婦が含まれる。

英国は23日夜、テロ攻撃の警戒水準を最高レベルに引き上げた。これは、次なる攻撃が近く行われる可能性を意味する。

だが、英国は6月8日に総選挙を控えており、メイ首相率いる保守党と野党は、週内にも選挙運動を再開することにしている。

マンチェスターでの自爆攻撃は、ロンドンで地下鉄やバスが爆破され、52人が死亡した2005年の攻撃以降、英国で発生した最悪の武力攻撃となった。

ラッド内相は、警察が捜査やパトロールに集中できるよう、最大3800人の兵士を市街地に動員し、通常は警察が行う警備活動を代行させる可能性を指摘。第1段階として、ロンドンなどで兵士984人に動員指示が出た。英国議会や首相官邸、ロンドン警察本部などで、兵士が警備にあたっている。

バッキンガム宮殿では、観光客に人気の衛兵交代の式典がキャンセルされた。警戒レベルが最高に引き上げられたことを受け、式典に動員される警察官を、別の捜査に配置するべきとの判断だという。

捜査に詳しい関係筋はロイターに対し、爆弾の製造についてアベディ容疑者に協力者がいたかどうか、いつどこで爆弾が作られたかに着目していると述べた。NYTが掲載した写真によると、爆弾には金属片や強力な起爆装置が組み込まれてたとみられる。

英国放送協会(BBC)によれば、アベディ容疑者が単独で作ったと考えるには、爆弾の構造が複雑すぎると治安当局はみているという。

英警察は24日、南マンチェスターで男3人、北マンチェスターで女1人、そして近郊の町ウィガンと、英中部の町ヌーニートンでそれぞれ男を1人ずつ拘束した。

<ツアーを中止>

米歌手アリアナ・グランデさんは24日、状況を把握し、「亡くなった方々を敬うため」、ツアーの一時中断を決めた。グランデさんは今週、ロンドンでのコンサートを2回予定していた。

サッカーのイングランド・プレミアリーグ覇者のチェルシーは、事件を受けて、28日にロンドンで予定していた優勝パレードを中止した。

マンチェスターの警察当局は、死者22人の身元を特定し、家族に連絡を取ったとしている。司法解剖に4、5日かかるとみられており、その後、被害者の名前を公表するという。自爆攻撃により、64人が負傷し、うち20人が重傷を負った。

*見出しを修正して再送しました。

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