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象印はなぜ象がシンボル? まほうびんとロゴの変遷がわかる企画展に行ってきた

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/05/29 まめこ
© Excite Bit 提供

カップ麺やスープ、お茶やコーヒーを手軽に楽しむために欠かせないまほうびん。最近はステンレスのマイボトルに冷たい飲み物を入れて会社や学校に持参しているという人も多いのでは?

まほうびんはガラス工業が盛んだった大阪の地場産業で、現在も大阪に拠点を置く会社が多い。なかでも代表的メーカーである、象印マホービンは来年100周年!

5月17日から同社が運営する「まほうびん記念館」にて、「昔と今 国産まほうびんメーカー あれこれとマークの変遷」という企画展が開かれているので行ってきた(予約制で、土日祝と8月11日~8月16日を除き2017年12月26日まで見学可能)。

なくなってしまったメーカーの幻のまほうびんも

日本で初めてまほうびんが生産されてから100年余。最盛期は1966(昭和41)年頃で業界は活気にあふれ、多種多様なメーカーがこの分野に参入し、まほうびんを作っていたという。なんとその数、全国魔法瓶工業組合の加盟社だけでも53社!!

今回の展示の目玉は、現存するメーカーはもちろん、今はなきメーカーの幻のまほうびんも含めた現物が鑑賞できること。さらに、現在、全国魔法瓶工業協会に属している12社(象印マホービン、タイガー魔法瓶、ピーコック魔法瓶工業、THERMOSなど)のうち製造販売メーカー6社のロゴマークの変遷を、代表的な商品とともに紹介している。

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もう存在しないメーカーの商品では、左から、イーグルマホー瓶、エンゼルマホービン、キャッスル魔法瓶、クラウン魔法瓶などなど、実にバラエティ豊か(いずれも1963年頃のもの)。ロゴマークはもちろんプロダクトデザインも、いま売ってたらコレ欲しいなあ~と思うほど実にカッコいい。

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こちらは年代不明だが、おそらく戦前のものだろうか? 「君が代マホービン」なんていうブランドがあったのですね……。日の丸と菊があしらわれたラベルがなんとも衝撃的。

そしてなんと、あのシャープがまほうびんをつくっていたことがあったらしい(1963年発売)。

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社名がまだ「早川電機」だった時代の話だが、同社のまほうびん市場への参入は業界全体に衝撃を与え、大々的なコマーシャルを打たないなどの制約を受けたという(結果的に2年ほどで撤退することに)。

象印はなぜ象がシンボル?

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象印マホービンが「協和製作所」という社名だった頃の製品も展示されていた。左のシルバーのポットにも、象のロゴが入っているのがおわかりだろうか? 細密画のようなタッチで描かれた象にシビれる。ポットそのものにも重厚感があって素敵だ。

それにしても、象印はなぜに象がシンボルなの? 「まほうびん記念館」館長に聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。

「当社の創業は1918年(大正7年)ですが、当時、東南アジアの国々でまほうびんがよく使われていました。買うのはおもに現地に駐留しているヨーロッパ人で、水が合わないからまほうびんが必需品だったんですね。当社を含めた各社がまほうびんを輸出するにあたって、ひと目でわかるシンボルマークが必要だったわけです。象はタイなど東南アジアで親しまれている動物ということのほかに、強くて長生きであり、深い家族愛を持つ動物というところに製品イメージを重ねたのではないかと思われます」

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タイガー魔法瓶の、大正期と1960年までの製品現物。こちらも強いイメージがあり、東南アジアで親しまれている動物ですね!

時代とともにシンプルになっていくロゴマーク

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商標の変遷も印象的。象印だと、初期はリアル路線が続き、象が「王冠」をかぶっているのが特長だ。1953年のロゴを見ると、輸出用と国内用で微妙に違うロゴを使っているのが興味深い。王冠でもしかしたら高級感をアピールしていたのかもしれない。

高度成長期に入る1958年からの象さんは長いまつげがかわいく、なんとなくこの頃、一世を風靡していた手塚治虫っぽさを感じるのは私だけ?

70年代からは大阪万博などの影響で次第に国際化の波がきたせいか、ZOJIRUSHIと社名が横文字で入るようになるのも興味深い。

80年代からは現在のシンプル路線になるのだが、かわいさもどんどん進化している! 時代とともに少しずつマイナーチェンジされてはいるのだが、現在のロゴマークの原型は「タモリ倶楽部」でソラミミストとしても知られる、イラストレーターの安齋肇さんが手掛けたものなのだとか。

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こちらはタイガー魔法瓶の商標の変遷。現在のシンプルなロゴマークも愛らしいが、1969年頃のロゴにも捨てがたい味わいが……。

と、そんなわけで、国内外さまざまな歴史と深く結びついていた、まほうびんの昔と今。日本のきめ細かなものづくりに驚嘆しつつ、実家にこんなのあったなあ~とか、子どもの頃にこんな水筒を使ってたな~なんてノスタルジーに浸ってみるのも一興です!

(まめこ)

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