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鈴木亮平、“BL”『西郷どん』をどうモノにする? “和製デ・ニーロ”の実力を読む

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/11/08 株式会社サイゾー
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 和製ロバート・デ・ニーロ。役者・鈴木亮平について語るとき、多くの人が賞賛の意味を込めて形容する表現だ。デ・ニーロといえば、『レイジング・ブル』のボクサー役で25キロの増量を行うなどの、「デ・ニーロ・アプローチ」とも呼ばれる徹底した役作りで有名だが、そんなデ・ニーロに負けず劣らずの役作りをしているのが、鈴木亮平である。  主演を務めた2013年の『HK/変態仮面』のために15キロ増量、『花子とアン』ではそこから15キロ減量し、翌年の『TOKYO TRIBE』で再び10キロ増量したかと思えば、ドラマ『天皇の料理番』では闘病役を務めるため25キロの減量、そして少女漫画の実写映画化『俺物語!!』では、30キロの増量を果たし、撮影が終わるとふたたび減量をしている。わずか3年間の間に合計100キロ超の体重コントロールをしているのである。まさに本家デ・ニーロにも勝るとも劣らない肉体作りを行っている鈴木だが、彼が和製ロバート・デ・ニーロと呼ばれるのは、この肉体作りだけではない。  デ・ニーロをはじめ、名優と呼ばれる俳優たちは必ずその世界で“生きている”演技を魅せる。演じること、それはつまり現実ではない世界の中で“生きる”ことだ。言い換えれば、俳優が“生きる”ことでフィクショナルな世界が現実となる。デ・ニーロや鈴木が行っている狂気とも言える肉体作りは、演じる人間を知るための作業だという。  鈴木は過去のインタビューで、「食事のシーンなどは、その人物の関係性や育ちが強く出てくる部分なので気を付けてますね。家族と一緒にいるところもそう。その人のルーツですからね。(中略)一面で役を捉えてしまうのが怖いんです。優しい人を演じる時、優しい芝居で笑顔でいるだけでは本当の優しさ、人間らしさは感じられない。じゃあ、優しい人間であるその人の悪いところはどんなところなのか? ということを考えますね」(引用:シネマカフェ【インタビュー】鈴木亮平<前編> 狂気のマッチョから朝ドラまで華麗に演じ分ける男の流儀)と語っている。画面に映ることのない「なにもない日常」を意識することができるからこそ、どんな突飛な設定の役を演じても、鈴木亮平ではなく、その人物として“生きる”ことができるのだろう。  そんな鈴木は高倉健、田宮二郎といった昭和の「銀幕スター」たちが持っていたオーラとも通ずるものがあると思うのは筆者だけだろうか。本格的にブレイクする前の映画初主演作『ふたたび swing me again』の姿が印象的だったのだが、彼は画面内に登場する時、何も語らずともその存在感だけで場を支配していた。いわゆる王子様キャラやキラキラした美男子キャラではない、「銀幕スター」たちが持っていた男も惚れる格好良さ。それが鈴木亮平にはあるのである。  江戸、明治、大正、昭和、現代、そして漫画の実写化世界など、いくつもの世界で鈴木は生きてきた。そして、一流の役者の象徴とも言える大河ドラマの主役に鈴木は抜擢された。演じる役は西郷隆盛。歴史上の傑物をどれだけ鈴木色に染め上げ、独自の西郷像を作り上げるのか、大いに期待したい。「西郷どん」原作者の林真理子、脚本を務める中園ミホから“BL”大河をほのめかす発言も出たそうだが、これまでも男が惚れる“漢”を演じてきた鈴木なら、その期待にも十分に応えることができるだろう。 (文=石井達也)

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