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銭湯の入り口に60年 「牛乳石鹸」のれんは地域によって形が違う

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2016/12/07 のなかなおみ

© Excite Bit 提供

気温がぐっと下がりすっかり冬めいてきた。

こんな季節、見かけるとほっとするのが銭湯の看板と、入口にかけられた「のれん」だ。

見るだけであったかい気持ちになれる、のれんマジック。そんな銭湯用のれんを昔から作り続けているのが、牛のマークでお馴染みの牛乳石鹸さんなのである。

銭湯用の販促品だった牛乳石鹸のれん

大阪に本社を置く牛乳石鹸さんは、昭和初期から牛乳石鹸の製造をスタート。

そのころの日本といえば、まだ内風呂の普及率が低く、多くの人が町の銭湯を利用していた。そこで、人々が集まる銭湯の入り口に、牛乳石鹸の社名を刻んだのれんを掛けてもらえば広告になるのではと、昭和30年頃からのれん製作を始めた。

江戸時代、商売人はのれんに屋号を染め上げて、今でいう看板代わりにしていたという。日本人にとって、昔から人々の社交場だった銭湯。そこに自社名を刻んだのれんを掛けることによる宣伝効果は絶大だったそうだ。

銭湯が牛乳石鹸を一定数購入すれば、販促品として一本一本手作りの本染めされた本格的なのれんをプレゼントする……そんな企画は大変受けて、全国の銭湯に牛乳石鹸の文字を刻んだのれんが掛けられることとなった。

以前は夏と冬の年2回製作だったところが年1回となったものの、約60年変わらず「牛乳石鹸のれん」を全国に届けている。

初期は「ゆ」の一文字を大きくとったデザインで、色も2~3色程度のシンプルなものだった。今では太陽の光にも負けないインクや、色落ちしにくいインクで多色刷りを多用し、より華やかに、より色鮮やかに。さらに柄にも時勢ネタを取り入れるなど、のれんは進化を続けている。

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地域によって異なるのれんの形

また、作られるのれんの形はひとつではない。北海道型、東京型、大阪型、京都型や、小型のカウンター型と、5種類のサイズを製作。

のれんとひとくちに言っても実は地域によって形が異なるのである。

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大阪型は横210センチ、縦125センチ。どこよりも大きく、長く垂れ下がったタイプ。これは夏に蒸し暑い大阪で、日除けや目隠しカーテン代わりになるように、と広がったものらしい。

北海道型は大阪型の半分の大きさ。

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京都型やカウンター型は「男湯」「女湯」に分かれた真ん中に切れ目があるもの。

そして東京型は丈がもっとも短く、横に長いタイプ。この東京型は「手でさっと跳ね上げてお風呂に入る」という江戸っ子特有のポージングを生かせる形となっている。

昔はどこにでもあった銭湯も、今では少しずつその姿を消している。昔のように社交場としての役目も薄れつつあるが、それでも町の銭湯は多くの人を癒してくれる。

その銭湯の顔でもある入り口の、のれん。ひどく冷える日は、そんなのれんをくぐって銭湯へどうぞ。その際は、ちょっとその柄にも注目してみて。

(のなかなおみ)

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