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関ジャニ∞横山裕、関西のチンピラ役で新境地 素を活かした『破門』の演技を読む

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/13 株式会社サイゾー

 作家・黒川博行の直木賞受賞作品『破門』を原作にした映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』が、1月28日に公開された。公開後の滑り出しは好調で、2月2日には大ヒット御礼イベントも開催。個性的かつ実力があるキャストが集まっており、中でもやくざの桑原保彦を演じる実力派俳優・佐々木蔵之介への評価は高い。やくざ役を演じるのは初めての佐々木だが、血の気が多くアツいやくざ・桑原という役はかなりのはまり役だったと言えよう。しかし、W主演の相方を演じた関ジャニ∞の横山裕もまた、注目に価する演技を見せている。 参考:関ジャニ∞横山裕が“セクシー俳優”になった理由ーージャニーズの魅力引き出す波留の手練手管  横山が演じたのは、桑原と行動を共にする二宮啓之。元やくざの父親のつながりで、建設会社にやくざを紹介する“サバキ”を生業とする建設コンサルタントとして収入を得ている。この仕事を通じて桑原と知り合い、トラブルに巻き込まれていくのだが、いかんせん二宮は面倒事が大嫌い。弁は立つが、根っからのぐーたら貧乏のダメ男である。  「みんなのまとめ役でありつつもいじられキャラ」という関ジャニ∞での横山とは似ても似つかない役柄だが、違和感なく二宮という役を見ることができた。たとえば、嫌々感を全面に押し出しつつも桑原についていく姿や、事務所でぐーたらしている様子、詐欺にあってしまったがどこか他人事な表情を浮かべるシーン。そして、他人に無関心な二宮が最終的には桑原を助けに行くという行動を取るまでに成長した流れなどは、実に自然であった。「こういう温度感の低い若者、いるよね」と妙に納得してしまうほどだ。  この自然さはもちろん横山の演技力あってこそなのだが、二宮というキャラクター設定もうまくはまったのではないだろうか。まず、登場人物全員が関西弁を使うこと。同作の舞台は大阪で、出演している俳優は関西出身者ばかり。普段から関西弁を駆使している横山は、この環境だからこそ素の演技が出来たのだろう。桑原や詐欺師・小清水(橋爪功)、いとこの渡辺悠紀(北川景子)との会話のテンポも心地良かった。実際、主演の横山と佐々木はインタビューでこのように答えている。 「関西人でよかったなと感じました。原作を読ませていただいたときは桑原と二宮のポンポン言い合う会話劇の面白さに引きこまれて。(横山)」、「まず関西弁が使えるっていう機会がそうそうないので、ネイティブスピーカーとしてはうれしくて。(佐々木)」(引用:「破門 ふたりのヤクビョーガミ」佐々木蔵之介×横山裕インタビュー (1/3) - 映画ナタリー Power Push)  セリフの内容もまた、横山に向いていた点として挙げられる。二宮は桑原を“疫病神”と揶揄しており、行動を共にすることを快く思っていない。しかし、桑原のイケイケやくざっぷりに屈して、結局共に行動することになる。とはいえ、心の中ではどこか親しみを感じているのか、敬語で話しつつも相手をあしらうような台詞が多い。その様子は、かつて『きらきらアフロTM』(テレビ東京系)で見せた鶴瓶との関係性を彷彿させる。  さらに、暴走する桑原を抑止する役割だったため、自ずとツッコミのセリフも目立った。これは、関ジャニ∞の中での横山に通じる部分がある。コンサートMCなどを見ると、暴走する丸山隆平や渋谷すばるを横山がたしなめることも少なくない。そういう意味でも、二宮啓之という役は横山が肩肘張らずに演じられる役柄だったといえよう。  『ザ・クイズショウ』(日本テレビ系)の本間俊雄や、『左目探偵EYE』(日本テレビ系)の田中夢人など、狂気をはらんだ役に定評があった横山。その分、一般的な役柄にはシビアな評価がくだっていた。しかし、この二宮役で横山は実力を発揮できたように感じる。バラエティのイメージが強い横山だが、まだまだ役者としてのポテンシャルもありそうだ。 (文=高橋梓)

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