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防水スリムボディか、キーボード着脱式か――富士通初のWindows 8タブレット2台を眺める

2014/09/19

Windows 8の採用に合わせて富士通がタブレット2機種を投入

 既報の通り、富士通は10月19日に個人向けPC/タブレットの2012年秋冬モデルを発表した。

 今シーズンの新機種で最も大きなトピックは、Windows 8搭載モデルが初めて登場することだ。Windows 8では既存のデスクトップUIに加えて、タッチ操作向きのUIを新た採用しているため、各社ともタブレットの新機種に力を入れている。

 もちろん富士通も例外ではなく、Windows 8タブレットとして「ARROWS Tab Wi-Fi QH55/J」と「FMV STYLISTIC QH77/J」の2モデルを投入してきた。今回は発売に先駆けて、まったく異なるコンセプトで作られたこれら2モデルの外観を見ていこう。

 なお、撮影した試作機は一部の仕様が製品版と異なっているので、ご注意いただきたい。実際の性能や操作性などの評価は製品版で後日行う予定だ。

左が10.1型ワイド液晶、Atom、32ビット版Windows 8を搭載した「ARROWS Tab Wi-Fi QH55/J」、右が11.6型ワイド液晶、Core i5、64ビット版Windows 8を備えた「FMV STYLISTIC QH77/J」だ

※今回撮影したFMV STYLISTIC QH77/Jの試作機は、天面の注記が入っているが、実際の製品では省かれる。また、画面下のWindowsマークはWindows 8仕様になる

防水仕様のWindows 8タブレットで最薄となる「QH55/J」

 「ARROWS Tab Wi-Fi QH55/J」は、32ビット版Windows 8を搭載した10.1型タブレットだ。

 最大の特徴は、防水(IPX5/7/8)と防じん(IP5X相当)に対応したボディで厚さ9.9ミリを実現しており、「世界最薄のWindows 8搭載防水タブレット」をうたっていること(2012年10月19日、同社調べ)。風呂やキッチンなど水まわりでの利用、外出先での雨の中での操作など、本体をぬらすことを気にせず扱える。

 本体サイズは264.4(幅)×169.4(奥行き)×9.9(高さ)ミリ、重量は約574グラムと、防水仕様で10型クラスのタブレットにしては薄くて軽い。

正面からのデザインはシンプルにまとまっている(写真=左)。Windows 8では横位置での表示がスタンダードになっており、横位置の状態での下部にスタート画面に戻るWindowsボタンが用意されている。背面はマット調の仕上げで、よく見ると細かい横長のブロックを重ねたようなデザインパターンと、ARROWS Tabのロゴが施されている(写真=右)。有効画素数約200万画素のフロントカメラと有効画素数800万画素のリアカメラも内蔵する


1366×768ドット表示の10.1型ワイド液晶を採用。解像度は標準的だが、画質や指の滑りに配慮した仕上げになっている

 10.1型ワイド液晶ディスプレイは、マルチタッチに対応した静電容量式のタッチパネルを装備している。画面解像度は1366×768ドットと標準的だ。液晶パネルはIPS方式で視野角を広げつつ、液晶パネルとタッチパネルの間の空気層をなくして密着させることにより、外光の乱反射を抑えて色鮮やかな表示を実現する「Super Clear Panel」を採用した。

 この構造では画面表示がディスプレイ表面に近くなるため、タッチの操作感も改善される。加えて「スーパーグライドコーティング」という特殊表面処理を施すことで、指の滑りをよくしている。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0を標準搭載。本体には、USB 2.0(micro-AB)、microSDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力、有効画素数約200万画素のフロントカメラ、有効画素数800万画素のリアカメラ、ステレオスピーカー、マイクを備える。防水・防じん仕様なので、コネクタにはキャップが付けられている。センサー類としては、GPS、加速度、地磁気、照度、ジャイロも内蔵する。

上面と下面はメタリックブルーで着色され、デザインのアクセントになっている。上面にはヘッドフォン出力を搭載(写真=左)。下面にはストラップホールとクレードル用コネクタが並ぶ(写真=右)


左側面はカバーの下に、microSDメモリーカードスロット、USB(micro-AB)コネクタを搭載(写真=左)。右側面には回転ロック、音量調整、電源の各ボタンが並ぶ(写真=右)


本体のUSB(micro-AB)を通常のUSB 2.0(A)に変換するケーブルも付属する

 バッテリーはリチウムポリマー(29ワットアワー)を内蔵し、公称の駆動時間は動画再生で約10.5時間、充電時間は約5.5時間だ。製品には充電用クレードルとUSB 2.0変換ケーブルが付属する。

 基本スペックは、CPUに2コア/4スレッド対応のAtom Z2760(1.5GHz/最大1.8GHz/2次キャッシュ512Kバイト)を採用する。Clover Trailの開発コード名で知られる新世代のAtomで、Windows 8タブレット向けのSoC(System On a Chip)だ。

 CPUコアは2コア/4スレッドに対応し、Intel Burst Performance Technologyをサポートすることで、処理負荷に合わせて動作クロックを自動で引き上げることができる。SoC全体でTDP(熱設計電力)は1.7ワットと低く、これがAndroidタブレットと見まがうほどの薄型軽量ボディに貢献している。

 メモリは2Gバイト(オンボード/LPDDR2 SDRAM PC2-8500)、ストレージは64GバイトSSD、グラフィックスはCPUに統合されたIntel Graphics Media Acceleratorだ。

充電は付属のクレードルに本体をセットして行う。クレードルをスタンド代わりにして利用することも可能だ


 CPUにAtomを採用していることからも分かるが、プリインストールOSはARM用のWindows RTではなく、32ビット版のWindows 8を採用している。そのため、標準搭載のオフィススイートであるOffice Home and Business 2010など、既存のデスクトップUI向けアプリが利用可能だ。

 AndroidタブレットやiPadと異なり、Windows 8ではマルチアカウントに標準対応しているため、家庭内の複数ユーザーがそれぞれ設定した環境で使い分けることもできる。見た目は既存のAndroidタブレットとほとんど変わらないが、こうした使い勝手の面では既存のWindows PCの特徴を受け継ぎながら、Windows 8で追加されたタッチUIも併用できるという"いいとこ取り"を狙ったタブレットとなっている。

 一方、製品にキーボードやマウスは付属しないため、標準仕様ではソフトウェアキーボードとタッチパネルでデスクトップUI用アプリも扱うことになる。デスクトップUIよりタッチUIでの操作に重きを置いた製品構成だ。机上で付属のクレードルにセットして使う場合には、Bluetooth接続などのマウスやキーボードを別途用意して接続すると、デスクトップUIでのアプリが使いやすいだろう。

 発売日は2012年11月2日の予定、実売価格は10万円前後だ。なお、同社直販のWEB MARTで取り扱うカスタムメイドモデル「ARROWS Tab Wi-Fi WQ1/J」では、4基のUSBとHDMI出力を備えたクレードル、USB外付けDVDスーパーマルチドライブ、Office Home and Business 2010の有無が選べる。

2WayスタイルのパワフルなWindows 8タブレット「QH77/J」

 「FMV STYLISTIC QH77/J」は、キーボード着脱式のパワフルなWindows 8タブレットだ。付属のキーボード・ドッキングステーションを外したり、取り付けたりすることで、タブレットとノートPC両方の使い方ができる"2Wayスタイル"を採用している。画面サイズは11.6型ワイドと、先に紹介したARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jより一回り大きい。

タブレット単体では先に紹介したARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jより画面サイズが一回り大きく、第3世代Core iをベースとした基本スペックに豊富な端子類を備えることから、本体の厚さは12.7ミリ、重さは約850グラムある(写真=左)。着脱式のキーボード・ドッキングステーションを標準添付しているのが最大の特徴だ(写真=右)。キーボード奥の本体接続コネクタ付近にあるレバーを操作することで、タブレット本体を着脱できる


キーボード・ドッキングステーションを接続すると、タブレット本体がノートPCの液晶ディスプレイのような格好になり、一般的なクラムシェル型ノートPCのスタイルで利用できる(写真=左)。もちろん、非使用時に液晶ディスプレイを閉じて、ノートPCのスタイルのまま持ち運ぶことも可能だ。タブレット本体の裏面もノートPCの天面として違和感がないデザインとなっている(写真=右)。裏面には指紋センサーと有効画素数500万画素のカメラを備える


 タブレット本体は、CPUにAtomを採用したARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jと異なり、全体にハイスペック寄りの構成となっている。富士通が先に開発を表明した法人向けタブレットPC「STYLISTIC Q702/F」を家庭向けに展開するモデルなので、ビジネスで実用的に使える性能や機能を備えているのだ。

 CPUはTDPが17ワットのCore i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz)、チップセットはIntel QM77 Express、メモリは4Gバイト(オンボード/PC3-12800)、ストレージは64GバイトSSD、グラフィックスはCPU統合のIntel HD Graphics 4000、ディスプレイは1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶(ノングレア/IPS方式)と、基本仕様は各社のUltrabook主力モデルに近い。静電容量式のタッチパネルは指でのマルチタッチ操作と、付属の電磁誘導式スタイラスペンによる入力に対応している。

 プリインストールOSも32ビット版Windows 8を導入したARROWS Tab Wi-Fi QH55/Jとは違い、64ビット版のWindows 8を採用するため、4Gバイトのメモリがフルに使える。

液晶ディスプレイは11.6型ワイドと、タブレットにしては大きめの画面サイズだが、解像度は1366×768ドットと標準的だ(写真=左)。液晶ディスプレイは指でのマルチタッチに加えて、スタイラスペンによる入力もサポートしている(写真=右)。スタイラスペンは単6形電池1本で駆動し、キーボード・ドッキングステーションの右側面にあるスロットに収納できる仕組みだ


 タブレット本体の通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0を標準搭載。USB 3.0をはじめ、USB 2.0、HDMI出力、SDXC対応のSDメモリーカードスロット、音声入出力、有効画素数92万画素のフロントカメラと有効画素数500万画素のリアカメラ、指紋センサー、ステレオスピーカー、マイクを備えており、タブレット単体でさまざまな機器に接続可能だ。

 その半面、ボディはタブレットとして大振りになっている。本体のサイズは302(幅)×195(奥行き)×12.7(高さ)ミリ、重量は約850グラムだ。Ultrabookに使われるTDP 17ワットのCPUを用いているため、Atom搭載機のような薄型軽量ボディとはいかない。

 さらにキーボード・ドッキングステーションを接続すると、本体サイズは302(幅)×203(奥行き)×26.1(高さ)ミリ、重量は約1.7キロとなる。本体もキーボード側も法人向けを意識して開発されただけあって、全体にガッチリとした作りだ。

 キーボード・ドッキングステーションを接続した場合は、クラムシェル型ノートPCのように液晶ディスプレイ(タブレット本体)を開閉でき、使い勝手は慣れ親しんだノートPCと同様になる。

 キーボードはキーピッチ約17ミリ、キーストローク約1.7ミリのアイソレーションキーボードを採用し、2ボタン式のタッチパッドも搭載。キーボード・ドッキングステーションには1000BASE-Tの有線LAN、2基のUSB 2.0、アナログRGB出力も装備しており、タブレット本体と合わせてインタフェースは充実している。

 オフィススイートのOffice Home and Business 2010も付属し、キーボード・ドッキングステーション接続時は既存のノートPCと同じ感覚でオフィス文書の作成が可能だ。それに加えてペンでの手書き入力も利用できるのは見逃せない。

キーボード・ドッキングステーションには、日本語配列のアイソレーションキーボードと2ボタン式のシンプルなタッチパッドが備わっており、装着時は既存のモバイルノートPCと同じような感覚で文字入力やマウスカーソルの操作が行える(写真=左)。タブレット本体を装着すると、ヒンジ部がスタンド代わりとなってキーボード・ドッキングステーションの後方が持ち上がり、キーボード面に自然な傾斜が生まれる(写真=右)。約850グラムのタブレットを支えるため、ヒンジは大きめでしっかり作られている


キーボード・ドッキングステーション装着時の前面(写真=左)と背面(写真=右)。前面と背面にインタフェース類は見当たらない。この状態で厚さは26.1ミリとドッシリした印象だ


キーボード・ドッキングステーション装着時の左側面(写真=左)と右側面(写真=右)。タブレット本体の左側面にはUSB 3.0、SDXC対応のSDメモリーカードスロット、ACアダプタ接続用のDC入力、排気口を配置。タブレット本体の右側面にはUSB 2.0、HDMI出力、音声入出力、ワイヤレス通信のスイッチ、電源ボタン、音量調整ボタン、回転ロックボタン、ペンひも取り付け穴を備える。さらにキーボード・ドッキングステーションの左側面にUSB 2.0、アナログRGB出力、DC入力を、右側面にUSB 2.0、有線LAN、スタイラスペンのホルダーと取り出しスイッチを用意する


 バッテリーは本体に34ワットアワー、キーボード・ドッキングステーションに45ワットアワーのリチウムポリマーを搭載する。公称のバッテリー駆動時間はタブレット単体で約4.8時間、キーボード接続時で約10.7時間だ。タブレットとキーボード・ドッキングステーションを接続すると、キーボード側から本体側へバッテリー充電が行える機能も持つ(ACアダプタ接続時は充電されない)。

キーボード・ドッキングステーションの底面には、本体より大きな45ワットアワーのリチウムポリマーバッテリーを搭載する(写真=左)。本体側の内蔵バッテリーは着脱できない。本体付属のACアダプタはスティック型だ。ACアダプタはキーボード・ドッキングステーション側にも接続できる。キーボード・ドッキングステーションを装着した状態で持ち運べば、2つのバッテリーにより公称約10.7時間のバッテリー駆動が行える(写真=右)


 一般にキーボード着脱式のタブレットでは、ノートPCのスタイルで液晶ディスプレイ側が重くなってしまうため、キーボード側にバッテリーを内蔵して重量バランスを取るといった工夫がよく見られるが、FMV STYLISTIC QH77/Jもその例に漏れず、キーボード・ドッキングステーション接続時は厚くて重くなる半面、長時間のバッテリー駆動を可能にしている。こちらはタブレット単体でのコンテンツ閲覧用途より、ノートPCとしての作業効率に重きを置いた製品構成だ。

 発売日は2012年10月26日の予定、実売価格は16万円強となっている。なお、同社直販のWEB MARTで取り扱うカスタムメイドモデル「FMV STYLISTIC WQ2/J」では、CPU(Core i5-3427U/Core i3-3217U)、SSD容量(256G/128G/64Gバイト)、キーボード・ドッキングステーションの有無、USB外付けDVDスーパーマルチドライブの有無、Office Home and Business 2010の有無が選択できる。より大容量のSSDやタブレット単体での購入を希望する場合は、こちらをチェックしていただきたい。


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