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須賀健太は“空気を変える”演技派俳優に 子役時代から最新作『バースデーカード』まで考察

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/10/22 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 余命いくばくかを宣告をされた母が、子供たちが20歳になる誕生日までメッセージカードを贈り、天国から成長を見守るという感動的な物語が綴られた映画『バースデーカード』。非常に情緒あるしっとりとした物語の中で、作品に太陽のような光を照らし、明るい雰囲気をもたらす弟・正男を演じているのが俳優・須賀健太だ。5歳から俳優活動を開始した彼も今年21歳。近年では、ヒール役やサイコパスを演じるなど、非常にレンジの広い活躍を見せている須賀の魅力に迫る。  須賀は、1999年に5歳でデビューすると、2002年放送の香取慎吾主演のドラマ『人にやさしく』での愛らしい笑顔で話題を集めた。その後も、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズで見せた素朴な少年役など、子役として確固たる地位を築き、さまざまな映画やドラマで活躍をみせる。  子役のころから活躍する俳優にとって、最も難敵となってくるのが、幼少期のイメージだ。そのインパクトが強ければ強いほど、視聴者は過去のイメージに引っ張られる。特に須賀のような愛らしく人懐っこい印象が強い子役は、なかなかそのイメージを払しょくするのは難しい。自身もパブリックイメージは自覚しているようで「引き出しを増やす」ことを望んでいると語っていた。  そんな中、2013年ごろから、ビジュアル的な面を含め、作品で演じるキャラクターにも変化が見られた。昼ドラ『明日の光をつかめ −2013 夏−』では金髪の不良役を演じると、2014年公開の『スイートプールサイド』では、体毛が薄いことがコンプレックスで、毛深い女の子の毛を剃ることによって、理性のたかが外れて異常フェチズムへ驀進してしまう高校生を好演している。  さらに今年、「絶対に読んではいけない漫画」という触れ込みが話題になった小幡文生の原作を実写映画化した『シマウマ』では、快楽殺人鬼である“アカ”を演じて周囲を驚かせた。須賀扮する“アカ”は「死なない程度に全身を焼いてあげる」と笑顔でつぶやくような不気味で拷問が大好きなサイコパス。イメージが変わりつつあった須賀だったが、原作ファンの間で、アカ=須賀をイメージした人は少なかったのではないか。しかも、ただのキレキャラではなく、緩急自在な表情で、物語の最後まで視聴者に不気味さと不安を与えた。  その後も、映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』では、残忍で狂気的な中国人留学生・周を演じ、視聴者が須賀に抱いてた、笑顔が可愛く、どこか頼りなさげで守ってあげたくなるような子役の時のイメージを頭の隅に追いやった。自身も『シマウマ』のインタビュー時に「新しいことにチャレンジすることを欲していた時期」と語っていたように、役柄の幅を広げたいという思いがあったようだ。  そして『バースデーカード』では、前述したように“陽”を一手に引き受けるお調子者キャラでありながら、時にはしんみりと、時には感情的に物語に光を当て続けた。“大切な人の死”をテーマにしつつも、前向きに物事を捉えようと必死に頑張る登場人物たちのなか、彼の存在が良い意味での不協和音を響かせる。俳優を評するときに、“空気を変えられる”という表現が使われることがあるが『バースデーカード』の須賀の演技を見た時、そんな言葉が頭をよぎった。彼の登場するシーンは、スパッと作品の空気感やテンポが切り替わり物語が躍動する。  「役者としてもっともっと頑張っていかないと」と語っていた須賀だが、ここ数年の演じてきた役柄の幅は目を見張るものがある。果たして次はどんな役柄に挑むのだろうかーー自然とそんなことを考えてしまう若手実力派俳優だ。(磯部正和)

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