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香港の国民食『出前一丁』はなぜ日本では味のバリエーションが少ないのか

エキサイト Bit のロゴ エキサイト Bit 2017/10/02 11:35 田幸和歌子

© Excite Bit 提供

昔からおなじみの「出前一丁」。

日本では定番の地位を得ているが、香港では“国民食”と呼べるほどの人気で、市場で高いシェアを誇っていること、豊富な味のバリエーションがあることが知られている。

「出前一丁」のキャラクター「出前坊や」も香港ではチンチャイ君(清仔)と呼ばれて親しまれているそうだ。

実際に香港に行ってみると、スーパーの棚に日本では見たこともないような、たくさんの種類の「出前一丁」がズラリと並んでいる。飲食店でも「出前一丁」という商品名のまま、他の麺より少し高めの金額で提供されていて、炒めた肉がのっているものなど、トッピングも豊富だ。

日本発祥なのに、香港で驚くほどの充実ぶり。ちょっとズルいじゃないか。なぜ香港では多くの味が作られるようになったのか、日清食品ホールディングスに聞いてみた。

「チキンラーメン」ではなく「出前一丁」が香港で受け入れられた理由

「『出前一丁』が日本で発売されたのは1968年。香港でも、ほぼ同時期に日本からの輸入販売がスタートしました。香港市場に受け入れられて販売が順調に伸びたため、1984年に香港日清を設立し、その翌年から現地生産、現地販売を開始しました」(広報担当者)

では、なぜ同じ日清食品の袋麺の中でも、「チキンラーメン」ではなく、「出前一丁」が香港で受け入れられていったのか。

「68年の市場参入当時、日本では『チキンラーメン』が品薄状態で、『出前一丁』には輸出できる余地が十分にあったことが理由の1つです。また、ごまラー油は、香港の家庭でも一般的に利用されている素材だったので、香港の人に受け入れられる素地があったこと影響しています」

市場参入当時、マーケットをリードしていたのは、永南食品(現在、日清食品グループ傘下)が販売する“お湯かけめん”タイプの「公仔麺」だったそう。

そこで、後発の「出前一丁」は、“鍋で煮る麺”で、もちもちした食感と歯ごたえを訴求して対抗したところ、マーケットで高評価を得ることができた。

また、仕上げに振りかけるごまラー油で、風味の良さと高級感をアピールしたことも、人気につながったという。

「さらに80年代には、香港の経済成長とともに日本ブームが起き、日本製品や文化など、日本ブランドに対する好感度や信頼感が高まりました」

90年代以降は、香港独自商品の開発に力を入れ、現在展開する商品群は、一部を除き、そのほとんどが現地の味覚に合わせて開発した商品だという。

「食品の場合、ブランドに対する信頼感が非常に重要です。また、昔から慣れ親しんでいるという安心感も加わりますので、他のブランドを新たに立ち上げるのではなく、『出前一丁』というブランドの中で多数のバリエーションを展開しています」

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なぜ日本では「出前一丁」のバリエーションが少ない?

現在香港で販売しているのは16種で、ラインアップは以下の通り。

≪伝統の味シリーズ≫

麻油:ごまラー油味

鶏蓉味:チキン味

五香牛肉:ウーシャン牛肉味

海鮮:シーフード味

沙●:サテイ味

紅焼牛肉:ベニヤキ牛肉味

≪とんこつシリーズ≫

黒蒜油とんこつ:黒マーユとんこつ味

九州とんこつ:とんこつ味

東京醤油とんこつ:醤油とんこつ味

北海道みそとんこつ:味噌とんこつ味

≪スパイシーシリーズ≫

辛辣XO醤海鮮:XO醤海鮮味

辛辣麻油味:スパイシーマーユ味

微辛カレー:ピリ辛カレー味

火辣海鮮:スパイシーシーフード味

極辛とんこつ:ピリ辛とんこつ味

≪韓国風シリーズ≫

韓国風ピリ辛味

なかでも1番人気は、日本でもおなじみの「麻油(ごまラー油味)」。2番目は「黒麻油豚骨」、3番目は「九州豚骨」だそう。

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とんこつなど、日本人ににウケそうな味がいろいろあるのに、なぜ日本でもっと『出前一丁』のバリエーションを販売してくれないのかと聞くと……。

「日本と香港とのマーケティング戦略の違いによるものです。日本の場合、『出前一丁』は数あるブランドの1つという位置づけです。例えば、元祖鶏ガラスープの『チキンラーメン』や、フライパンで作る『日清焼そば』、本格的な味わいの『日清ラ王』など、ブランドごとに商品コンセプトを変えていますので、それぞれで多様な味のバリエーションをお楽しみいただけます」

とはいえ、期間限定などで海外の味のカップヌードルが販売されることもあるし、香港オリジナルの「出前一丁」がいつか日本で食べられる可能性もゼロではないのかも!?

(田幸和歌子)

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