古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

37道県に拡大 高騰不安、冷静な対応求め

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2014/05/09 毎日新聞
Photo: 豚流行性下痢の感染拡大を防ぐため消毒液を道路に散布する車両 © 毎日新聞 豚流行性下痢の感染拡大を防ぐため消毒液を道路に散布する車両

 「豚流行性下痢(PED)」の感染拡大が止まらない。昨年10月に国内で7年ぶりに発生が確認されて以来、9日夕までに全国37道県で発生し、12万頭が死んだ。農林水産省は同日、豚肉の流通量が減り値上がりするとの不安が市場関係者などに広がっているため、豚肉出荷へのPEDの影響を試算して公表。「減少幅は例年の出荷変動の範囲内にとどまる見込み」とし、冷静な対応を求めている。

 農水省によると、今回のPEDは昨年10月に沖縄県で最初に確認され、年明けにかけ九州で広がった。2月にいったん沈静化したが、3月以降は東海や関東、東北にも拡大し、4月には北海道まで北上。9日までに全国568農場で49万8520頭が発症し、12万5285頭が死んだ。徳島県でも疑い例が出ている。前回1996年の被害(9県約4万頭が死んだ)を大きく上回る。

 今回の流行の感染経路は分かっていない。農水省は農場に出入りする人や車両の消毒の徹底を呼び掛ける一方、感染防止に効果があるワクチンの増産をメーカー側に要請した。発生件数は4月下旬以降減少に転じている。

 一方、同省は毎月公表している豚肉出荷予測などを基にPEDによる影響を検討。親豚の出産から出荷まで半年かかることから、PEDの影響を受ける今年4月以降の月別出荷頭数を試算した。

 それによると、今年3月までは月別の死んだ頭数が最大でも1万頭台だったため、4〜9月の出荷頭数全体に占める死んだ頭数の割合も1%以下と予測。発生がピークとなった4月は約7万8000頭が死んだが、影響が直撃する10月でも出荷頭数に占める割合は4.2%(約6万頭)にとどまり前年同月比7.2%減の143万頭の出荷が可能と予測している。

 同省食肉鶏卵課によると、東京、大阪両市場の豚枝肉の平均卸売価格が4月下旬に一時1キログラム当たり725円の高値をつけた。連休中の需要増に加え、PED被害への懸念も背景にあったとみられる。同課は「月別の出荷頭数が、過去5年の平均実績に比べて5〜7%増減することは珍しくない」としている。【江刺正嘉】

 【ことば】豚流行性下痢

 豚とイノシシがかかる伝染病で、ふんを介してウイルスに感染する。発症すると下痢などの症状を起こす。ある程度成長した豚は自然に回復するが、生後10日以内の「哺乳豚」は致死率が高い。感染した豚肉が出荷されることはないが、仮に人が食べても感染しない。鳥インフルエンザや口蹄疫(こうていえき)などの法定伝染病ではなく、殺処分や移動制限などの強制措置を伴わない届け出伝染病に指定されている。

毎日新聞の関連記事

image beaconimage beaconimage beacon