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1万円で高音質、特殊防水の完全ワイヤレスイヤフォンが面白い

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/05/06
1万円で高音質、特殊防水の完全ワイヤレスイヤフォンが面白い © KADOKAWA CORPORATION 提供 1万円で高音質、特殊防水の完全ワイヤレスイヤフォンが面白い

 トゥルーワイヤレスは便利だけど、普段使うオーディオ機器としてはどうなのか。まだ業界の人が話のネタに使うようなもので、一般のスマートフォンユーザー、特に音楽のリスナーが買うモノではないんじゃないか。というのが昨年までのジャッジでした。が。  やっぱケーブルがないっていいよね!  最近はそういう結論にいたりつつあります。トゥルーワイヤレスの抱える大問題は、小さくバラバラなので行方不明になる不安をどう克服するかです。しかし行方不明になっても心が痛まない程度に安ければ、ハラハラせずに持ち歩けるのではないか、と。  そのトゥルーワイヤレス機に、国内取扱い製品がまた増えました。VAVAというブランドの「MOOV 20(VA-BH001)」です。VAVAは激安Bluetoothイヤフォンでおなじみ、TaoTronicsの姉妹ブランドということですが、製品の仕様から言って、従来品よりワンランク上を狙っているのでしょう。  一見するとよくある低価格トゥルーワイヤレス機に見えますが、VA-BH001の魅力は、斬新で実用的なアイデアと、このカテゴリーの製品イメージを一新させる再生音のバランスにあります。  VAVAの国内代理店はe☆イヤホンで、価格は9999円。1万円を切ったと書けるギリギリの設定はさすがです。この価格なら万一ロストしてもクヨクヨすることはない……。いや、するにはするでしょうが「こないだイヤフォン失くしちゃってさーガハハハ」と豪快に笑えば、あの人結構いさぎよくてカッコイイと言われてモトが取れそうな値段です。いや、そう思いたいということですが。  ちなみにAmazonでもVAVAブランドの同じ製品が1000円ほど安く売られていますが、e☆イヤホン扱いの製品はAACやaptXに対応しているということで、価格差はそこで納得できるでしょう。 あっと驚く防水コーティングと斬新な特許技術  VA-BH001のパッケージは、本体装着品も含めS、M、Lと3サイズのイヤーピース。そして充電用のUSBケーブル。これらが本体とともにファブリックで覆われたケースに入ってきます。取扱説明書には日本語での記載もあります。  本体側の充電端子はmicroUSBで、充電時間は約2時間、連続音楽再生時間も2時間。マイク内蔵でヘッドセットとしても使える仕様で、連続通話時間は3.5時間、待機時間は50時間。バッテリー容量は50mAhということですが、もう少し余裕が欲しいかなという数字です。  スペックにはIPX4相当の防滴仕様という記載がありますが、本体側のmicroUSBポートはカバーもないむき出しの状態。装着するとポートが上を向くデザインなので簡単に水が入ってしまう。ところがポートの内側はコーティングされているらしく、水の侵入に耐性を持たせているとのこと。このアイデアは驚きです。  防水性能を持たせるために、USBポートにはカバー付きにするのが一般的な方法ですが、そうすると充電の度にカバーの着脱をしなければならない。microUSBサイズの防水カバーは小さい上に、きつく嵌合させないと機能しないので、外すのが面倒くさい。これはその面倒を解消する画期的なアイデアです。  試しに水をぶっかけてみました。さすがに接点に水が付いたまま電流を流すのはマズいので、その後、よく振って乾かしてから通電したところ、問題なく充電できています。  画期的なアイデアは、さらにもうひとつ。イヤーピースの下側はキャスケットのような形をした、着脱可能な薄いシリコンに覆われています。このシリコンの表面には微妙なカットが施され、エンクロージャーから浮いた中空構造になっているおかげで、柔軟に耳に当たってフィットします。  これは左右両方で12.8gという、やや重いイヤフォンを支える対策として必要だったのだと思います。ですが一般的なイヤーハンガーやスタビライザーと違って、ユーザーは意識することなく使える上、気密性が増すので遮音性の点でもメリットがあります。一石二鳥の頭のいいデザインであり、このシリコンパーツにわざわざ特許表示を入れているくらいなので、メーカーとしても頭を使った部分なのでしょう。 高音質コーデック対応で音質は格段に向上  少し前までのトゥルーワイヤレス機には、左右チャンネル間の位相のずれから音像が動いて定位が安定しないという問題がありました。また伝送経路の複雑化で、トゥルーワイヤレス機は通常のBluetoothよりも信号の遅延が大きくなりがちなため、動画再生時に映像と音声が大きくズレるという現象もありました。  こうした問題も、最近の低価格なトゥルーワイヤレス機では解消されています。もちろんVA-BH001も、この点は問題ないです。絶対的な信号の遅延は存在するので、ゲームや音楽の打ち込みには向きませんが、こと動画再生に限れば映像と音声は揃って再生されるので、視聴にストレスを感じるようなことはありません。  さて、こうしてやっとオーディオ機器として評価できる土台に立ったわけですが、当然のことながら5000円台のトゥルーワイヤレス機に比べると、音質は格段に向上しています。  低域に寄った特性なのは確かですが、ちょっと迫力があっていいね程度の音圧で、ほかの帯域を邪魔するほど強調されてはいません。適当な解像感は確保されているので、複雑で速いベースラインや、素早いキックのアタックとリリースなども、ほかの音に埋もれず聴き取れます。  なによりいいなと思えるのは、高域の特性です。その理由はBluetoothのオーディオコーデックにもあるはず。従来製品のほとんどが標準的なSBCだったのに対し、先にも述べましたがVA-BH001は高音質コーデックのAACやaptXに対応しているからです。ハイエンドが足りずにカサついた印象になってしまうボーカルの帯域も、十分な情報量で再生できます。  全体的な帯域のバランスもよく、ステレオで音がうまく鳴ればよしとしてきた従来のトゥルーワイヤレスの基準から一歩踏み出した感があります。もはや左右独立というだけではウリにならないので、この先、どうやって差別化するかと言えば、やはり音質でしょう。この点はほかのメーカーにも期待したいところです。 問題はバッテリーの持ち時間  VA-BH001で問題かなと思うのは、バッテリーの持続時間が短いこと。これはスペックから想像できていたことですが、耳から外して放っておくと、知らない間にバッテリーが切れていてガッカリする程度に短い。  というのも、音楽を聴いているつもりはなくても、スマホを操作するたびになにかしら音が鳴っているわけです。たとえば、Facebookで「いいね!」を押すたびに「コポッ」と音が鳴り、そのたびにイヤフォンのオーディオ再生機能が起動してバッテリーを消耗させている。  防ぐにはスマホ側で音が出ない設定にするか、イヤフォンをオフにすればいいわけですが、ヘッドセットとして使うのであれば電源を切るわけにもいきません。そもそも待機時間が50時間しかないので、スマートフォンとペアリングして2日経つとバッテリーは切れている。待機時間はせめて100時間を超えてほしいものです。代わりに、充電しやすいデザインになっていると考えればいいわけですが。  もうひとつ難を言うと、使用中はハウジング外側のLEDインジケーターが青く点滅します。安いトゥルーワイヤレス機はどれもそういう仕様なので、VAVAだけが悪いわけではないのですが、満員電車に揺られて移動する我々シャイな日本人には、結構恥ずかしく思うヤツもいるんだぞ。そう申し上げておきたい。  しかしながら新しいカテゴリーゆえ、製品デザインという点ではまだ各メーカーとも手探りの状態です。そこにEARINからAirPodsまでの流れとはちょっと違う、新しいアイデアを持ち込んだところに、VA-BH001のおもしろさを感じています。  ギリギリ1万円を切る価格、カバーなしでも防滴を実現した充電ポートや、スタビライザーなしで装着安定性を確保する斬しい手法、そしてAAC/aptX対応で高音質を実現しているという点で、ワンランク上の納得感は十分以上に感じられる製品です。 著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)  1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ ■関連サイト MOOV 20(VA-BH001)

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