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15.6型ノートPCが3万円台!? 「乃木坂46 CM限定モデル」はどれだけ使えるのか

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/01/26
15.6型ノートPCが3万円台!? 「乃木坂46 CM限定モデル」はどれだけ使えるのか: マウスコンピューター「MB-B502E」 © ITmedia PC USER 提供 マウスコンピューター「MB-B502E」

 以前なら、「子どもや学生用のPCとして」を枕詞に低価格PCを訴求できたのだが、最近はそうもいかなくなった。特に若い世代では、パソコンよりもスマホやタブレットのほうがなじみ深く、情報端末としてはスマホのほうが手軽であることも事実だ。

 それらが高価なものとなった現在、プラスしてPCを買うことは予算的に難しくなってきている印象がある。ただ、だからこそそうした世代にPCを使ってもらう、PCを知ってもらう、そして何かを生み出してもらうためにも、低価格PCの重要度は増している。マウスコンピューターの「MB-B502E」はまさにそうした製品だ。価格は3万9800円(税別、送料別)から。CMに乃木坂46を起用し、まさに若い世代にアピールしている。

●シンプルなデザインだが、ところどころにメリハリが見られる

 MB-B502Eは、15.6型サイズの液晶ディスプレイを搭載したスタンダードなノートPCだ。シンプルなデザインゆえにクセはなく、プライベートルームからリビングまでどこに置いてもそれとなく溶け込む。天板とディスプレイ下部に「mouse」ロゴがあるところが唯一のアクセントだろう。天板はフラットで、シールを貼ってデコレーションするにも都合がよい。

 一見するとスリムな印象もある。じっくり見れば現在の低価格メインストリームノートなりなのだが、角や側面の丸め方、くさび形のデザインがそう感じさせるのだろう。また、液晶のヒンジがやや下側についており、天板を開いた時、キーボード面がチルトする構造になっていることもスリムに見える要因だ。ここが機能面でもデザイン面でも特徴となっている。

 キーボードは10キーを備えたフルキーボード仕様。アイソレーションキーボードであるため、キー自体は小さめに感じるが、キーピッチにはゆとりがある。初めてパソコンのキーボードに触れるような場合、クセのない配列のフルキーボード仕様であったり、メインストリームノートなりのゆとりのあるキーピッチだったりという点で、落ち着いてタイピングの習得ができるだろう。ただし、メインキーと10キーの間にエリアを分割するスペースはないので、そこは少々惜しいと感じた。タッチパッドはまずまずのサイズだ。

 また、昨今はデザインを優先して特殊なところに電源ボタンを配置したノートPCが多い中、本製品では伝統的なノートPCの様式に沿って、キーボード面の右上に置かれている。ここも好印象だ。電源ボタンの横に電源状態を表すLEDがあるが、そのほかキーボード面では変わった意匠はない。

 ディスプレイは前述の通り15.6型で解像度は1366×768ピクセル。トレンドからすれば1920×1080ピクセルのフルHDは欲しいところだが、そこはコストとの兼ね合いだろう。最近のソフトでは極まれに縦768ピクセルを超えるダイアログが出るものもあるが、本製品のパフォーマンスレンジで運用するものではない。本製品の用途の範囲なら、そうしたダイアログを出すソフトはほとんどないはずだ。

 パネルは光沢のあるグレア処理。ディスプレイを正面から見る限りでは価格なりの発色である。ただし、コスト面からTNパネルを採用しているようで視野角が狭い。斜めから見ると色味が変化してしまう点は覚えておきたい。

 ACアダプタは出力が40Wの一般的なサイズのものが付属する。このあたりも価格を抑えた結果だろう。後述のスペックから見れば、USBアダプタのようなものでも動作しそうなものだが、そうした選択はあえて取っていないようだ。

 本体のサイズは377(幅)×259(奥行き)×22.8(高さ)mm。接地面積としては15.6型ノートなりでややコンパクトだろうか。厚みは先にも述べたようにとりわけ薄くはないが厚くもない。持てば厚みを実感するものの、机の上に置けば薄いように感じられる。重量は2.2kgだ。こちらも軽くはないが重くもない。家庭内においては持ち運びも苦にならないが、かと言って屋外までのモバイル利用を想定したサイズでもない。

●Braswellをベースに2.5インチSSDやSO DIMMなど汎用規格を採用

 さて、MB-B502Eがどのようにコストダウンを図っているかは外観から見えてくるが、内部システムも同様にコスト重視の構成になっている。ただし、激安を狙いつつ15.6型の大画面とメリハリが付けられているように、パフォーマンスを左右する部分でも同様のメリハリが付けられている。

 まず、CPUはIntelの「Celeron N3160」を採用している。メインストリームノートがCoreシリーズをベースとしたCPUを採用しているのに対し、本製品はAtomをベースとした低価格、省電力向けだ。当然、パフォーマンスも抑えられているものの、コードネーム「Braswell」と呼ばれるCeleron N3160は、クアッドコアCPUであり、4コア/4スレッドの同時処理が行える。また、動作クロックは定格が1.6GHz、バースト時が2.24GHzと、4コアCeleron N3000シリーズの中では高クロックだ。Coreシリーズのような、どのような用途にも使えるパフォーマンスはないが、普段、Webブラウジングやメール、オフィス系アプリケーションで文書を作成するような用途なら大丈夫だ。

 GPUはCPUに統合されたIntel HD Graphics 400を利用する。こちらもCoreシリーズに統合されたGPUに比べれば簡易だが、動画の再生支援機能や、トランスコード時に使えるハードウェアエンコーダーを搭載しており、GPUやCPUへの負担を和らげている。

 メモリはPC3-12800、DDR3L-1600の4GB SODIMMを1枚搭載している。必要最小限といった印象だが、ポイントはオンボードではなくメモリスロットを搭載しているところにある。スロットは2基で最大8GBまで拡張可能だ。Celeron N3160はデュアルチャネルに対応しているので、4GB×2枚に拡張すればとくにグラフィックス性能面でパフォーマンスの向上が見込める。

 ストレージにはSerial ATA 3.0接続の2.5インチSSDを採用している。まず、SSDを採用していることでデスクトップのレスポンスはHDD搭載モデルと比べて格段に速い。そして容量が240GBあるので、普段使いのアプリケーションを入れてもそこそこの余裕がある。なお、以前の低価格ノートであればオンボードであることも多かったが、本製品は汎用品。例えば容量が足らなくなった時、交換できるというのは大きなメリットだ。

 このように、メモリとストレージに関して、一般的な規格を採用しているところのメリットは大きい。PCスキルが向上したところで、これらをアップグレードすればパフォーマンス不足や容量不足を改善することができる。この点で、思っている以上には長く使えることだろう。

 ハードウェアに関して、BTO項目も紹介しておこう。CPUやグラフィックスなどは固定だが、先の通りメモリとストレージが汎用規格品ということもあって、最初からメモリを8GBにしたり、ストレージにもっと余裕を持たせるといったカスタマイズには柔軟に対応する。

 そのほかOSのグレードやOfficeを含むソフトウェア、周辺機器も同時に選択が可能。なかでも特徴的なのがWindows Hallo対応USB顔認証カメラ。これは同社の「CM01」で、液晶天板などに装着しておけば、Windowsへのログイン時に顔認証が利用でき、わずらわしいパスワード入力から開放される。いちおう、子供用PCとして、PCの作法を教える点ではパスワード入力のほうが適していると思われるが、2台目のPCなどでログインの手間を省きたいなら導入を検討してみてもよいだろう。

 インタフェースの面では、HDMI、アナログRGB、USB 3.0×2、USB 2.0×2、1000BASE-T LAN、ヘッドフォン(光出力共用)、マイク、マルチカードリーダーと、一通りそろっている。これらの端子は左右側面に置かれ、前後にはアクセスLEDのほかはない。そのほかでは、液晶天板に100万画素のWebカメラを搭載している。

●低価格モデルなりの性能だが普段使いには十分。メモリを増設すれば軽いゲームも

 それではMB-B502Eのパフォーマンスを見てみよう。まず、Windowsエクスペリエンスインデックス値は、CPUが6.7、メモリが5.9、グラフィックスが4.1、ゲーム用グラフィックスが9.9、プライマリディスクが8.1となっている。ゲーム用グラフィックスが9.9というのは何らかのエラーが生じているように思われるが、それを除外すればだいたい6ポイント前後といったところだ。CPUとグラフィックスは、メインストリームノートと比べると一段低いスコアなので、ここが注意点。一方でプライマリディスクに関しては8.1ポイントと高い値だ。

 CPUパフォーマンスを見るCINEBENCH R15では、CPUが134cb、CPU(Single Core)が35cbだった。このスコアは、例えば2コア/4スレッドのモバイル向け低電力版Coreと比べてシングルコア時で1/3.5程度、マルチスレッド時で1/2程度となる。それだけ「出来ることは限られる」と言うわけだ。ただし、CINEBENCH R15は3DCGのレンダリングソフトであり、本製品をそうした用途で使うことはまずないだろう。

 3D性能に関しては、あまり本製品の得意とする分野ではないが、まずは3DMarkのスコアを見ていこう。DirectX 9ベースのIce Stormは24176ポイントとまずまず高いが、DirectX 10ベースのCloud Gateは2079ポイントと極端にスコアを落とす。DirectX 11ベースで負荷が軽めのSky Diverは1150ポイント、負荷が重めのFire Strikeは259ポイントと、本製品はあくまでDirectX 9程度のゲームタイトルに抑えておくのがよいだろう。

 続いてメインストリームノートならばファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルドベンチマークをテストするところだが、本製品の場合は、DirectX 9で、画質設定を最も低いプリセットの標準品質(ノートPC)、解像度も最も低い1280×720ピクセルとしても、1508ポイントで、「設定変更を推奨」という結果だった。このように、ファイナルファンタジーXIVに関しては、プレイが難しいと言わざるをえない。

 そこでもう少し負荷の軽いドラゴンクエストX ベンチマークソフトを試してみた。こちら1280×720ピクセルでは画質を低品質に抑えても「やや重い」判定だったが、640×480ピクセルに落とせば画質を最高品質にしても3312ポイントの「普通」判定が出た。この点、遊べるとしても本格的に楽しむには少々荷が重いと言える。なお、SO DIMMを1枚追加してメモリを8GBに増設すれば、1280×720ピクセルの低品質で「普通」判定に向上する。ここはBTO選択時に考慮すべき点と言える。

 ストレージ性能をCrystalDiskMark 5.2.1 x64で見るとどうだろうか。本製品で採用されているKingstonのUV400シリーズはリードが最大550MB/秒、ライトが最大490MB/秒だが、実際にベンチマークを実行してみると、シーケンシャルリードは551MB/秒とカタログ通りの値を出す一方、同ライトは368.2MB/秒とKingstonのカタログ値には及ばない。

 また、4KQ32T1リードは76.47MB/秒、同ライトは64.02MB/秒と、昨今のSSDとしては遅い。UV400が一般的に流通しているモデルと異なるOEM専用モデルである可能性は否定できないが、それよりも4Kの読み書きの処理を捌くCPU性能が足りていない可能性のほうが高いだろう。

 とはいえ、こうしたストレージ性能であっても、一昔前の低価格ノートに見られたeMMC接続のオンボードSSDよりは断然速い。エクスプローラを開くような時のレスポンスも、一昔前の低価格ノートよりキビキビしている。こうした点で、以前の「Netbook」よりはずいぶんストレスが緩和されている。それにeMMCと比べ、システムストレージの容量に不安がない点で、PCの活用の幅が大きく広がる。

 システム性能をPCMark 8で見てみよう。Home accleratedは1735、Creative accleratedは1800、Work accleratedは1432といった結果だった。このスコアから見るとあまり高いものではなく、過度な期待は禁物と言える。ただし、PCMark 8の負荷はかなり高く、マルチスレッドも多い。本製品は、比較的負荷の軽いアプリケーションが中心で、同時実行されるスレッド数も少なめで運用するのが適している。例えばテキスト編集や複雑ではない表計算などのアプリケーションを用いる範囲では、実運用に問題のないレベルである。

 さて、本製品が採用しているCeleron N3160はTDPが6Wと低い。その点で発熱や冷却にはあまり不安はないと思われる。そこで3DMarkのFire StrikeとPCMark 8のHome acclerated実行中の最大温度を見てみた。なお、統合GPUを用いているため、CPU温度のほうが高くなるので、CPU温度のみ見ていこう。結果は、3DMarkでは最大67度、PCMark 8では69度と、Tjunctionの90度という値からすればかなり余裕のあるものだった。ベンチマーク中に、キーボード面の各所に触れても、熱いと感じることがなかったことも添えておこう。

 一方で、動作音は一般的なノートPCか、あるいはそれ以上となることがあった。本製品は、アイドル時〜軽作業中に関してはほとんどノイズを感じない快適さだが、CPUの全コアに高負荷がかかるCINEBENCH R15や、CPUとGPU両方に負荷がかかる3DMarkやPCMark 8などでは動作音が上昇した。ベンチマーク中続くというわけではないので、回転数はきめ細かく制御されていると思われるが、この点は惜しまれる。

 最後にバッテリー駆動時間をBBench V1.01から見た。カタログスペックでは約5.4時間とされているが、実測値はキーストロークON、Web巡回ON、ネットワーク接続がWi-Fi、そしてPCの電力設定がバランスの状態で6時間56分だった。カタログ値よりは若干長かったが、液晶輝度が通常利用よりは暗めの設定なので、実際にはもう少し短くなるかもしれない。とはいえ、このくらい持つのであれば、何か特別な用事で持ち運ぶ程度の用途なら十分対応できるはずだ。

●汎用規格で実用度がアップ! 十分使えるスペックの低価格ノート

 ベンチマークで明らかにした通り、軽作業については十分なパフォーマンスが得られる一方、CPU負荷の高いものやマルチスレッド処理、3Dゲームなどは本製品には適さない。この点で、Webベースのアプリケーションやオフィス系アプリケーションの利用、そしてパネル解像度止まりの映像再生や音楽再生などが本製品の主な用途に挙げられるだろう。デザイン面やスペック、価格を考慮すれば、PC習得用の“初めての1台”にも向いている。

 その価格だが、ベースモデルは2つ。スタンダードモデルはこれまで見てきたスペックで本体OS込みの3万9800円(税抜き、送料別)。これにオフィスソフト(Office Home & Business Premium+Office 365 1年ライセンス)を付けた「MB-B502E-A」が5万9800円(税抜き、送料別)となる。

 ディスプレイが大きく、ゆとりのあるキーボード配列、メモリやストレージを交換、あるいはBTOすることでより長く使える点や、充実したインタフェースを考慮すれば、普段使いのノートPCとしてコストパフォーマンスは高い。そうした視点から検討してみていただきたい。

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