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2000円前後で買える、1万mAh超のモバイルバッテリーは“使える”?

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/05/12 21:30 ITMedia
2000円前後で買える、1万mAh超のモバイルバッテリーは“使える”?: Amazonで2000円前後で購入できる、容量1万mAh以上をうたうモバイルバッテリー。左からsmart ways SW-MB06、CITUS NEO X1、ROMOSS Sense 4、モバイルバッテリー 12000mAh、Winten WT-P100S-BK © ITMedia 提供 Amazonで2000円前後で購入できる、容量1万mAh以上をうたうモバイルバッテリー。左からsmart ways SW-MB06、CITUS NEO X1、ROMOSS Sense 4、モバイルバッテリー 12000mAh、Winten WT-P100S-BK

 スマートフォンのバッテリーは年々大容量化が進んでおり、電力消費を抑える機能も進化してきているが、「まだまだ充電用のモバイルバッテリーは手放せない」という人は多い。最近は容量の大きなモバイルバッテリーも手ごろな価格になっており、なんと2000円前後で容量1万mAhをうたうモバイルバッテリーが販売されている。

 そこで今回は、2000円前後で買える1万mAh超の容量を持ったモバイルバッテリー5製品を編集部で入手し、テストしてみた。選んだのは、いずれもAmazonで販売されている製品だ。

●2000円前後で購入できる1万mAh超のモバイルバッテリー

SW-MB06/smart ways

CITUS NEO X1/サイタステック

ROMOSS Sense 4/サマリヤインポート

モバイルバッテリー 12000mAh/Small Bridge

Winten WT-P100S-BK/ネスリーフ

●モバイルバッテリーの選び方

 格安モバイルバッテリーの評価に入る前に、モバイルバッテリーを選ぶときのポイントを整理しておこう。

 モバイルバッテリーは、容量が大きければいいというものではない。容量が大きいと、それだけ充電に時間がかかる。1万mAhだと、空の状態からフル充電までだいたい11時間から13時間程度かかる。またバッテリーは、フル充電の状態が長時間続くと劣化が早まってしまうので、頻繁に使った方がいい。いざというときの補助のためにモバイルバッテリーを買うのなら(つまりあまり充電・放電はせず、カバンの中に保険として入れておくのなら)、自分のスマートフォンが1回充電できるくらいの容量のモバイルバッテリーがあれば十分だ。価格も安く、軽く、小さいものでいい。

 1万mAhクラスの大容量のバッテリーが必要になるのは、通話やネット利用が多く、1日に何度か充電が必要になる用な人や、スマホでゲームをする時間が長い人などだ。あるいは複数台のスマートフォンや、スマートフォンとモバイルWi-Fiルーターなどを持ち歩いている人、タブレットにも充電をしたい人など。いわゆるヘビーユーザー向けの製品といえる。

 1万mAhクラスの製品になると、その多くは2つのUSBポートを備え、1A(アンペア)出力と2.1A出力に対応するが、中には2.1Aでの出力ができないものもある。2.1Aでの出力ができないと、タブレット(特にiPad)の充電に時間がかかるので気を付けよう。またポートが2つあっても、2つ同時に利用できない製品があるので注意したい。

●バッテリー容量の注意点

 モバイルバッテリーの容量は、自分が持っているスマートフォンを何回くらい充電できればいいかで、ある程度絞り込める。ただし、モバイルバッテリーの容量を考える上で注意すべきことがある。それは、モバイルバッテリーの容量が、そのまま100%スマートフォンに充電できるわけではないことだ。

 一般的に、モバイルバッテリーやスマートフォンに搭載されているバッテリーは、電圧が3.7V(ボルト)前後だが、Micro USB端子を経由して充電する関係で、USBの規格に合わせモバイルバッテリー側で電圧を一度5Vに変換し、スマートフォン側でまた3.7Vに戻すという作業を経る。そのため、途中で変換ロスが発生する。

 実際にスマートフォンに充電できる容量は、製品により差があるが、だいたい本体の容量の60〜70%くらいが目安になる。1万mAhだと、6000〜7000mAhくらいということだ。1500mAh程度のバッテリー容量であれば4回くらい、最近のAndroidスマートフォンの2500mAh程度のバッテリーだと2回強充電できる。ちなみにiPhone 5sのバッテリー容量は1560mAhなので、1万mAhのバッテリーでは4回充電できれば合格ラインと言える。

 モバイルバッテリーの中には「スマートフォン○回充電」といった記述をしている製品もあるが、前述のとおり充電できる回数はスマートフォンのバッテリー容量によって変わるので注意が必要だ。また、中には変換ロスを考慮せずに計算をしている(「1万mAhあれば2000mAhのバッテリーを5回充電できる」といった間違った数字を掲載している)販売サイトも散見されるので、誤解がないようにしたい。

 では、実際に入手したバッテリーを見てみよう。検証作業では、ドコモのシャープ製Androidスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」を利用し、「Battery Mix」アプリを用いて、残量1%の状態からフル充電まで何回充電できるかを確認した。

●SW-MB06/smart ways

 smart waysの「SW-MB06-BK」は、容量1万mAhのモバイルバッテリー。ボディの一部が金属製で高級感があるが、若干重い。残量表示は4段階で、青色LEDの点灯で確認できる。LEDはパーセンテージ表示になっているなど、安っぽさはない。出荷時には満充電ではないが、一定量充電されているのですぐに利用することも可能だ。ACアダプタは付属せず、パッケージにはMicro USBの短いケーブルが付属する。

 出力はDC5V 2A対応が2つ用意されているものの、2ポート同時に2A出力することはできない。合計2.5Aを2つの端子で分け合う仕様なので、タブレットをつないだらもう一方は残りの容量の範囲での給電となる。ここで取り上げた5製品の中では取扱説明書もしっかり日本語化されていて安心感がある。保証期間は購入日から6カ月。幅82×高さ92×奥行き21ミリ、重さは252グラム。

 充電テストの結果、2回のフル充電と66%までの充電ができた。単純計算で6919mAh分給電できたことになる。1万mAhの7割弱なので、とても優秀だ。

●CITUS NEO X1/サイタステック

 「CITUS NEO X1」は、容量1万mAhのモバイルバッテリー。出荷時はほぼ満充電の状態。バッテリー残量は側面の4つの青色LEDで確認できる。ACアダプタは別売。

 出力はDC5V 1〜2.1Aで、2ポート同時に充電ができる。USB端子は短辺側にある。専用のケースと30センチほどのmicro USBケーブルが付属する。メーカーによる直販で、保証は購入日から12カ月。日本語の取扱説明書を同梱する。サイズは幅60×高さ140×奥行き21ミリ、重さは267グラム。

 実際にSH-06Eに充電した結果、2回のフル充電と48%までの充電ができた。計算すると6448mAhの充電が完了したということ。1万mAhの65%弱で、こちらもそこそこの性能を持っていることが分かる。

●ROMOSS Sense 4/サマリヤインポート

 「Sense 4」は、ROMOSSブランドのモバイルバッテリー。中国製で、容量は1万400mAh。出荷時にフル充電されていた。Micro USBケーブルが1本同梱されているだけのシンプルな構成で、ACアダプタは別途用意する必要がある。

 出力はDC5V 2.1Aが1つ、1Aが1つ。端子の横に記載があり、機器に合わせて選べるほか、2台同時の充電もできる。取扱説明書は英語と中国語のものを同梱、日本語はないが、保証期間は購入日から12カ月間ある。幅62×高さ138×奥行き21.5ミリ、重さは237グラム。

 形状は先に紹介したCITUS NEO X1とよく似ているが、LEDの位置や端子の向きなどが微妙に異なる。充電は、何度か試したものの1回のフル充電と40〜63%くらいまでの充電しかできなかった。計算すると最大でも4238mAhくらいしか充電できないということ。品質面に不安がある。

●モバイルバッテリー 12000mAh/Small Bridge

 「モバイルバッテリー12000mAh」は、容量は1万2000mAhと大きく、USB端子がある側面に白色LEDのライトも搭載する製品。出荷時は充電されておらず、使用前に充電する必要がある。AppleのiPhone用充電器をまねたデザインのACアダプタと、Micro USB/30ピンDockコネクタ/Lightningコネクタが付いた三つまたのケーブルが付属。iOS 7のiPhone 5sでも、Lightningコネクタで充電ができた。バッテリー残量は電源スイッチの横にある銀色の窓に表示される4つの青色LEDで確認できる。

 出力は2.1A対応のポートと1A対応のポートを1つずつ用意する。側面にシボ加工が施されているが、全体的な見た目は安っぽい。A4サイズの日本語取扱説明書が同梱されていたが、問い合わせ先などの記載はない。保証期間は購入日から6カ月。サイズは幅78×高さ115×奥行き22ミリ、重さは220グラム。

 こちらも充電テストの結果は厳しいものだった。1回はフル充電できたものの、2回目は35%前後までしか充電できなかった。計算上の充電可能容量は3510mAh。1万2000mAhという大容量をウリにしながら、その容量の30%程度しか充電できないというのは商品としてかなり問題があるように思える。

●Winten WT-P100S-BK/ネスリーフ

 「Winten WT-P100S-BK」は、ノーブランドの中国製モバイルバッテリー。容量は1万mAhで、同じデザイン・仕様の製品が複数の販売店で売られている。入力端子Mini USBなので注意が必要だ。出荷時には7割方充電された状態だった。製品にACアダプタは同梱されていないが、30ピンDockコネクタ、Micro USB、Mini USB、Samsung専用端子、Sony Ericsson専用端子、LG専用端子、Nokia DC 2.0端子、PSP用端子などのアダプタが付いたUSBケーブルが同梱されている。

 出力は2.1A対応ポートと1A対応ポートを各1つ備え、充電したい機器に合わせて選ぶ。取扱説明書はなし。保証期間はパッケージに1年と書かれており、メーカー保証がありそうだが、販売店による保証が受けられるのか不明。問い合わせ先などの記載もない。幅70×高さ99×奥行き23ミリ、重さは214グラム。

 充電テストの結果はまずまずで、2回のフル充電と、23%程度の充電ができた。計算すると5798mAhということで、1万mAhの6割弱といったところだが、許容できるレベルと言える。

●コストパフォーマンスには大きな差 ユーザーレビューは要確認

 実際に製品を入手し、モバイルバッテリーの性能を確認してみたが、やはり2000円前後で購入できる低価格な製品には、ちゃんとしたものからあやしげなものまで、玉石混交であることが分かると思う。安いからと割り切れるのでなければ、すぐに手を出すのではなく、その性能をきちんと見極める必要がある。

 まずはユーザーレビューを参考に、どれくらい使い勝手がいいのか、実際に使っている人はどう感じているのか、判断するのがいいだろう。レビューがない製品には、手を出すべきではないかもしれない。

 一方で、低価格ながらもきちんとしたスペックを確保している製品があるのも事実。smart ways SW-MB06などはなかなかコストパフォーマンスが高い。旅行など、スマートフォンをよく使うシーンの前に、入手を検討する価値はありそうだ。

[園部修,ITmedia]

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