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2016年にグッと来た「デジタル仕事道具」ベスト5

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2016/12/25
2016年にグッと来た「デジタル仕事道具」ベスト5: ノート部門は「ThinkPad X1 Carbon」を選出 © ITmedia PC USER 提供 ノート部門は「ThinkPad X1 Carbon」を選出

 フリーランスである筆者は主に自宅兼事務所で仕事をこなしており、PCおよびネットワーク機器の保有数は、個人と言えどもちょっとした小規模事業者並みだ。また遠征先のビジネスホテルで仕事をすることも多く、モバイルの目線で選んだ製品も身の回りにあふれている。

 今回はそんな筆者が2016年に使ってみた製品の中から、ビジネスユースでも十分に実用的に使えると判断した、「個人で購入できて仕事がはかどるデジタル製品」のベスト5を選んでみた。原則として、同一カテゴリーの中で複数の製品を使い比べた結果、継続利用に至った製品をチョイスしている。製品選択の参考にしていただければ幸いだ。

●PC部門:レノボ・ジャパン「ThinkPad X1 Carbon」

 筆者は(このような記事を書いている割には)あまりPCを買い換えないほうで、いったん購入すると継続して数年は使うのが通例だ。そんな中、5年ぶりに購入した新しいノートPCが、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X1 Carbon」である。同名モデルの第4世代に当たる製品で、タッチパネルを搭載しないモデルをチョイスした。

 本製品の特徴は、14型にして約1.18kgの軽さを実現していることだ。一般的に、軽さを追求したモデルは画面サイズが13.3型以下であることが多く、14型以上となると、そのほとんどが据え置きを前提とした設計になる。つまり異色の存在なのだが、遠征先のビジネスホテルで腰を落ち着けて作業することの多い筆者にとっては、このサイズと軽さはまさにベストチョイスだった。ディスプレイの解像度もフルHDと申し分ない。

 また何より、キーボード中央に配置されたポインティングデバイス「トラックポイント」が利用できることが大きい。かつては多くのノートPCに装備され、キーボードのホームポジションから手を離さずにポインタを動かせることで愛用者も多かったスティック型ポインティングデバイスだが、ノートPCの薄型化の代償もあり、現在はThinkPadシリーズを除いてほぼ見かけなくなってしまった。本製品は現在の主流であるタッチパッドに加えてトラックポイントも搭載しており、ユーザーの好みでどちらも利用できるのがよい。

 メーカーロゴが目立つベゼル周囲のデザインやむき出しのヒンジはやややぼったさを感じるほか、キーボードもかつての名機群と異なるアイソレーションキーだったりと、不満点が皆無というわけではないのだが、パームレストからの発熱もなく、また液晶ディスプレイは反射の少ないノングレアを採用するなど、ユーザーの快適性を重視した設計は、さすがThinkPadだとうならされるものがある。

 特殊なサイズの製品ゆえ、持ち歩き用のキャリングケースなどアクセサリーの選択肢が少ないのは悩みだが、持ち歩くことを前提に10型や11型といった画面サイズだけにこだわった結果、操作の快適さを損なうのであれば、重量的にはそれらとほぼ同等の本製品を選ぶというのは、賢い選択だろう。着実なリニューアルを果たしたこのThinkPad X1 Carbon、2017年以降の進化も期待したい。

●タブレット部門:ASUS「ZenPad 3 8.0(Z581KL)」

 タブレットには一般的に、画面比率が4:3の製品と、16:10もしくは16:9などワイド比率の製品があるが、筆者個人としては4:3の方が使いやすいシーンが多いと感じる。

 例えばWebページを見る場合、16:10もしくは16:9比率だと、画面を横向きにして表示すると天地が極端に狭く感じられるし、縦向きだと天地には余裕があるものの、幅が窮屈な印象だ。動画コンテンツなど、もともとワイド比率のコンテンツを表示する場合を除いては、4:3の方が使い勝手がよいというのが、筆者の感想だ。

 もっとも、現在市販されているタブレットのうち、4:3の比率にこだわっているのはiPadシリーズくらいで、特にAndroidタブレットのほとんどは、ワイド比率という状況だ。そんな中、Androidでありながら4:3の画面比率を採用し、かつiPad miniシリーズと同じ7.9型ディスプレイを採用したモデルが、ASUSの「ZenPad 3 8.0」だ。

 本製品の利点は、iPad miniシリーズの現行モデルであるiPad mini 4と比べた場合、同じ画面サイズと解像度でありながら、SIMロックフリー対応モデルで実売3万円台半ばと、iPad mini 4のWi-Fi+Cellularモデル(32GBモデルで5万6800円)に比べて、2万円近くも安価なことだ。ちなみに本製品は10型の姉妹モデルもあり、そちらもSIMロックフリー対応ながら実売は4万円半ばと、そのコストパフォーマンスのよさは突出している。

 筆者は本製品と同じ画面サイズのiPad mini 4も愛用しているが、本製品は横向きにした際にスピーカーが左右に配置されるレイアウトゆえ、動画や音楽の鑑賞については、本製品のほうが向いていると感じる。もう一つ、メモリカードスロットが用意されており、必要に応じてmicroSDメモリーカードを追加して容量を増やせるのも利点だ。重量は本製品のほうがわずかに重いが、両者を持ち比べないと分からないレベルで、それほど気にするところではない。

 実際に使った限りでは、ASUS独自のZenUIは使い慣れるまでやや操作が難解なのと、音声を最小レベルに設定してもまだ音が大きすぎるといった細かな問題はあるが、小型で軽量、かつSIMロックフリー対応で外出先でも使える可搬性の高さは、プライベートはもちろんビジネスシーンも含めて幅広く対応できるポテンシャルを感じる。

 発売以来、価格比較サイトでは売れ筋ランキング1位をキープしている本製品だが、2017年に入っても当面その勢いは持続しそうだ。個人的に「2016年のNo.1タブレット」と断言したい。

●NAS部門:QNAP「TS-251+」

 筆者は各メーカーのNASの特性を業務用把握する必要があることから、日ごろから複数メーカーのNASを併用している。その中でオススメのメーカーといえば、2015年の本記事でも紹介したSynology NASであることに変わりはないのだが、同社にない特徴を備えたモデルとして2016年購入に至ったのが、QNAPの2ベイNAS「TS-251+」だ。

 このモデルの特徴は、ボックスタイプのNASとしては珍しく、内部メモリの増設に対応することだ。一般的にNASの内蔵メモリと言えばオンボードで固定されているが、このモデルはメモリの拡張スロットを搭載しており、ノートPCなどに使われている市販のDDR3L SDRAM(SO-DIMM)を追加することで最大8GBまで拡張できる。一般的にこのクラスのNASのメモリは多くても2GB、エントリークラスの製品だと512MBなので、この差は大きい。

 もう一つ、これは本製品というよりQNAP NAS固有の機能だが、Gmailのバックアップが行えるのもメリットだ。筆者は個人のGmailアカウントについて、これまでサブPCにPOP対応のメールクライアントを入れ、定期的に受信する形でメールのバックアップを行なっていたのだが、QNAPのNASアプリである「Gmailバックアップ」を利用すれば、PCを経由せずにGmailを直接NASでバックアップできる。

 バックアップはスケジュールを設定できるので、初期設定を行った後は定期的に正しく動作しているかをチェックしさえすれば、基本的には自動運転だ。サブPCをわざわざ起動する必要もなくなり、消費電力の面でも恩恵を受けている。

 もともと本製品はクアッドコアで2.0GHzのCeleronプロセッサを搭載し、ハードウェアの暗号化に対応、さらにマルチメディアコンテンツを再生するためのリモコンまで標準添付された、個人向けNASでは最上位のモデルである。

 エントリー向けの2ベイNASが1万円台から入手できるのに比べて、本製品は最安でも5万円台とかなり値は張るが、スペックの進化が著しい昨今のNASの中で、長期に渡って高いパフォーマンスを発揮するにふさわしい製品と言っていいだろう。

●Wi-Fiルーター部門:TP-LINK「Archer C9」

 Wi-Fiルーターは、額面通りに動作していれば、あまり頻繁に入れ替えることのない製品の代表格だろう。

 しかし筆者宅では、数年前に11ac対応のルーターを導入して以降、通信が突然切れる症状が頻発するようになり、国内メーカーの製品をかわるがわる試すことを余儀なくされていた。それでも根本的な解決に至らず、また直近で使っていた某社のモデルはWebインタフェース画面も分かりづらく、使っていてストレスを感じることが多かった。

 そんな中、ネット上での評判のよさを耳にして購入したのが、TP-LINKの11ac対応ルーター「Archer C9」である。3本のアンテナを使って理論値最大1900Mbpsの通信が可能な製品で、標準価格は2万円台半ばながら、多くの通販サイトでは1万円台前半で販売されている。

 本製品は国内メーカーのルーターと異なり、面積の広い面が正面を向き、背面のスタンドで直立させる、写真立てのような外観をしている。国内メーカーのルーターは有線LANポートが側面に縦に並んでいるが、本製品は背面の下部に横1列にポートが4つ並ぶ構造だ。それゆえ設置時に幅は取るものの、本体の重量バランスなどを考えると、本製品のほうが転倒しづらい、理にかなった構造と言える。

 そして使ってみて何より驚いたのは通信の安定性だ。これまで国内メーカーの製品では頻発していた原因不明の回線切断もなく、安定して通信できている。通信機器はいったん設定すればその後は存在を意識させないのが理想だが、国内プロバイダーとの相性などもあり、国内メーカーの製品の方が有利な面は少なからずある、と筆者は思っていたのだが、この製品でその考えは根本から覆された。

 Webインタフェース画面も項目の一覧性が高く、探している項目がすぐ見つかるほか、レスポンスも非常によい。筆者宅では前述の複数のNASなど、個人宅とはいえSOHOを超える数の機器が常時クラウドとデータのやりとりをしているのだが、そうした負荷にも問題なく耐えられている。コスパがよく、安定して通信が行える11acルーターを探しているのであれば、自信を持っておすすめしたい製品だ。

●マウス部門:ANKER「Anker 8200 DPI High-Precision Laser Gaming Mouse」

 長年ロジクールのマウスを愛用していた筆者だが、同社製品は2015年春に円安などを理由とした価格の改定があり、マウスやトラックボールの多くが値上げとなった。

 中には市場売価ベースで2倍近い価格になった製品もあるほどで、ちょうど同じタイミングで手持ちのマウスが不調になったことから、これを機にと他社製品への乗り換えを検討することとなった。もともと同社製品はモデルチェンジの度に形状が大きく変わるので、そうした意味でも買い替え時に同一メーカーにこだわる必要性は薄い。

 複数の製品を試した結果、豊富な機能とコストパフォーマンスのよさで採用に至ったのが、ANKERのレーザーゲーミングマウス「Anker 8200」である。本製品は9ボタンを搭載する有線マウスで、本体の重量を調節できるウェイトを搭載するなど、ユーザーの好みに合わせて多彩なカスタマイズに対応する。オムロン製のスイッチを採用するなど、部品単位のこだわりもなかなかのものだ。また外見もゲーミングマウスにしては大人しく、ビジネスユースにも支障がない。

 またマクロ機能も強力で、かつ割り当てを記録したプロファイルは本体に記録されるので、他のPCにつなぎ替えてもそのまま動作する。これら豊富な機能を備えながら、実売わずか2999円前後という価格は非常にコストパフォーマンスが高い。ここまで約1年にわたって使い続けているが、一部メーカー製品にありがちな、長期利用時の塗装剥げや表面劣化もなく、新品同様のまま使えており、この価格が信じられないほどだ。

 しかし残念ながら、本稿執筆にあたってAmazon.co.jpを確認したところ在庫切れとなっており、期間の長さから察するに、メーカー廃盤の可能性が高い(Amazon.comでも品切れ)。メーカーサイトには筆者と同様、本製品の使い勝手にほれ込んだファンから終息を惜しむ声が多数寄せられている。将来的な復活、もしくは直系の後継品の登場を期待したいところだ。

[山口真弘,ITmedia]

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