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2017年にブレイクするラッパー&シンガーは? 渡辺志保による新譜5選

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/24 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 2016年も残すところあとわずかとなりました。今回は、2017年のブレイクが期待されるアップカミングなアーティストたちの新譜を紹介したいと思います。 動画はこちら。  まずは、カナダ生まれでドレイクが率いるレーベル、<OVO Sound>と契約し、今年はドレイク&フューチャーのツアーにも前座として帯同していたボーカリスト、ロイ・ウッズを。  彼、まだ若干20歳ではありますが、表現力豊かな歌唱スキルが高く評価されており、2016年7月にデビュー・アルバム『Waking at Dawn』をリリースしたばかり。アンニュイかつ、R.ケリーを彷彿とさせるようなエモーショナルで粘りのあるボーカル・スタイルが特徴的で、最新EP『Nocturnal』でも堪能できるセンシュアルな表情は、今後の活躍も期待させられます。ドレイク周辺のシンガーといえば、あのザ・ウィークエンドやパーティーネクストドアらもおりますが、中でも抜きん出てフレッシュなのがこのロイ・ウッズ。先輩たちのアシストも受けつつ、もうちょっと派手なヒット・シングルや客演楽曲が1曲でもあれば、次のスターになれるかもしれません。  続けて、もう一人注目のシンガーを。アトランタの<Awful Records>というインディ・レーベルをご存知でしょうか。来日経験もあるファーザーというラッパーが設立したレーベルなんですが、流行りのトラッピーなアトランタ・サウンドとは一風変わった路線でじわじわと人気を集めているレーベルです。そこから、今年リリースしたEP『Princess』が高評価を得ている女性シンガー、アブラ(Abra)が新曲「Bounty」をドロップしてくれました。『Princess』では80年代風のシンセPOP調のサウンドも特徴的でしたが、今回は97年あたりにティンバランドがアリーヤと作っていた作品にも通じるヴァイブスが。いずれにせよエクスペリメンタルな質感は、アブラのミステリアスな魅力を増幅させるに十分です。11月には『Princess』からのカットであるMV「Pull Up」も発表されたばかり。  このMV作品、映画『スプリング・ブレイカーズ』を思わせるような内容で、楽曲のプロデュースだけではなくMVの監督もアブラ自身が務めています。『FADER』や『FACT』といったメディアからもバックアップを受けていたり、今年の10月、パリで行われた『Pitchfork Music Festival』にも参加していたりと、来年も何かと話題に事欠かなさそうな注目株です。  そんでもって、3人目は、同じアトランタでも全くベクトルの違うヴァイブスを持つアーティストを紹介いたします。今年の初旬に発表したミックステープ『Wish Me Well 2』からのシングル曲「YFN」や、2チェインズとリル・ウェインが参加したリミックスも話題になったシングル「Key To The Streets」のスマッシュ・ヒットでも知られるYFN・ルッチ。  私も今年の5月にアトランタを訪れたのですが、ストリップ・クラブでも彼の曲がガンガンかかっていたのがとても印象的で、それ以来地味に応援している新鋭ラッパーであります。そんなルッチの新曲「Everyday We Lit」は、こちらもブレイクが期待されているアトランタの若手、PnB・ロックをフィーチャー。キャッチーなフックはクラブのフロアでもウケそうです。ちなみにタイトルになっている「Lit」は、「イケてる、ヤバい」などの意味を持つスラングで、今年はみんなこの「Lit」を使用していましたね。  4組目は、リル・ウェインらを輩出した土地、ニューオーリンズ出身のラップ・デュオを。その名もスーサイドボーイズ($UICIDEBOY$)です。従兄弟同士の彼ら、メンバーの一人、スーサイド・レオパードことルビー・ダ・チェリーはパンク・バンドのメンバーとしても活動していたそうですが、ここ2年のほどの間にスーサイドボーイズとしての活動をスタートさせ、すでにSoundCloudやBandcamp上には夥しいほどの楽曲がUPされており、ネット上を中心にややカルト的なファンを増やしてきているユニットです。  彼らのサウンドをパンク・ミーツ・トラップ、と評しているメディアもありますが、ホラコア色を濃く反映したトラックやコーラスの入れ方は、メンフィスの伝説的なラップ・グループであるスリー・6・マフィア周辺のヴァイブスを彷彿とさせます。そんなわけで、そのスリー・6・マフィアからテーム・インパラまでをサンプリング・ソースに使用した最新EP『I No Longer Fear The Razor Guarding My Heel (III)』でもブレることなく、そのズブズブ&ダークな世界観が全面に押し出されており、ファンには堪らない出来。来年以降、今まで以上のペースで活動してくれるのか、今から楽しみなところです。  さて、最後に紹介するのは2016年3月に発表したデビュー・ミックステープ『A Good Night in the Ghetto』をきっかけに、かなりの活躍っぷりを見せたフィメール・ラッパー、カマイヤの最新MVを。  同じ西海岸の先輩ラッパー、YGのヒット・シングル『Why You Always Hatin?』にドレイク(!)とともにフィーチャーされ、今年はYGのツアーやフェスに引っ張りだこでした。そんなカマイヤが、ミックステープ収録曲の中から「I’m On」のMVを発表。  もともとカマイヤは90年代のフレイバーを大いに作風へと取り入れるタイプのアーティストですが、この曲は90年代のガールズR&Bグループ、シェイズ(Shades)の「Tell Me (I’ll Around)」などでもお馴染の、バーナード・ライト「Who Do You Love」ネタ。MV内でも、90年代にスコッティ・ピッペンが愛用していたこともでも知られるNIKE AIR MORE UPTEMPOのブラックをがっつりロック。さらにはCROSS COLORSやGUESSといったファッション・ブランドも着用し、極め付けは、MVの終盤に登場する平野ノラもびっくりのコードレス型携帯電話。この電話、カマイヤのMVには頻出しており、ファンにとっても定番のアイテムなんです。玉座、そしてバスケットボールのフープにどっしり座りながらラップするカマイヤの姿は恐ろしく新人離れしています。来年はますますビッグなアーティストとのコラボもあり得るかも? 今から非常に楽しみです!(文=渡辺 志保)

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