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4期連続減益に、ゴマ油「かどや」の苦境 老舗企業を襲う世界的な原料高騰の波

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2014/06/10 09:00 東洋経済オンライン
Photo © -C-東洋経済オンライン Photo

 1858年創業、ゴマ油で国内最大手のかどや製油に強烈な逆風が吹いている。原料となるゴマの価格が高騰。同社は今2014年度の営業利益は前期比約16%減の14億円となる見通しを発表。2011年度から4期連続の減益と厳しい状況が続いている。

 ゴマ相場が高騰している大きな原因は中国にある。日本は国内の消費量の多くを輸入でまかなっている。

 中国はインドに次ぐゴマの生産地であり、以前は日本も中国のゴマを大量に輸入していた。しかし経済成長に伴う富裕層の増加で、ゴマの需要が拡大。一大生産地でありながら、2013年の輸入量は44万トンと世界最大の輸入国となっている。中国以外でも、中東やヨーロッパなどでは高い栄養価が注目されて需要が拡大している。

 一方、ゴマは収穫がほとんど手作業で手間がかかるため、生産をやめて他の作物を栽培する生産者が増えていた。需要の拡大と単価の上昇で、今後はゴマ生産者が増える可能性はあるが、それがすぐに生産量の増加につながるわけではない。

 日本特有の事情もある。世界最大の生産地であるインドのゴマは、残留農薬濃度が日本の基準に合わないことが多く、輸入量を増やしにくい。さらに、円安が追い打ちをかけ、2013年度は輸入ゴマ1トンあたりの値段が約18万円(財務省貿易統計)にのぼった。前年度比でおよそ5割の増加だ。かどやではこうした傾向が今年度も続くとみている。

 かどやの売上高のうち約8割はゴマ油が占める。そのうち半分を占める家庭用製品は業務用と比べると採算も良く、利益への影響が大きい。原料高を吸収するため、昨年も2度の値上げを行ったが、予想以上に消費者の反応が厳しく、前年度と比べて2割近く数量が落ちた。同時に量販店ではなかなか値上げを受け入れてもらえず、価格転嫁も十分にできなかった。

 そこで、かどやは6月から実施する値上げについて、業務用と輸出用製品に限定。家庭用の価格は据え置き、販売数量の回復を優先する。が、「それでも原料高の影響をすべてカバーはできない」(小澤二郎社長)。

 今年度中にもう一度値上げに踏み切る予定だ。その際、家庭用も含める場合には「値上げを受け入れてもらえないところへは納入辞退も考える」(小澤社長)と言う。

 海外市場の開拓も進めている。2013年度の海外売上高は30億円、海外売上高比率は13%と規模は大きくないが、特にアジア系移民が増加している北米ではプライベート製品を中心に順調に数量が伸びているという。現在、海外での販売分はすべて日本で作ったものを輸出しているが「北米では現地生産も検討している」と小澤社長は話す。

 早期に海外売上高を40億円まで引き上げる目標を掲げており、和食ブームなどでゴマ油の需要が高まっているヨーロッパや、ハラル認証(イスラム教の食品規格)を取得して中東各国などの市場開拓などに力を入れる計画だ。

 ただ、6月の値上げが思うように進まなければ、ますます厳しい状況に陥る。かどやの経営陣にとって、頭の痛い局面が当面続きそうだ。

 →かどや製油の詳細は「四季報オンライン」で

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