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ASKAを批判する人は、けしからん?なぜ芸能人は覚せい剤にハマるのか、過去に多数逮捕

サイゾー のロゴ サイゾー 2014/05/22 01:05 Cyzo
© Cyzo 提供

 芸能人はなぜ、麻薬・覚せい剤をやってしまうのか? 発覚し逮捕された時に、彼らの作品を回収するという対応などは適切なのだろうか? 日本の法律で麻薬・覚せい剤は禁じられており、中毒性もあり、良くないことだということを前提として理解しつつ、「芸能人と覚せい剤の関係」について、もっというと「覚せい剤をやっている芸能人とファンの関係」について考えてみたい。

 人気デュオCHAGE and ASKAのASKAが5月17日、覚せい剤取締法違反(所持)逮捕された。昨年から「東京スポーツ」(東京スポーツ新聞社)、「週刊文春」(文藝春秋)などで疑惑が報道されていたが、その後、どうなったのかと思っていたら、やっぱりやっていたか。報道によると、逮捕時には、ろれつがまわらなかったという。

 これまでの報道が事実であれば、ASKAが覚せい剤を使用していた可能性は高いようだ。ASKAには、事態について誠意を持って説明するとともに、罪を犯していたとしたならば、悔い改めるとともに、健全な社会復帰を目指すことを期待したい。

「また芸能人の麻薬・覚せい剤の不祥事か……、しかも、よりによってASKAか。けしからん……」と思う人も多いことだろう。昨年、疑惑が報じられた時には、インターネット上でも「シャブ&飛鳥だったか」「過去の作品の歌詞、怪しかったな。『YAH YAH YAH』『僕はこの瞳で嘘をつく』『パラダイス銀河』なんかは、クスリをやっているっぽい感じだったな」「取り調べに『SAY YES』するんだろうか」などの声が散見された。私もそんなことをつぶやいていた。半分はネタだったが、いざ逮捕されてみると、なんだか切ない。いや、筆者もネタにしていたのは事実だが、昔、それなりに聴いていてファンだったのでショックだったのだ。サラリーマンの頃、辛いことがあった時に、歌謡バーで片手を振り上げ『YAH YAH YAH』のサビを歌った高揚感などは忘れられない。

 予想どおりすでにCDは回収の方針が決まったが、CHAGE and ASKAの曲が主題歌のドラマは、CS放送などでの再放送は継続ということになったようだ。

●事務所やファンも同罪では?

 しかし、ここで立ち止まって考えたい。そもそも、なぜ芸能人は麻薬や覚せい剤にハマってしまうのか? 逮捕された芸能人なんていうのは氷山の一角であって、ほかにももっといるのではないか? クスリやってそうだなという芸能人を放置していたという意味で、事務所も、いやファンすらも同罪ではないのか?

 著名人の麻薬・覚せい剤による逮捕は今に始まったわけではない。過去の逮捕者をみてみると、70年代は大麻が多かったが、徐々に覚せい剤にシフトしている。コカインでの逮捕は少ない。警察も取り締まりを強化するからか、逮捕が相次ぐ年がある。何人か常習犯がいる。芸風(清純派)などと関係なく逮捕されている、売れっ子は逮捕されているが超売れっ子は逮捕されていないのでは? などの傾向が見えてこないか?

「社会的に影響力のある人が、麻薬・覚せい剤を使うのはけしからん」というのは、いかにも学級委員が言いそうな正論であり、まったく間違っていないが、そもそも芸能人は麻薬・覚せい剤を使ってしまう存在なのではないかとも考えられないか。仕事の忙しさ、プレッシャー、孤独感などからそうなるのか。下手にお金があるからそうなってしまうのか。やはり黒いつながりがあるのか。

●罪を憎んで作品を憎まず

 そして、芸能人が逮捕されるたびに、ASKA逮捕の件ではCHAGEのように、コンビを組んでいる人、交友関係のある人の悲痛の声、友人代表としての謝罪などがメディアを通じて報じられる。

 ただ、彼らもショックを受けていることに同情しつつ、空気を読まず、こう問いかけたい。「あなたも、なんとなく、わかってたんじゃないの?」と言いたくなる。相棒、友人が麻薬・覚せい剤を使っているかどうかまではわからないまでも、明らかに言動がおかしい、衰弱していることなどには気づいていたのではないか、とも思うのだ。

 この手の不祥事のたびに、過去の作品の回収や配信停止といった話になり、結果としてAmazonなどのネット通販サイトで中古品の値段が上がり続けたりする。いや、レコード会社としてのケジメのつけ方なのだろう。対応としてはわからなくはない。ただ、ここは「罪を憎んで作品を憎まず」のスタンスでいくのはどうだろうか。

 筆者が小中学生だった頃、すでに学校では合唱でビートルズの『イエスタデイ』を歌っていた。やや記憶が曖昧だが、教科書にも掲載されていたと記憶する。ビートルズのメンバーが一時、麻薬・覚せい剤にハマっていたのは、コアなファンではなくても知っている。そもそも、逮捕され明るみに出たから不祥事になるわけで、逮捕はされないものの麻薬・覚せい剤を常用している芸能人はほかにいてもおかしくない。

 私たちは、普段から麻薬や覚せい剤だけでなく、性関係の乱れ、暴力、メンタルヘルスの問題、暴飲・暴食、宗教観の違い(これは思想信条の自由ではあるが)などを抱えている人たちのパフォーマンスを安く、多くの場合は無料で楽しんで生きている。そもそも彼らが危うい世界に生きていることを理解したい。その点、ASKAの逮捕後、ライブで『SAY YES』を熱唱した玉置浩二は男らしい。彼自身、安全地帯のボーカルでありつつ、女性関係は危険地帯だったわけだが。  芸能人が麻薬・覚せい剤で逮捕されることの社会的影響は大きいわけだが、いい子ぶって「けしからん」とだけ言うのもけしからんと思うのだ。(文=常見陽平/評論家、コラムニスト、MC)

※画像はCD『12』(ユニバーサル・シグマ/ASKA)

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