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Ciscoが提唱するAIを活用した「ネットワーク進化論」とは

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/07/24
Ciscoが提唱するAIを活用した「ネットワーク進化論」とは: 図1 ネットワークの現状の課題 © ITmedia エンタープライズ 提供 図1 ネットワークの現状の課題

 「“The Network. Intuitive.” すなわち“直感的なネットワーク”。これを新たなコンセプトに、Ciscoはまた一段と進化したネットワークソリューションをお届けしたい」―― シスコシステムズの濱田義之 執行役員 最高技術責任者(CTO)兼イノベーションセンター担当は、同社が先頃開いた新ネットワークソリューションの発表会見でこう強調した。

 新ソリューションは米Cisco Systemsが6月下旬に発表したもので、日本法人の会見では国内での展開などを含めて説明が行われた。

 この新ソリューションが注目されるのは、これまで世界のネットワーク機器市場をリードしてきたCiscoが、いよいよAI(人工知能)技術を活用した次世代ネットワーク環境を具現化したからである。

 濱田氏は新コンセプトに至ったプロセスについて、次のように話し始めた。

 「ITにおける時代の進化ではこれまで、PCの普及、インターネットの発展、モバイルデバイスやクラウドの登場といった変遷を遂げてきたが、これからはIoT(Internet of Things)の進展とともに新たな時代がくる。それを支えるのはネットワーク。その意味で、新たな時代はまさしく“ネットワークファースト”が最重要ポイントになる」

 だが、現状のネットワークについては負荷が飛躍的に増大し、図1のように「スケール」「複雑さ」「セキュリティ」の面で課題が膨らんでいるという。特に複雑さにおいて濱田氏はこう警鐘を鳴らした。

 「ネットワーク運用については、設計、構築、トラブル処理を含めて80%以上が今も手作業で行われている。これまでの時代の変遷におけるネットワークはそれでなんとか支えてきたが、IoTが進展すれば、もはやそうした対応ではとても追い付かず、ネットワークがボトルネックになる可能性が十分にある」

 では、新しいネットワークでは何が求められるのか。濱田氏によると、図2のように「継続的に学習」「継続的に適応」「継続的に保護」といったことが行える仕組みが必要になるという。これらが、それぞれ先に述べたスケール、複雑さ、セキュリティの課題に対処する基本的な考え方となるのである。

●AIを活用した“直感的なネットワーク”を提案

 そのうえでCiscoが新たに発表したのが、冒頭で紹介した「The Network. Intuitive.」(直感的なネットワーク)というコンセプトである。米本社のチャック・ロビンス最高経営責任者(CEO)は、このコンセプトについて、「Ciscoはより直感的なネットワークを構築することでビジネスを進展させ、場所を問わずに人々と組織のために新しい機会を創造する、比類なきセキュリティを備えたインテリジェントプラットフォームを提供する」とのメッセージを発信している。

 濱田氏は新コンセプトのキーワードとして、図3のように「コンテキスト」(文脈)、「インテント」(ビジネスの意図)、そして「インテュイティブ」(直感)の3つを挙げ、「直感的なネットワークとは、コンテキストを活用し、インテントが主導するインテリジェントかつ高度にセキュアなプラットフォームのこと」と説明した。

 ちなみにその直感において機械学習を活用し、世界中のネットワークを流れるデータを基に「自律したネットワーク」を実現しようというのが、新コンセプトの重要なポイントとなっている。

 同社では新コンセプトに基づく製品群として、シンプルな管理によって運用コストを削減する「DNA Center」、ネットワークの展開や変更を迅速に行う「SD-Access」、全ての脅威を監視して対処する「Encrypted Traffic Analysis」、問題が発生する前に予測する「Network Data Platform」、インフラとなるスイッチ「Catalyst 9000シリーズ」を整備(図4)。それぞれの詳しい内容については発表資料をご覧いただきたい。

 今回の発表内容について、濱田氏はあらためて次のように語った。

 「Ciscoは創業以来、ネットワークの専門家としてさまざまなソリューションを提供してきた。最近ではセキュリティについても世界トップクラスのベンダーとして製品群を拡充している。今回の直感的なネットワークは、そうしたこれまでの当社の活動における蓄積の上に成り立っている。まさにIoTをはじめとした今後のデジタル社会におけるネットワークの在り方を提案したものだ」

 こうしたコンセプトの話は分かりづらいケースが多いので、今回は図も4つ掲載した。Ciscoを取り立ててPRをするつもりはないが、先にも述べたように、ネットワーク機器最大手の同社が打ち出した「新しいネットワークのコンセプト」は、今後のネットワークの在り方を捉えるうえで、エンジニアのみならず、企業のマネジメント層やビジネスパーソンもチェックしておくべきだと考える。

 Ciscoには、新コンセプトに基づいたネットワークの進化ぶりが、マネジメント層やビジネスパーソンにも分かりやすい事例を、どんどん紹介していってもらいたい。それが最大手の務めだろう。大いに期待しておきたい。

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