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HDDは10テラに到達、M.2 NVMe SSDがブレイク、そしてフラッシュの乱高下が目立った2016年

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2016/12/31
HDDは10テラに到達、M.2 NVMe SSDがブレイク、そしてフラッシュの乱高下が目立った2016年: VR専門フロアが林立した直後、20167月のアキバ自作通り © ITmedia PC USER 提供 VR専門フロアが林立した直後、20167月のアキバ自作通り

●HDDは最大10テラに、SSDはM.2 NVMe SSDの人気が過熱!

 2016年におけるストレージの主役はM.2 NMVe SSDといえるだろう。しかし、盛り上がりのきっかけとなったPlextorの「M8PeG-08」シリーズの登場は8月下旬まで待つ。それまでの期間に目立っていたのは10TB容量に達したHDDだ。

 10TBの3.5インチHDDが初めて店頭に並んだのは4月初旬。HGSTの「Ultrastar He10 HUH721010ALE600」とSeagateの「Enterprise Capacity 2.5 HD ST10000NM0016」が同時に売り出された。どちらもヘリウムを封入しており、MTBF(平均故障間隔)250万時間の高耐久仕様となっている。税込み価格は8万3000円前後と8万1000円弱だった。

 その後、7月下旬に初回税込み5万5000円前後と割安なSeagate「IronWolf ST10000VN0004」も登場。HDD価格表の最上位に10TBの容量が記載されるのが普通の光景になった。

 とはいえ、「6テラ以上はNASの領域ですからね。コンシューマー向けで広く売れるのは3テラ4テラまで」(BUY MORE秋葉原本店※当時)とのコメントのとおり、主流のトレンドを変えるほどの影響は見られなかった。

 M.2 NVMe SSDは2015年10月末からSamsungの「SM951」シリーズがすでに出回っており、そのころから一部のコア層に注目されていたが、本格的に花開いたのは2シリーズ目の「M8PeG-08」が登場してから。発売から数カ月は反響に供給が追いつかない状態が続いたが、9月以降にパトリオットやIntel、ウエスタンデジタルなどから立て続けに登場し、ジャンル全体で盛り上がっていった。

 秋ごろ、オリオスペックは「M.2 SSDの中でもSATA接続より断然PCIe(NVMe)タイプになっていますね。やはり断然高速ですし、使える環境が充実してきたのが大きいんでしょうね」と話していた。

 このブームにより、M.2 SSD用の冷却キットや好みのサイズに切り貼りできるヒートシンクが売れ行きを伸ばすといった影響もみられた。パソコンSHOPアークは「M.2 NVMe SSDは高速ゆえにけっこう発熱するんですよね。しかし、ソケットが拡張スロットに挟まれていたりして排熱しにくいことが多いんです。そこで工夫の必要性が生まれているんですよ」と指摘する。

●上半期はメモリとSSD、HDDそろって値下がり、下半期はメモリとSSDが高騰

 メモリやSSD、HDDはもともと価格変動が激しいジャンルだが、今年は特に値動きが注目を集める機会が多かった。

 上半期はおおむね値下がり傾向が目立った。HDDは2月頃に3TBモデルが特価で税込み8000円を切り、5月に同7000円も突破。SSDは春ごろから週末特価の目玉として注目されることが多くなり、5月には240〜256GB級で税込み6000円台前半の特価が複数店舗で見られた。

 そしてメモリは旧正月前の恒例だった値上がりを経ることなく値下がりを続け、4月ごろにDDR3とDDR4の価格逆転が見られるようになった。特に2月から4月にかけてはDDR4の値下がりが顕著で、同容量のDDR3よりも安いモデルが続出。8GB×2枚キットが税込み6980円、8GB×4枚キットが税込み1万1980円の特価になるなど目を見張る安さになっていった。

 しかし、6月末ごろから「業界的な値下げの動きが一段落したのと為替の影響が重なって、そろそろ値上がりの流れになりそうです。実際、一部のブランドはわずかながら仕入れ値が上がっていますし」(テクノハウス東映)といった声も聞かれるようになっていた。

 そうした空気が店頭に現れるようになったのは、下半期に入ってから。秋には他のジャンルへの供給増などが関係してフラッシュ系パーツ全般が値上がりするとのウワサをよく耳にするようになった。

 実際、DDR4メモリから値上がりが見られるようになり、年末まで上昇を続けることになった。某ショップは「DDR4の16GBキットや32GBキットは数1000円単位で上がっているものもありますからね。NAND不足が原因とも、工場の生産調整が原因とも言われていますが、複合的にこうなったのだと思います。いつもと事情が違うので、いつ落ち着くのか本当に予測できないんですよね」と漏らしていた。

 DDR4メモリに続いて値上がりがみられたのはSSDだ。10月下旬には一部ブランドの値上がりが複数店舗で見られるようになり、11月下旬にはPS4 Proへの換装需要の高まりもあって1TB以上の大容量クラスが値上がりしつつ枯渇する事態もみられた。その中でHDDだけは年末まで踏みとどまっており、税込み6000円切りの3TBモデルや同1万円切りの4TBモデルもみられた。が、こちらも「為替の関係でそろそろ……」といった声が聞こえている。

●「A10-7890K」や「Broadwell-E」、「mini-STX」など、プラットフォーム系も動きあり

 プラットフォームの主流は2015年8月発売のSkylake系のままで、大きな変化はみられない。ただ、3月中旬には定格4.1GHz(Turbo時4.3GHz)で動作するAPU最上位モデル「A10-7890K」が税込み2万円前後で、翌週にはSocket AM1の最上位となる「Athlon 5370」が税込み6000円強で登場するなど、春はAMD製品が目立つ機会が多かった。

 当時、BUY MORE秋葉原本店は「現状Intel:AMDでシェアをみると9割がIntel。ただ、AMDも割安にマシンを組むなら悪くない製品を出しているんですよ。じわじわと伸びてくれたらいいですね」と語っていた。

 Intel勢では、上位クラスの新世代CPU「Broadwell-E」が5月31日に販売解禁。先だって対応するX99マザーも複数メーカーから登場しており、ハイスペック志向のユーザーの注目を集めている。

 特に話題になったのは最上位の「Core i7-6950X」で、税込み価格は21万円弱だった。ドスパラ パーツ館が「10コア/20スレッドのスペックが圧倒的で、高価ながら初入荷で早速好調に売れました」と語るとおり、まずまずの反響がはった様子だ。

 なお、主流の次世代となるKaby Lakeは年初に登場するとウワサされている。某ショップは「そこまで劇的な進化ではないので、じわじわ伸びるパターンになるでしょう」と予想していた。

 そのほか、小型プラットフォームでも秋にちょっとしたヒット作が生まれている。ASRockから8月に登場したベアボーン「DeskMini 110」で、税込み価格は1万7000円前後。mini-ITXよりも小さい140×147ミリのmini-STX規格に対応したマザーボードを内蔵しており、USB 3.0 Type-Cや、HDMI、DP、VGA出力をそれぞれ1基ずつ備えている。

 パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「TDP 65W以下ならいいのでCore i7-6700まで選べますし、ストレージもM.2 SSDをブートに使って、他に2.5インチHDDを2台使って大容量ボリュームを構築する手も使えます。かなり完成度が高いですね」と絶賛していた。

 実際、DeskMini 110はロングヒットを続けており、9月以降に単体のmini-STXマザーが複数メーカーから登場した後も安定した人気をキープしている。そのほか、10月下旬にGeForce GTX 1070/1060を搭載したベアボーン「ZBOX MAGNUS 1070/1060」が税込み16万円強と同15万円強、1カ月遅れてGeForce GTX 1080搭載の「ZBOX MAGNUS EN1080」が税込み31万円強で登場するなど、小型ベアボーンの幅も広がった。

●自作街はマイナーチェンジ、ただし、トレンドには敏感に反応

 最後に自作PCパーツ街としてのアキバの変化を振り返ろう。街全体として前編の冒頭で触れた通り、7月に複数のVR専門店で専門コーナーが生まれたのは一番目立った動きといえる。

 それ以外では、1月下旬にドスパラ秋葉原別館の入店していた中澤ビルにドスパラ パーツ館が移転したほか、パソコンハウス東映は5月31日に東映無線系列の他店と融合するかたちで閉店している。

 また、7月にはBUY MORE秋葉原本店が改称し、パソコン工房 秋葉原BUYMORE店とリスタートしたほか、ゲーミングBTOショップ・LEVEL∞HUBも「パソコン工房 秋葉原イイヤマストア」に変わった。

 こうした変化についてあるベテラン店員氏は「系列店単位で整理が進んでいるのはこれまでと同じですが、何かトレンドが生まれたらいち早く対応できるように構える意識は街全体で強まっていると思います。3Dプリンタのときもそうでしたけど、VRへの対応の早さは象徴的だったと思います」と振り返る。

 いわば、腰が軽くなった状態のアキバ。2017年にはどんな変化が見られるだろうか。パソコンSHOPアークは「2016年年末時点で見えている大きな目玉はまだないんですよね。VRがより盛り上がったり、ゲームシーンが広がったりという変化はありそうですが、いずれもじわじわという感じじゃないかなと思います。もちろん、予想もつかないキラーコンテンツが登場することもあり得るでしょうけど、ね」と話していた。

 いずれにしろ、次なるトレンドの芽がアキバや店舗のどこかに現れるのだろう。そこをしっかり観察して、来年も情報を届けていきたい。ではみなさん、よいお年を。

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