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IFAで見た中国スマホ 18:9の縦長ディスプレイが新しいトレンドに Huaweiも?

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/09/05
IFAで見た中国スマホ 18:9の縦長ディスプレイが新しいトレンドに Huaweiも?: 中国メーカーが相次いで縦長ディスプレイの採用を始めている © ITmedia Mobile 提供 中国メーカーが相次いで縦長ディスプレイの採用を始めている

 スマートフォンの機能のトレンドは、一度火が付くとあっという間に各メーカーへと広がっていく。2017年も残すところあと3カ月。2018年のトレンドを追いかけて、各社が一斉に採用を進めているものがある。それはワイド画面だ。従来の16:9という縦横比のディスプレイに代わり、18:9というワイドサイズのディスプレイの搭載が急激に進もうとしている。

●18:9のディスプレイ採用モデルがIFA 2017で次々に登場

 中国スマートフォンメーカーのこの秋冬商戦向け新製品は夏前に各社からフラグシップモデルの新製品発表会が行われ、目玉となる製品は一通り出そろった状況だ。OPPO(オッポ)やVivo(ビボ)がこぞってカメラ機能を強化し、それをXiaomi(シャオミ)も追いかける、そしてAppleやSamsungの大型新製品がこれから市場に出てこようとしている。

 ここ1年で各社の上位モデルにはデュアルカメラの搭載が進み、スマートフォンの背面を見ればカメラが2つ並んでいることも珍しくなくなった。デュアルカメラ化はもはやトレンドや流行ではなく、当たり前のものになりつつあるのだ。しかし今、中国のスマートフォン業界に新たなトレンドが訪れている。それが画面サイズのワイド化だ。

 2017年9月1日からドイツ・ベルリンで開催された家電とITの展示会「IFA 2017」には、中国のスマートフォンメーカーも多くが出展していた。それらの新製品を見ると、従来のスマートフォンとは明らかに形状が異なるものがいくつも見受けられた。それらの製品を手に取ると、明らかに横幅が細く感じられるのだ。従来のスマートフォンのディスプレイが縦横比16:9であったのに対し、これらの製品は18:9という縦長、ワイドディスプレイを搭載している。

 ワイドディスプレイは2017年2月開催のMWC 2017でLGが発表した「G6」が最初の製品である。アスペクト比は18:9で、21:9のシネマサイズの動画も楽に見られる意欲的な製品だ。しかし翌3月末にSamsungが発表した「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は18.5:9とさらに縦方向を伸ばし、ディスプレイの角を落としたエッジ形状と相まって、フロント側から見るとほぼ全面がディスプレイに見える。サムスンはこのディスプレイを「インフィニティディスプレイ」と名付け、縦長画面を大きな武器として大々的にうたっている。

 Samsungはその後8月23日に「Galaxy Note8」を発表、LGも8月31日に「V30」を発表し、どちらもワイドディスプレイを採用した。18.5:9、18:9のワイドディスプレイは今後ハイエンドモデルでは標準装備となるのだろう。だがLGはミドルレンジモデル「Q6」にも18:9のディスプレイを搭載し、ハイエンド製品以外にもワイドディスプレイを広げた。

 大手2社が採用を進めているということは、今後このワイドディスプレイはトレンドとして業界で標準のものになっていくに違いない。そう考えた中国のスマートフォンメーカーはこの動きに乗り遅れまいと、早くも類似製品を出し始めている。しかも大手メーカーだけではなく、第2グループ以降のシェア下位グループのメーカーも採用を次々に決めているのだ。

 例えば家電大手のHisense(ハイセンス)は、IFA 2017に合わせて5.99型、18:9のディスプレイを採用した「Infinity H11」を発表した。ディスプレイ解像度は720×1440ピクセルのHD+で、同じアスペクト比のディスプレイを採用するLG G6/V30の1440×2880ピクセル(QHD+)や、1080×2160ピクセル(フルHD+)のQ6よりも低解像度のものを採用している。ディスプレイを供給するメーカー側も、価格のより低い製品向けにこのクラスの液晶パネルの供給を始めているのである。

 また欧州向けに製品展開を進めているZopoも、18:9、720×1440ピクセルHD+ディスプレイを搭載したシンモデル3機種をIFA 2017で発表した。真っ赤なボディーのカラバリもある「P5000」は5000mAhの大容量バッテリーを搭載し、3日間の連続利用が可能だという。MediaTekのHelio P10、8コア1.5GHz、メインメモリ4GB、内蔵ストレージ64GB、アウト1300万+200万画素、イン1600万画素カメラ搭載で、同社のフラグシップモデルといえる存在だ。

 他の2機種はスタイリッシュなボディーにスペックを押さえ値ごろ感を出した「×1」と「×2」。×2はP5000と同じ5.99型HD+ディスプレイを採用しているが、×1はさらに小さい5.5型、640×1280ピクセルのディスプレイを搭載している。18:9のディスプレイだけでも、既に解像度は3種類の製品が出回っているのである。

●大画面化も進む

 各社が相次いで18:9のディスプレイを採用するのは、スマートフォンの大画面需要と片手で持てるサイズを両立するための唯一の解決策だからだ。写真や映像などマルチメディアコンテンツの視聴だけはなく、SNSのタイムラインやチャット画面は縦に長い画面の方がより多くの情報を一度に表示できる。18:9の画面サイズなら、大型化しても本体の横幅は16:9のモデルよりも細くできる。

 またAndroid 7.0から標準となった、2つの画面を分割して表示できるマルチウィンドウを使う時も、ワイドディスプレイならそれぞれの画面サイズが1:1の大きさとなり、表示できる内容も16:9のディスプレイよりも多くなる。動画を再生しながらチャットする、なんて使い方の時も、ワイドディスプレイならソフトキーボードで画面が隠されるエリアが少なくなる。今風のスマートフォンの活用方法に適した画面の形状、それが縦長のワイドディスプレイなのである。

 そしてなんといっても、次のiPhoneもワイドディスプレイを採用するというウワサであることから、業界のトレンドとして縦長画面が一気に広がると各メーカーは考えているのだ。IFA 2017の開催時点(2017年9月1日〜6日)では、まだ新型iPhoneの正確な情報は公開されていない。しかしディスプレイはSamsungの18.5:9を採用するようである。iPhoneのディスプレイサイズがワイド化すれば、世の中の動きは一気にそちらへと進んでいくだろう。

 Galaxy S8/S8+が登場した時は、ワイドディスプレイが好機の目で見られることもあった。しかしStrategy Analyticsによると、2017年第2四半期(4〜6月)における全世界のスマートフォン機種別販売数で、Galaxy S8は3位、Galaxy S8+は4位となった。1〜2位はiPhoneで、5位が超低価格なXiaomiの「Redmi 4A」だったことを考えると、Galaxy S8/S8+は高価格で新しい形状のモデルにもかかわらず売れまくっている。ワイドディスプレイはすでに市場に普及しつつあるのだ。

 HuaweiのコンシューマービジネスグループのCEO、リチャード・ユー氏はIFA 2017の基調講演で10月発表予定の新モデル「Mate 10」の概要を発表した。ディスプレイサイズは公表されなかったものの、シルエットからワイドディスプレイを採用していることが明白だ。また米国のバッテリーメーカー、Energizerの最新スマートフォン「Power Max P600S」は中国のOEMメーカー製造品で、これも18:9のディスプレイを搭載する。

 中国最大手から2番手、中小、そしてOEMメーカーと、ワイドディスプレイは中国のあらゆるメーカーが採用を広げている。いずれOppoやXiaomiが同調する動きを見せれば、中国のみならず世界中のスマートフォンのワイド化が一気に進むかもしれない。

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