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LACCO TOWERは大きな会場がよく似合う 『心造旅行』最終公演で見せたパフォーマンスの進化

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/11/16 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 LACCO TOWERが11月12日、東京・品川ステラボールにて『「心臓文庫」リリースツアー“心造旅行”』のファイナル公演を行なった。  同公演は、LACCO TOWERの2ndアルバム『心臓文庫』のリリースに伴って行なわれたツアーの最終日で、彼らにとって単独では最大のキャパシティとなる会場でのライブ。LACCO TOWERはそんな大舞台で、いつもと変わらない“ギャップ”と、一層研ぎ澄まされたパフォーマンスを見せてくれた。  ライブは緊張感のあるSEから、メンバーが徐々にステージへと上がり、最後にスポットを浴びた松川ケイスケ(Vo.)の「お待たせいたしました、LACCO TOWER参ります!」という一声で幕を開ける。そこから「罪之罰」「奇妙奇天烈摩訶不思議」「楽団奇譚」と、惜しみなくハイボルテージで、しかしマイナーコードを主体とした楽曲を次々と演奏し、会場に不穏な空気を漂わせる。  「蜂蜜」「柘榴」を披露したところで、真一ジェット(Key.)がショルダーキーボードを手に持ち「ツアー前半で、右足が折れた! そして治った!  完全復活! 」と右足甲の粉砕骨折から完治したことをシャウト。そこから彼が縦横無尽にステージを動き回る「傷年傷女」、細川大介(Gt.)のギターアルペジオから切ない雰囲気のバラード「蛍」へと突入した。  「珈琲」「世界分之一人」を演奏後、松川はMCで「色んなボーカリストを見ていて『おれについてくれば上手くいく』という人に憧れるけどなれなくて」と自身が抱く焦燥感について明かすと、続けて「ただ、そんな俺でも一つだけ言ってきたことがある。明日はきっといい日になると言うことはできないけど、いい日になるかもしれないと一緒に思うことはできる。幸せになりたくてもなれない、そんなみんなの曲です」と語り「未来前夜」を披露した。  また、松川は「この曲を歌うたび、少しずつ彼(真一ジェット)の足の骨が繋がっていったから、今日もみんなの手拍子で完治させましょう!」と「鼓動」を歌い上げ、会場にこの日一番の手拍子が響き渡った後は、シンガロングが起こった「共鳴」、真一ジェットのピアノソロから一気にドライブした「非幸福論」、「秘密」、「林檎」とラストスパート。最後は松川が「控えめに言って、今日が一番最高やと思います!」と述べ、本編最後の「薄紅」へ。彼らのディスコグラフィーで一番前向きな明るさを持っているといえる楽曲を終え、ステージを後にした。  アンコールとしてメンバーが登場すると、各自が一言ずつコメントし、「相思相逢」、「灯源」と勢いのある楽曲を次々に披露。ラストは松川が「スーパーヒーローにはなれませんけど、あなたたち一人ひとりが辛いときのヒーローになれますように! LACCO TOWERでした!」と叫び、アンコールが終了した。   だが、ファンの「ラッココール」は鳴り止まず、ライブはWアンコールへと突入。最後は「一夜」で松川が「俺、ちょっとそっち(客席)行くわ」と観客席で熱唱。会場が一体となり、この日の公演が終了した。  LACCO TOWERのライブを見ていて思うことは、バンドメンバーによる演奏の重要さである。彼らの演奏は、楽曲の核となる真一ジェットの鍵盤によるマイナーコード主体のメロディと松川のボーカルを後ろから支えるのではなく、高いスキルでもって前に前に出ようとすることで、結果的に立体的な音が鳴らされているといえる。そして、松川の文学的な歌詞と彼の内省的な性格から、文系な一面に焦点があたることもあるLACCO TOWERだが、ステージ上で裸足になって熱量高くパフォーマンスをする彼は、憧れる“全能感”をすでに会得しているのではないかとすら思える堂々ぶりだった。  以前、彼らを豊洲PITの『TRIAD ROCKS -Columbia vs Triad-』で見た際、その音と佇まいに90年代後半〜00年代前半にスタジアムを沸かせていた先達バンドたちの姿を重ねあわせ「大きい会場が似合うバンドだな」と感じていたが、それは今回の公演で確信に変わったともいえる。LACCO TOWERはまだまだ大きいステージを目指すことができるーーだからこそ、2017年は彼らにとって大事な一年となるだろう。(中村拓海)

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