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NEWSの4人に感じる、アドラー的な生き方 ドラマ『嫌われる勇気』原案を元に分析

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/21 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 2月8日にリリースされる、NEWSの最新シングル『EMMA』。表題曲は、加藤シゲアキが出演する、ドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)の主題歌でもあり、NEWSファンのみならず、ドラマファンからも注目を集める1曲となりそうだ。4月1日からは、全国9カ所のアリーナ、ドームをめぐる『NEWS LIVE TOUR 2017』も控えており、2017年はNEWSにいい風が吹いているように思う。 (関連:NEWSがラジオとネットを面白くする? 12月20日放送『KちゃんNEWS』を聞いて)  2011年、4人の新体制になったときには「(人気メンバーが脱退して)イチゴのないショートケーキ」とまで言われた彼らが、東京ドームを埋め尽くす快進撃を遂げたのは、なぜなのだろう。そのヒントに、アドラー心理学があるように思う。ベストセラー書籍『嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え』でも話題になり、ご存知の通りドラマ『嫌われる勇気』の原案にもなっているものだ。  ドラマの公式HPに掲載されている、加藤のインタビューで手越祐也が愛読しているエピソードが披露されている点からも「なるほど」と思った筆者。NEWSの4人は、実にアドラー的な生き方をしているように思ったのだ。 ■手越祐也こそ“嫌われる勇気”を持つアイドル  “嫌われる勇気”と聞くと、周りのことを気にせず、思うままに生きるように思われるが、それはただの傍若無人というもの。“嫌われる勇気”とは、本当に実現したいことがあるのならば、周囲の人間関係や自分自身の心がかけるブレーキを外す覚悟を持つ必要があるということだ。逆を言えば「周りから浮きたくないから」と空気を読んで一歩を踏み出さないのも、「こんな自分は嫌なのに」とコンプレックスに縛られるのも、自分の意思であるという。  活躍する手越を見て「手越のようにポジティブになれたら人生楽しいだろうな……」と思う人も少なくないはず。そう思わせるのは、他ならぬ手越本人が、そういう人間になりたいと意思を持って体現したからだ。思い返せば、デビュー当時の手越はグループでもキャリアの浅いメンバーで「ファンの目を見るのが恥ずかしい」と、こぼすようなシャイな少年だった。そこから個人でボイストレーニングに取り組み、好きなサッカーを毎日のように続け、バラエティでも全力で体を張っていった。  誰になんと言われても、やりたいことがあれば突き進む。そして結果を受け止めて、また努力する。その繰り返しが「俺ならできる」という自信に繋がる。「今の自分が好きだ」と堂々と言える手越を「ナルシスト」と呼ぶ人もいるだろう。だが、そうしたアンチをも「批判する」つまり「俺のことを考えている」だから「俺のことが好き」と解釈するのだと手越は発言している。それこそが“嫌われる勇気”というもの。どんなに嫌われても手越が進む道はブレないという意味なのだろう。  そして大事なのは、そのブレない強さと愛されるキャラが、両立していること。自分の意見を曲げないことと、聞く耳を持たないというのは全くの別物だ。手越は、周りの人からのアドバイスを素直に聞き入れるからこそ、バラエティという新しい分野で人気を獲得した。そんな自分の信念を認めてくれるファンへの感謝を忘れないからこそ、今NEWSのエースとして活動できているのだ。嫌われる勇気と人を愛する素直さこそが、手越の魅力の根幹だ。 ■増田貴久に見る“課題の分離”  そんな手越と“テゴマス”としても活動している増田も、アドラー的な考えを持っているのではと感じる。その一つが「課題の分離」だ。相手がどう思うかを、こちらが操作したり押し付けたりはできないということ。家族や恋人、仲間など、時間をともにしている人だと、「ここは、こうした方が相手にとっていいのでは?」とついつい口をはさみたくなる場合がある。だが、それは相手の課題であって、自分の課題ではないと分離して考えようというものだ。増田の姿勢は、いつもそんな分離がなされているように見える。ちゃんと分けて考えられるからこそ、適した距離を掴むことができる。テゴマスのハーモニーのように、付かず離れず。2人の間にあるビジネスパートナー感も、その表れではないだろうか。  1月18日放送のラジオ番組『テゴマスのらじお』(MBSラジオ)内で、楽屋で加藤がいつもギターを弾いているという話をしていた。5〜6年変わらず同じようなメロディを奏でており、いろんなリズムに挑戦しないのかなと思いながら、そっとその様子を伺っているという発言だった。きっと、増田自身も、自分のこだわりがあるからこそ、相手のパーソナルな部分に踏み込むようなことはしたくないのだろう。  例えば、増田が大切にしている世界観のひとつにファッションがある。これこそ、人と同じ感覚である必要がないジャンルだ。新曲「EMMA」のMV衣装も増田が手がけている。奇抜さがありながらも、一人ひとりの個性を感じさせ、4人になるとまとまりを持つ不思議な魅力を放つのが、増田の衣装。また、雑誌『mina』(主婦の友社)で連載している『MASU Styling(マスタイリング)』は、プライベートファッションを惜しみなく披露しており、ファンを喜ばせている。自分がいいと思うものはコレ、あなたがいいと思うものはソレ。どちらも正解だし、どちらも楽しめたら幸せ、という優しさを増田の人柄からは感じられるのだ。 ■加藤シゲアキが示す、劣等感の克服  加藤は、これまで多くの劣等感を克服してきたように見える。アイドルとしても小説家としても活躍している姿に尊敬の念を抱くが、一方で人としての痛みに敏感であったり、傷つきやすい繊細な心が、一般人のそれと大きく変わらないところに人間らしさを感じるのだ。ジャニーズの王道といえば、誰からも愛されて、何をしても優秀なキラキラな王子様。そんなジャニーズらしさと、人と仲良くなるまでに時間がかかったり、運動が得意ではなかった加藤のパーソナルな部分を比較してしまうと、劣等感を抱きやすい環境だったように思う。  そして、NEWSの辿ってきた歩みもグループ活動ができなかったり、メンバーが次々と脱退してしまったり苦難に満ちたものだった。他のグループと比べたら「なぜ自分たちばかりが」という考えが浮かんでもおかしくはない。アドラー心理学では、劣等感は向上していく上で必要不可欠なものとして取り扱われており、その解消方法として「なぜ(Why)自分はダメなのか」ではなく、不完全な自分を受け入れて「どうやって(How)よりよい自分になるのか」と考えることが大切なのだとされている。まさに加藤が踏み出した小説家として一歩は、「どうやって(How)自分がNEWSに貢献できるか」の先にあったもの。NEWSの現状、自分自身の得意・不得意を真正面から受け入れたことで、劣等感をバネにした印象だ。  テレビ番組で小山慶一郎と共にNEWSを思って涙を流す姿を見せたり、ラジオで思ったことをスバッと言い切る独自のスタイルが確立したり、レギュラー番組『NEWSな2人』(TBS系)や『白熱ライブ ビビット』(同)などで様々な現場に足を運んで多くの人とふれあったり……。心と体を張ったチャレンジが増えており、奮闘する姿が視聴者から支持されるようになった。ドラマ『嫌われる勇気』でも、弱い男性という新たな顔を演じていることで多くの人の心を掴んでいるのだ。加藤が伸び伸びと生きている姿そのものがファンを元気づける。ありのままの自分で他者に貢献することこそ、まさにアイドル。「ジャニーズとはこうあるべき」の劣等感を克服した、新しい活躍の道だろう。 ■小山慶一郎が抱く、NEWSという共同体感覚  リーダーである小山を表すのは「共同体感覚」という言葉。他者を信頼し、他者の役に立ち、他者に貢献した自分を受け入れていること。生きる喜びや幸せは、こうした他者との関わりでしか得られないというのが、共同体感覚。「人は1人では生きていけない」とは、あまりにも有名な言い回しだが、実際にそうなのだ。ファンがいなければアイドルは存在しないし、読む人がいなければ記事もないのと同じ。私たちが何かを成し遂げるときには、必ず他者との繋がりが必要になる。  他者からの批判に屈しない手越、他者との適切な距離感を保つ増田、他者との劣等感を克服した加藤。ともすれば、他者との関わりを克服している3人は、個として強くなったことで、すでに1人で生きていける自信を持っていることだろう。実際に、テレビやラジオ、雑誌など、ソロでの活動も見受けられる。だが、NEWSというチームになれば、ソロでは成し得ることができない、より大きな目標を叶えることができる。そこで、3人のメンバーという他者をつないでいるのが、リーダーである小山なのだ。  小山は、メンバーに対して全幅の信頼を寄せているのがよく分かる。ラジオ番組『KちゃんNEWS』(文化放送)でメンバーが登場したときには、どんなに自分と違う意見であっても、一度「そうね」「なるほどね」と受け入れ、その上で考えを述べる。ニュースキャスターという仕事に適性があったのも、きっと他者を信頼して、受け入れることができるからではないか。常に、現状を踏まえて、どうしたら自分が役に立てるのかを考えて、行動する。そしてメンバーやファン、さらに社会全体が幸せになることを、自分の幸せとして感じられるのだろう。  今の世の中、他者を蹴落としてでも、自分にスポットライトが当たるように振る舞う人も少なくないだろう。その中で他者を重んじ、NEWSの成功が自分自身の自己実現だと思える小山こそ、ドラマ『嫌われる勇気』でいうところのナチュラルボーンアドラー(生まれながらにアドラー心理学を体現している人)なのではないか。  長々とアドラー的な視点で分析してみたが、もちろんそんなことを考えなくともNEWSは、とても魅力的だ。だが、もし今の生き方にモヤモヤしたり、他者との関係性に行き詰まったら、NEWSの一人ひとりの考えを深く知ってみるのもいいかもしれない。彼らが、きっと生きる参考書になって元気と勇気をくれるはずだ。(佐藤結衣)

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