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NICO Touches the Wallsが築き上げたサウンドの“深み” 4人揃った「1125の日」レポート

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/09 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 NICO Touches the Wallsが、11月25日に赤坂BLITZにて『1125/2016』を開催した。同ライブは、11月25日にを“1125(イイニコ)の日”と称して、毎年恒例となっているイベントで、今年は2006年にリリースした1stミニアルバム『Walls Is Beginning』と2ndミニアルバム『runova × handover』を中心にライブを構成。古村大介(Gt.)が怪我で欠席した昨年以来、2年ぶりに全員がそろった“1125の日”はNICO Touches the Wallsの音楽の深みを改めて感じたライブが繰り広げられた。 (参考:NICO Touches the Walls、4年前の武道館リベンジ完遂 来年冬に向けてさらなるリベンジ宣言も)  SEが流れ暗転したステージに登場するメンバーを、観客が拍手と歓声で迎え入れる。光村龍哉(Vo./Gt.)が「ようこそ」と言葉を発し、ギターの音色に乗せた歌声が会場に響き渡り、ライブが幕を開けた。  1曲目の「行方」では坂倉心悟(Ba.)のグルーヴィーなベースラインに、歌い出し同様、光村の伸びやかな歌声が重なる。「行方」のジャズ風の曲調や、次に披露した曲のフレーズごとに強弱をはっきり表現した「壁」では、彼らがメジャーデビュー以降に発表した代表曲「手をたたけ」「夏の大三角形」とは雰囲気の異なる、インディーズ時代のバンドのムードが色濃く感じられた。  はじめのMCで光村は「今、当時の音を聴いてみるとですね、やっぱり若いなぁという感じは否めないわけで。今日はあの日から10年経ちましたけど、30代になった僕らがあの時の曲たちを今奏でると一体どういう風になるのかと自分たちも含めて確かめたい」と今回のコンセプトの経緯を説明。すると、後に披露した「僕がいなくても地球はまわってる」では、光村が歌詞を忘れてしまうハプニングも発生。光村は「結構練習してきたけど歌詞が飛ぶっていう(笑)」と話したが、その先には久々に披露される楽曲たちがどのようなかたちで披露されるのか、温かく楽しみに見守るファンの姿があった。  「梨の花」では古村が奏でる幽玄なギターとより深みがかったアンサンブルが場内に広がり、観客を楽曲の世界へと引き込んでいく。発表した当時はやや背伸びをしていた印象もある楽曲たちが次々と現在のバンドサウンドで披露されていくと、キャリアを重ねたことで豊かになった彼らの表現力の高まりを感じた。光村が、「実際に10年前、妙に渋い人たちから対バン誘われるなと思ってたんですよね。おかしいなと思ってたけど、10年経って、今改めて演奏してみると、その理由がよくわかりました」と話し始めると、対馬祥太郎(Dr)から「これで20歳だよ」、古村が「怖いよね」と重ね、場内が笑いに包まれた。  「病気」で古村が再びギターをソウルフルに鳴らすと、それを引き立てるように対馬が叩くダイナミックなドラムのビートが重なっていく。行進して迫ってくるようなドラミングの迫力で始まった「アボガド」、「そのTAXI,160km/h」と続けて場内全体の高揚感を高めていく。その勢いをさらに増して、光村と古村のセッションで迎えた曲は「泥んこドビー」。<阪神戦が延長して 繰越の連ドラ たまにゃ野球もいいか むかえた9回裏 巨人2点リード 1死満塁逆転チャーンス>と歌った直後に光村が「あの当時はまだ、野球中継が9時24分で終わってしまってそのあとドラマが始まる、今はほとんどないからこの歌詞なんだかわからない人とか」と過去に自ら作詞した歌詞に対して「時の流れを感じる」と重ねて発言し、笑いが起こった。再び曲が始まると、これまでの雰囲気とは一変して観客の手が挙がり、光村がオーディエンスの元へ飛び込む場面も。会場の盛り上がりは最高潮に達し、本編の最後はスロウなナンバー「雨のブルース」を光村が伸びやかな歌声を響かせ締めくくった。  アンコールのMCでは、「あの暗い時代からこの10年間でどういう歩みをしてきたか証明したいと思います!」という光村の言葉のあとに、新曲「マシ・マシ」を披露。朗らかなサウンドと歌声がオーディエンスの笑顔を誘い、1年に一度しか演奏されない「1125のテーマ」を最後にライブはクライマックスを迎えた。  “原点回帰”という意味ではなく、毎年恒例となっている“1125の日”をこれまで以上に楽しめる企画にしたいという気持ちから実現したインディーズ時代の2作品の再現ライブ。彼らは10年前の楽曲を「渋い」、最近の曲を「明るい」と表現していたが、今の彼らの精緻な表現力を持って披露された楽曲からは、バンドが築き上げて来たサウンドの奥深さが感じられた。発表されたツアーを含め、今後の活動でもNICO Touches the Wallsにしかないバンドの深みを感じさせてほしい。 (文=大和田茉椰/写真=上飯坂一) NICO Touches the Walls 1125/2016

2016年11月25日(金)・赤坂BLITZ

■セットリスト

1.行方

2.壁

-MC-

3.梨の花

4.僕がいなくても地球はまわってる

5.幾那由他の砂に成る

6.プレイヤ

-MC-

7.病気

8.3年目の頭痛薬

9.アボガド

10.そのTAXI,160km/h

11.泥んこドビー

12.image training

13.雨のブルース

EN-1.マシ・マシ

EN-2.1125のテーマ

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