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PCの管理も“丸投げ”できる? 「Device as a Service」とは

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/01/23
PCの管理も“丸投げ”できる? 「Device as a Service」とは: 日本HPの岡隆史 代表取締役 社長執行役員 © ITmedia エンタープライズ 提供 日本HPの岡隆史 代表取締役 社長執行役員

 日本HPが先ごろ、今後の事業戦略について記者説明会を開いた。同社は2015年11月に米Hewlett Packard(HP)が分社してPCとプリンタ事業を担った米HP Inc.の日本法人である。企業向け事業では分社したもう一方の米Hewlett Packard Enterprise(HPE)の日本法人である日本ヒューレット・パッカードが話題に上るケースが多いが、PCとプリンタ事業については日本HPが企業向けも担っている。

 日本HPの岡隆史社長は会見で、分社後の主な取り組みや今後の製品戦略について説明。そのうえで「分社後の1年はPCとプリンタに求められるスピーディーな事業展開や、革新的な製品・サービスを提供するための体制づくりにあらためて力を入れてきた。これからはなお一層、グローバルなHPの先進技術を日本のお客さまに活用していただける製品・サービスに仕立て上げてお届けしていきたい」と、今後に向けての決意を語った。

 岡氏の話の中で、筆者がかねて注目しているのが「Device as a Service」だ。これは、PCおよびそのライフサイクル管理を一元化し、月額料金のサービスとして提供するものである。

 HPが提供するDevice as a Serviceは、業務に必要なPCの技術とサポートを効率的に導入するため、PCを購入して「所有」するのではなく、サービスとして「利用」するというコンセプトに基づくサービスである。

 これはすなわち、企業のクライアントPCもクラウドサービスのように利用する時代が来ると見越してHPが打ち出したサービスである。筆者が注目したのもこの見立てにある。

●Device as a Serviceのユーザーメリット

 日本HPはこのDevice as a Serviceを2016年8月に国内で提供開始した。同社でPC事業を統括する九嶋俊一 執行役員パーソナルシステムズ事業本部長兼サービス・ソリューション事業本部長が当時の発表会見で、このサービスによるユーザーメリットを5つ挙げていたので紹介しておこう。

 まず1つ目は「費用の平準化」。同サービスは契約期間を通して費用を平準化できるため、予算計画・管理が容易になる。買い取り時の初期導入コストなども平準化される。2つ目は「オフバランス処理」。資産を持つITサービスではなく、サービスとして資産を活用するモデルのため、オフバランス処理となりバランスシートのスリム化が可能となる。

 3つ目は「陳腐化リスク低減」。用途に応じたモデルの選定やその使用年数の選択・組み合わせが可能なため、デバイスが陳腐化しないよう期間設定し、ユーザーの生産性確保に貢献する。4つ目は「ライフサイクルサービス」。顧客の要望に合わせたライフサイクルサービスの提供により、煩雑な機器の運用管理や廃棄をメーカーとして責任をもってサポートする。5つ目は「アカウントサービス」。顧客ごとに対応したアカウントSEが、各種管理リポートやさまざまな課題の解決にあたる。

 これらのユーザーメリットからも見て取れるように、ミソとなるのは「PCおよびそのライフサイクル管理を一元化したサービス」であることだ。九嶋氏は「こうしたサービスは私の知る限り国内で初めて」と語っていた。

 では、サービスを始めてから5カ月ほどたった現在のビジネス状況はどうか。先日の事業戦略会見後、九嶋氏に聞いてみたところ、「非常に手応えを感じている。とりわけお客さまには、面倒なPCライフサイクル管理を自ら行う必要がなくなるという点が好評を得ている」とのこと。今後についても「クラウドサービスのさらなる普及に伴ってDevice as a Serviceが広がっていくのは自然な流れだ」と語った。

 ただし、「非常に有望なビジネスだけに、こうしたトータルサービスを提供する力のあるベンダーが今後、続々と参入してくるだろう。そうなると、サービスの品質や導入のしやすさが一層問われることになる」とも。そうした競争も見越したうえで同氏は、「先行したHPとしては競合他社の追随を許さないサービスに仕立て上げていきたい」と強調した。

 ちなみにこのサービスは、PCだけでなくシンクライアントやモバイルデバイスなども対象となっていることから、Device as a Serviceと呼んでいる。ただ、考えてみるとスマートフォンなどのモバイルデバイスは既にサービス化しており、九嶋氏は、「今後は例えばPCとスマートフォンの境目もなくなり、デバイスとして新たな進化を遂げていくだろう」という。

 果たして、クラウド時代を見据えたDevice as a Serviceが企業にどれだけ広がっていくか。新たな参入ベンダーの動きとともに注目しておきたい。

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