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TWEEDEESが4人編成で見せた“ソリッドな一面” 2周年記念ライブレポート

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/21 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 TWEEDEESが2月4日と5日の2日間、東京・高円寺HIGHで行なった結成2周年記念ライブ『Happy Birthday TWEEDEES Vol.2』は、バンドの新たな挑戦を見ることのできた公演だった。

(関連:『Happy Birthday TWEEDEES Vol.2』ライブ写真はこちら)

 1日目にはシンリズム、2日目にはikkubaruのフロントマンであるムハンマド・イックバルがゲストとして登場し、筆者は2日目に足を運んだ。前半はイックバルが1人でステージへと立ち、まずはEspeciaに楽曲提供した「アビス」のセルフカバーを歌唱。来日のたびにどんどん上達する日本語でMCをし、「日本語で書いた」というJ-POP的な手触りの「skyline」や、SoundCloudに先日アップしたばかりのフォーキーな「let it swing」など、温かみのある歌声で観客の心を鷲掴みにした。

 そしてTWEEDEESが登場、という場面で観客たちはあることに気付く。前日の公演を含め、最近のライブではほぼ固定となっていた坂和也(Key.)、原“GEN”秀樹(Dr.)、山之内俊夫(Gt.)、末永華子(Key.)を含む6人編成ではなく、TWEEDEESの沖井礼二・清浦夏実と坂、原の4人だけがステージに立っていたのだ。

 驚いたのはそれだけではない。全員が揃いのブリティッシュなレジメンタル・ネクタイとネイビーブレザーを着込み、沖井は自身のトレードマークともいえる赤いリッケンバッカーを脇に置き、フェンダー社のプレシジョンベースを肩にかけていた。何が始まるのかという期待とともに「速度と力」「STRIKERS」でライブがスタートすると、全体的に音の重心が低いことがはっきりとわかる。清浦もこの編成については「よりソリッドで男らしい演奏になっています!」とMCで感想を述べていた。

 リッケンバッカーのベース自体、もともと音のクセが強いうえ、それを沖井礼二というよりクセのあるプレイヤーが操ることで、彼の音には絶対的な記名性がある。しかし、今回あえてプレシジョンベースを使ったのは、少人数編成だからこそバンドという“塊”の強度を高めたかったのだろう。パンキッシュに演奏された3曲目「Boop Boop Bee Doop!」にも、それは顕著に表れている気がした。

 普段のライブでは煌びやかな音像の「月の女王と眠たいテーブルクロス」や沖井が「まさかこの編成でやると思ってなかった」と語った「ムーンライト・フラッパー」も、この編成ではより力強さが増していたし、「Rock'n Roll is DEAD?」や「Crosstown Traffic」といったロックな楽曲は、4人ゆえのヘヴィーなサウンドが映えていた。BPMが早く手数も多いストレートな原のドラムがよりハッキリと聴こえるのも、4人編成の特徴かもしれない。

 MCでは、TWEEDEES恒例と言っても過言ではない、沖井の長いトークがこの日も見られるのかと思いきや、何やら清浦の顔色を伺っている様子。これを見た清浦は「昨日はけっこう反省会しましたからね!」と暴露し、会場が笑いに包まれた。2人のパワーバランスの変化については、以前のレポート(http://realsound.jp/2016/08/post-8836.html)にも書いたが、ここにきてさらに、清浦の力が強くなっているようにも映った。

 ライブ中盤のハイライトは、沖井が「我々にはイッくん(イックバルの愛称)がいないと完成しない曲があります」とイックバルをステージへと呼び込み、2ndアルバム『The Second Time Around』の収録曲であり、彼もゲストボーカルとして参加した「PHILLIP」を演奏した場面。ちなみにこの曲は、1年前に同じ場所で開催されたバースデーライブで初披露されており、1年の時を経て、ようやくイックバルを含む完璧な編成で鳴らされることとなった(参考:http://realsound.jp/2016/02/post-6350.html)。その後は沖井がリクエストしたというikkubaruの楽曲「Love Me Again」をカバーし、MCで初対面の印象と仲が良くなったきっかけを明かしたあと、イックバルと沖井・原・坂の4人でグルーヴィーな演奏とともに「silent」を披露。最後はikkubaruが初期にSoundCloudでカバーしていたというシュガー・ベイブの「Down Town」を歌い上げるなど、イックバルとTWEEDEESのさらなる一面を見ることができた。

 インドネシアにはかねてから日本の音楽を好んで聴くリスナー層が一定数存在しており、彼らがミュージシャンとして作った音楽は、互いのジャンルから「J-INDO」と呼ばれることもある(参考:http://hihiwhoopee.tumblr.com/post/72313967673/column-what-is-j-indo)。ikkubaruはそのミクスチャー具合が巧みなバンドであることが、この日の演奏からもひしひしと伝わってきた。

「ikkubaruやシンリズムくんもそうだし、POLLYANNAや辻林美穂、カラスは真っ白もそうだ。いい音楽やってるなーと思った人が全員20代なんですよ(註:シンリズムは実際には19才)。僕も久しぶりにときめいていたり。そんな人を集めて何かできたらいいなと思っています」

 ライブのMCで、沖井はこのように語った。この発言を聞いて、まだまだTWEEDEESはフレッシュなバンドであり続けるし、彼らと共振する若手ミュージシャンたちも次第に増えているのだと感じた。これからはTWEEDEESを含む若手バンドを中心とした豊潤な音楽シーンが、生まれる瞬間に立ち会えるのかもしれない。そんなことを予感させる、バンド3年目の幕開けだった。(中村拓海)

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